シャクヤク のバックアップ(No.31)

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
　芍薬も牡丹も共に美しい花で、百合は清楚な花であることから、
　美人の姿や振る舞いを花に見立てて形容することば。

シャクヤク

科属名：ボタン科ボタン属

学名：Paeonia lactiflora

英名：Chinese peony、Common garden peony

和名：シャクヤク（芍薬）

別名：エビスグサ(夷草)、カオヨグサ（貌佳草）、エビスグスリ（夷薬）、ヌミグスリ（枸杞）、ハナノサイショウ（花の宰相）

原産地：ユーラシア大陸北東部（中国北部、モンゴル、シベリア南東部、朝鮮半島北部）

開花期：5月～6月頃（イラスト背景）

誕生花：2月8日、4月24日、5月14日、5月16日、5月25日、6月16日、7月24日　他

花言葉：恥じらい、謙遜、内気、はにかみ、優しい心、清浄、慎ましさ、素直な性格、思いやり、生まれながらの素質、恥辱、怒り　等

○概要:

シャクヤクはボタン科ボタン属に属する植物であり、ボタンとは近縁。
ただしボタンが樹木として一年中地上にあるのに対して、シャクヤクは冬になると地上部の茎葉が枯れて
根の状態で休眠する草（多年草）に分類される。
そのため草牡丹などとも呼ばれる。また俗称として小牡丹などとも。ロリキャラなのも納得だね。

原産地はチベットからシベリア、朝鮮半島の一部にかけての東アジアが中心で日本には平安時代に渡来した。
当初は薬として用いられていたが、室町時代に花が鑑賞の対象となり江戸時代には園芸植物として確立、多数の品種が生み出された。
一方、ヨーロッパには18世紀前半に導入、イギリスやフランスを中心に多くの品種がつくられた。
その後アメリカではシャクヤクとボタンの交配が進んだ。

日本で改良されたシャクヤクは一重咲きが中心で、花が大きくて花びらの重なりが厚くゴージャスなものが多く、
ヨーロッパやアメリカで改良されたシャクヤクはやや小振りで花色が豊富でモダンな雰囲気がありコンテナ植えなどにも適している。

園芸品種が多く、一重咲きや半八重咲き、八重咲き、冠咲き、翁咲き、金しべ咲き、手毬咲き、ばら咲きなどがあり、
色も白や淡桃、赤・オレンジ・黄・青・紫などがあり単色だけではなく斑点や縞模様が入るものもある。
また夕方になると花びらを閉じる性質があり、イギリスの民話には、はにかみやの妖精がシャクヤクの花に隠れたとき、
この花もいっしょになって赤らんだことから、「恥じらい、内気、はにかみ」といった花言葉が生まれてたのだとされている。

シャクヤクはまた、原産国中国での漢字「芍薬」からも連想されるように、古くから薬用植物として栽培され、
根は重要な生薬として鎮痙薬、鎮痛薬に用いられてきた。
ローマ時代の博物誌にもこの薬用の万能ぶりが伝えられているが、
現在でも血行をよくして筋肉の緊張を緩めるなど、様々な漢方薬として使われている。

北東アジア原産であり薬効もある有用草であるため、中国やその周辺地域では文化面でもかかわりが深い。
中国では「牡丹を第一と為し、芍薬を第二とす」として、牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、
芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれる。
これに日本ではユリを加えて「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」として
美しい女性の立ち居振る舞いの一つに例えられている。
これは「芍薬はすらりと伸びた茎の先端に華麗な花を咲かせる様が美しく、
まるで美しい女性が立っている姿のようだ」と評されたことに由来するという説がある。

他にもこの３種の草の根はいずれも婦人病に効く漢方薬の材料としても知られているという面がある。
この言葉が症状と薬の組み合わせを示しており、

• (イライラして腹が、あるいは筋肉が硬直して筋が)立てば芍薬→筋肉のこわばりの緩和
• (腹部の血流の悪化(瘀血(おけつ))に陥り)座れば牡丹→消炎・血行促進作用
• (情緒不安定に陥ってうろうろと)歩く姿は百合→微量のアルカロイドによる精神安定

と当てはめることも出来る。
加えて芍薬・牡丹の根は月経に伴う各種異常への薬、百合根は女性に必要な栄養価を豊富に蓄えている。
女性の見た目だけでなく、内部から美しくするための要素も備わっているのである。
ただし煎じるのは花ではなく根。この言葉の由来に関連するのかただの偶然なのかは(ざっと調べた限りでは)不明である。

また芍薬には「離草」というあだ名もあり、他人と別れるときに送る花だと言われている。
しかし一方それとは真逆で「人を招き会うときに送る花」ともいわれている。
異性に送った場合「あなたとXXXしたい」などということになるらしい。
さすがに今時これを知っている人も気にする人もほとんどいないだろうが、それだけ文化的に深く根ざした花ということである。

○主な参考文献URL

「故事ことわざ辞典　立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」http://kotowaza-allguide.com/ta/tatebasyakuyaku.html

「ウィキペディア　シャクヤク」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%A4%E3%82%AF

「ヤサシイエンゲイ　シャクヤク」http://www.yasashi.info/shi_00037.htm

「花言葉　花の持つ言葉　シャクヤク」http://www.language-of-flowers.com/hana/se-607/

「魅る魅るガーデニング　シャクヤク」http://www.teych.com/5ghana-25.html

『大漢和辞典』巻9に引用される「埤雅」等。

解説１「長刀・薙刀」

　誤解されているが、薙刀は長刀の一種。
　”長巻”などと誤認しているケースもあるが、長巻は刀身の大きいものに、長い柄をつけたものである。
　長刀でも刀身の反りが強いものを薙刀と呼ぶ。
　現在では長刀を薙刀と呼ぶことに抵抗がないが、これは薙刀術が長刀全般の技術として取り扱っていることが原因だと思われる。

　薙刀の起源と発達過程については諸説存在しており、判然としていない。
　形状自体も日本固有ではあるが、西洋のグレイブ、中国の偃月刀などといった長柄武器の一種として、数こそ少ないが世界中で類似した形状が見られる。
　もっとも鎌に長い柄を接続させた程度の安易な武器としての急造品も多かったのだが…。

　日本では平安後期に台頭する僧兵の主要武器として初期展開し、武装として僧兵から武士に波及するが密集展開戦術の深化、防具の発展により長刀全般の戦場利用は廃れ、その代替として槍が台頭する。

　一般的に日本では女性の武術としての認識が強く、競技にしろ、武術にしろ大半が女性である（近年では男性も増えた）。
　この理由には諸説あるが、江戸幕府を開いた徳川家康が武士による大薙刀の所持を禁じたことで行き場を無くしていた所を婦女子の武芸にさせることで存続させたのが有力とされる。
　このような経緯もあって女子校、または女性のみでしか習えない、言わば男子禁制の武道として男性が習える機会は近年まで殆ど無く、歴史の断片による偏見が根強かったのもまた事実である。

　なお、進化後は中東系刀剣の刀身に長柄をあつらえたものだろう。

　今後、薙刀的な武器が斬属性では増えると良い、と思います（幼稚園児レベルの感想）

解説２「薙刀の種類」

　薙刀には巴型と静型、小薙刀と大薙刀という２組の区別がある。
　巴型と静型は刀身の形状で区別される。
　巴型は切っ先に行くにつれて大きく反った刀身が特徴。
　静型は全体的に反りが緩やかで、一般的な薙刀のイメージにもなっている。
　シャクヤクが持つ薙刀も、進化前はどちらかと言えば静型に、進化後は峰の形状は違うが巴型となるだろう。

　刃身は約30〜60cm程度のものが標準的であるが、約90cmを超える長さのものも多く知られている。

　小薙刀と大薙刀は柄、もしくは全体の長さで区別されるものとされる。
　小薙刀は一般的な薙刀のイメージにある長さで、柄が通常の長さである約90〜180cmのものを指す。
　大薙刀は柄が210cmを超えるものを指し、南北朝時代には約3.6mに迫る全長のものも存在した。
　ただ、過去の文献に「三尺（約90cm）ノ刀身、四尺（約120cm）ノ柄、総長七尺（約210cm）ノ大薙刀」という記述もあることから、実際には見た目に刀身が大きく長いものが通称的に「大薙刀」と呼称されていたようである。