クレナイ のバックアップ(No.30)

紅だアァァァァァァァァ！！！！

某バンドの某曲とは一切関係無い。
染料や植物油の原料となるベニバナのことをクレナイと呼ぶこともあるが、この子はアジサイの仲間。
クレナイはアジサイ科アジサイ属ヤマアジサイの変種のひとつ。その名の通り深紅の花を咲かせる。
普段街中などで目にするアジサイはガクアジサイと呼ばれるものの仲間であることが多いのだが、
ヤマアジサイは西日本を中心に山中の水辺などで自生するアジサイの仲間であり、本種も長野県の伊那原産である。
ガクアジサイとヤマアジサイの関係は、変種だったり別種だったりとはっきりしない。
両者とも花はよく似ているが、一般には葉で見分けられるとされている。
ガクアジサイの葉は分厚く幅広で、表面に光沢があるが、ヤマアジサイは薄くて細長く、表面に光沢がない。
また、野生のガクアジサイは海辺の日当たりの良い所に自生するが、ヤマアジサイは山中の日陰を好んで自生していることが多い。
とは言え、どちらも変種や栽培品種がものすごく多く、その上互いに交雑（意味深）したりもするので、
どっちがどっちなんだか良く分からないことも多い。もう全部アジサイの変種でいいんじゃないかな。

あぢさゐや　姉妹のだれが　雨女

ドーム状に花を咲かせるアジサイだが、イラストを見ると、クレナイの花はドームの周辺部だけ咲いているように見える。
しかし、実はこれはがくが大きくなったもので、中心に未開花のつぼみがある。
中央のもさもさした部分こそ本来の花であり、よく見ると非常に小さいが、はっきりと花の形をしていることが分かる。
野生のアジサイは本来このような「ガク咲き」をするものが多く、いわゆる「手まり咲き」は、観賞用に品種改良されたものであることが多い。
クレナイの花は咲き始めは真っ白だが、じわじわと赤みを帯び、やがて目の覚めるような紅に染まる。慰める奴はもういない
こうして徐々に色を変えていく様が花言葉の浮気・移り気の由来なのかもしれない。俺が見えないのか　すぐそばにいるのに
ちなみに日当たりの悪いところでは紅にならず白いままになってしまうようだ。
アジサイは土壌によって花の色が変わると言われるが、ヤマアジサイの仲間は土壌の影響を受けにくい種が多い。
クレナイの花も常に赤く咲く。浮気性なんて言いながら、実は一途なところもあるのかも？