ミカン のバックアップ(No.8)

みかんの花が　咲いている
　　　　　　思い出の道　丘の道
ミカンは食用柑橘類の総称だが、日本でミカンといえばウンシュウミカンのことである。
柑橘類は世界の温帯に広く分布しており、日本にはタチバナとシークワーサーが自生している。
古事記と日本書紀には、非時香菓（ときじくのかくのみ）の実という柑橘が登場するが、これがタチバナなのか、中国から伝わったコウジ（ウスカワミカン）やキシュウミカンなのかは定かではない。
ちなみに当時の柑橘は食用としてよりもむしろ薬用として用いられていた。現代でも、陳皮（干したミカンの皮）は漢方薬として広く用いられている。
日本において食用として広まったのはキシュウミカンで、熊本に中国から伝わり、それが15世紀〜16世紀ごろ紀州有田（和歌山）に移植され一大産業に発展したことから「紀州」の名が付けられた。
また江戸時代の豪商である紀伊國屋文左衛門が、当時江戸で高騰していたミカンを紀州から運搬し富を得たとされる伝説でも有名である。
現在広まっているウンシュウミカンは中国の温州生まれではなく、江戸時代の熊本で突然変異によって生まれた。
ウンシュウミカンは5月に3cm程の白い5花弁の花を咲かせ、樹高は2-4ｍの高さに成長する。実の大きさと種を生じにくいという特徴から、明治時代以降爆発的に生産量が増加した。
ウンシュウミカンは温暖な気候を好むが、柑橘類の中では比較的寒さに強い。近年では新潟県の佐渡島でも栽培に成功している。
日本では長らく愛媛県が生産量一位の座を誇っていたが、近年では和歌山県が生産量一位である。
食生活の変化やオレンジ輸入自由化に伴い、ウンシュウミカン一辺倒だった日本の柑橘農業も転換し、イヨカンやポンカン、デコポン、レモン、ヒュウガナツ、ブンタンなど日本でも多くの種類の柑橘が栽培されるようになった。
今後の「オレンジ隊」の実装が期待される。