国家限定任務 のバックアップ(No.12)

―ベルガモットバレー　都市郊外　断崖周辺―

各国周辺に現れた、新たな大型害虫たち。
普段は遠征討伐の控えとして戦力を温存している花騎士たちも、
一時的に所属国家へ帰投し、国家防衛任務の戦力として動員されることに。

シクラメン
「えっと、私の任務は……。
　ホトトギスさん、サザンカさんという方々と一緒に、
　岸の向こうまで攻め込むこと……？」

シクラメン
「うぅ、大丈夫かなぁ……。
　作戦もそうだけど、
　みんなと上手くやれるかなぁ……」

ホトトギス
「ど、どうも。こんにち……は」

シクラメン
「……！！
　ここ……こ、こんにちは」

ホトトギス
「わたし、ホトトギスです……。
　岸の向こうに行く任務を受けて……えっと」

ホトトギス
「シクラメンさん……で、あっていますか……？」

シクラメン
「は、はい。私がシクラメンです」

ホトトギス
「良かったぁ……。
　えーっと、あとはサザンカさんが来るはずで……」

サザンカ
「ウッヒィー！　おまたせーっ！
　シクラメンにホトトギスだね？
　ボクがサザンカでーす、よろしくー！」

シクラメン
「…………」

ホトトギス
「……………………」

サザンカ
「なんだか難しそうな任務を受けたけど……。
　そういうのって、たまらないよね！
　困難に打ち勝ったときの達成感っていうのかさ～」

サザンカ
「害虫も強そうなのがたーっくさんいるし、
　やりがいがあるってもんだよ！」

サザンカ
「ウッヒヒーィ！！」

ホトトギス
「……わ、
　わたしたちも行きましょうか、シクラメンさん」

シクラメン
「は、はいっ。
　よ、よろしくお願いします……」

―ベルガモットバレー　都市郊外　断崖周辺―

先発部隊の活躍により、移動経路を確保したベルガモットバレーの花騎士たち。
しかし、害虫たちの出現が止まる気配はない。

断崖の向こうへたどり着いた部隊を追いつつ、
新しい作戦の立案が急がれていた。

シロツメクサ
「本作戦の立案と指揮を任されたシロツメクサです。
　早速ですが、作戦内容の説明に移り……」

アイリス
「あら？　作戦の立案なら私の出番かと思いましたが……」

ワレモコウ
「モコウも断じて参戦したい、です？」

シロツメクサ
「あ、あれ？　そうなんですか？
　……まぁ、これはなかなか珍しい機会です。
　きっと良い知恵が出ることでしょう」

シロツメクサ
「それではまず、わたしの考えですが―」

アイリス
「……あら、それならこうした方が―」

ワレモコウ
「そこはちょっと―モコウは断じて納得しかねる……？」

シロツメクサ
「なかなか決まりませんね」

ワレモコウ
「……船頭多くして、船、山に登ってる？」

アイリス
「三人寄れば文殊の知恵、とは一体……」

シロツメクサ
「……兵は拙速を尊ぶといいます。
　わたちたちがここでこうして話しているより、
　進軍した方がよさそうですね……」
　（編集者の声:×わたち→○わたし？　話し合いでお疲れのようです）

－ベルガモットバレー　都市郊外　山脈付近－

国を挙げての防衛線はまだまだ続く。
作戦らしい作戦の立案もなかったベルガモットバレーの花騎士たちは、
苦しい戦況を強いられながらも徐々に害虫勢力を押し返していた。

ミント
「くぅ……害虫もだんだん強くなってきている……。
　このままじゃダメ……私には、これしかないのに……」

ミント
「他の花騎士たちは……。
　まだ、余裕のある人も多そう。
　一体、何が私に足りないんだろう……」

ジャスミン
「大丈夫かしら、ミント？
　怪我としてない？」

ミント
「……っ。あ、ありません。大丈夫です」

センニチコウ
「無理はしなくていいのよぉ？
　休息は必要だし、甘えたいときは甘えていいんだからぁ」

ミント
「お……お心遣い、感謝します」

ミント
「　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おっきいなぁ」

センニチコウ
「ミントちゃん？」

ミント
「な、なんでもありません！」

ジャスミン
「悩んでいることがあるなら、
　今のうちに言っておいた方がいいですわよ？」

ミント
「い、いえ。大丈夫です！
　すみません、本当になんでもありませんので……」

ジャスミン
「そう、ならいいのだけど……」

センニチコウ
「それじゃあ、そろそろ行動を開始しましょうかしらねぇ」

ミント
「…………」

ミント
「―やっぱり、おっきくないとダメなのかなぁ…………」

―

―

―リリィウッド　都市郊外　花畑地帯―
各国周辺に現れた、新たな大型害虫たち。
普段は遠征討伐の控えとして戦力を温存している花騎士たちも、
一時的に所属国家へ帰投し、国家防衛任務の戦力として動員されることに。

ヘリコニア
「きた！　きたきたきた！
　あたしが戦果を挙げて目立つチャンス！」

ヘリコニア
「お国の一大事でみーんな慌ててるけど、
　こういうときでも目立つことを忘れないのが
　このヘリコニアなのだーっ！」

ハナミズキ
「Hey!　そこの花騎士サン！
　気合い十分デスネ～！？
　Are You Brave Girl ？」

ヘリコニア
「あ、あーゆ、ぶれ……？」

ヘリコニア
「……よ、よくわからないけど、
　目立てるならそんな感じかな！」

ヘリコニア
「……ところで、その喋り方、目立つね」

ハナミズキ
「Oh ？ ワタシの故郷では
　いたって Standard、普通デース！

ヘリコニア
「故郷……って、リリィウッド？
　聞いたことないよ、そんな喋り方」

ハナミズキ
「ワタシ、育ちはリリィウッドですガ、
　生まれはベルガモットバレーでーす！」

ハナミズキ
「ベルガモットバレーの様子も気になりマスが、
　今はリリィウッドのために Fighting しマース！！」

ヘリコニア
「な……なんだかすごい花騎士だったな……。
　すごく……目立ちそう……」

ヘリコニア
「……ま、まぁ気にすることはないさ、ヘリコニア！
　わたしにはこの目立つハンマーがあるじゃないか！」

ヘリコニア
「こいつで害虫たちをなぎ倒せば……」

エーデルワイス
「そこの方、ちょっと失礼」

ヘリコニア
「……えっ！？
　い、今あの人、ハンマーに乗って移動してた……！？」

ヘリコニア
「うぅ……あたし、この戦いで本当に目立てるのかなぁ……？」

―リリィウッド　都市郊外　森林外周―
花畑地帯での害虫討伐任務を見事に完遂したリリィウッドの花騎士たち。
慣れ親しんだ森林地帯を
次なる拠点に定め、一転攻勢へ打って出ることに。

ヤグルマギク
「みなさん、準備はよろしいですか？
　これから作戦の説明をおこないます」

ギンラン
「よろしくお願いします」

イエローチューリップ
「お願いするわ」

ヤグルマギク
「まず、全体的な動きとしては
　こちらの勢力図をどんどん広めていくことになります」

ヤグルマギク
「迅速な戦力展開が鍵となりますので、
　普段はあまり使わない。
　少々危険のあるルートも作戦経路として利用します」

ヤグルマギク
「そこで、お二人の役割ですが……」」

ギンラン
「なるほど……その作戦でしたら、
　私は前線に出た方がよさそうですわね」

ヤグルマギク
「……そうですね。お願いします。
　それと、イエローチューリップさんですが……」

イエローチューリップ
「んー……それだと、私は救護活動が中心になるかしら」

イエローチューリップ
「色々と試したいお薬があるんだけど……。
　事態が事態だし、今回はちゃんとお仕事するわね」

ヤグルマギク
「……え、えぇ。お願いしますね」

ヤグルマギク
「それではみなさん、
　くれぐれも気をつけて……うぅっ」

ギンラン
「ヤグルマギクさん？
　ど、どうしたのですか……？」

イエローチューリップ
「ヤグルマギクは昔、
　教え子が害虫に襲われたのよね……。
　きっとそのときのことを思い出して……」

ヤグルマギク
「いえ……ちゃんと話を聞いてくれて、
　物分かりもすごく良い人たちで、つい、涙が……」

ギンラン
「……日頃、どんな方々を相手になさっているのでしょう」
(※元ネタ･･･FKGトップページ→執務室→アルバム→
戦闘調整『ヤグルマギク先生の特別授業』)

イエローチューリップ
「……よくわからないけど、
　今はあんまり突っ込まない方がいいかもねぇ」