ネメシア のバックアップ(No.3)

ネメシア

ゴマノハグサ科の一年草または宿根草。

一言にネメシアというと大輪種の一年草を指すのが一般的だったが、
現在の市場では宿根ネメシアの苗を見かけることのほうが多くなってきている。
宿根ネメシアは小輪で花色も少なく地味だったか、ここ最近で品種改良が進み、
原種と同じような豊富な花色に加え、香り付きの品種などが作出されるなどして
急速に人気を伸ばしている。

原種は秋蒔き一年草。
宿根タイプは通年花を咲かせるが、夏には開花が止まることも。
また、長日植物(日が長いほど花を旺盛に咲かせる植物)のため、真冬は開花が緩やかになる。
高温と多湿が苦手なため、強健な宿根タイプであっても日本では夏越しの難易度が高い。
日本では春秋くらいの気候で旺盛に生育し、株いっぱいに花を咲かせる。

花は洋蘭のような特徴的な唇形をしている。
中央にある２つの膨らみの部分だけ周りと色が違うポイントカラーになっているが、
これは花粉を媒介する昆虫たちに蜜をもっていることをアピールし、誘惑するためのするサインの役割をもっている。
昆虫が蜜を吸おうと花の中に頭を突っ込むことで、花弁の上部にあるしべと擦れ受粉が完了する。

ネメシアの蜜腺は距(花の後ろ側に突き出た袋状の構造)の奥にあるが、
ネメシアの距は細長いため、奥まで届く長い口を持った昆虫でないと蜜にありつけず、お預けを食らってしまう。
これは花粉の媒介者を厳選することによって他種との交雑を防ぐのに適用した進化の結果だという説がある。

ちなにみ外からは見ることができないが、花の中にある雄しべはハート型を描いておりとても可愛らしい。

近縁種にはディアスキアの他、リナリア、キンギョソウ、ロベリア、ステラ、アンゲロニアなどがいる。