クラスペディア のバックアップ(No.54)

君の心の扉を叩くのはいつも僕さって考えてる

クラスペディア(Craspedia)はキク科クラスペディア属の多年草。
オーストラリア、ニュージーランドを原産とする。
その中でも、オーストラリア南東部原産のC. globosaの栽培品種、「ゴールドスティック」が広く栽培されている。
なお、本種は厳密にはクラスペディア属ではなく、近縁なピクノソルス属に分類されるPycnosorus globosusである。
外見上は、花茎から分岐した短い花軸に小花をつけるのがクラスペディア属、花柄をもたず花茎に直接小花をつけるのがピクノソルス属と区別できる。

花期は6-8月頃にかけて。60-90cmほどの高さに伸ばした花茎の先に、黄色い小花が集合したまん丸いボール状の花をつける。
この個性的な姿から、イエローボール、ドラムスティックなどとも呼ばれる。どう見てもマレットのような気が……
鉢物のほか、切り花やドライフラワーなどにも利用される。特にドライフラワーは簡単に作れて色褪せも少ないのでオススメである。

オトモのビリーは、英名の"Billy buttons"が由来と思われる。
モデルとなった生物は、オーストラリアに生息する小型の有袋類、クアッカワラビー（カンガルー科クアッカワラビー属）だろうか。
カンガルーをそのまま圧縮したような姿の普通のワラビーと比べると、クアッカワラビーはずんぐりした胴体に長い体毛を持ち、
小さく丸い耳と短い鼻面は、ワラビーというよりもネズミのよう。しかし後ろ脚でぴょんぴょん跳ね回る様は、紛うことなきワラビーである。
観光客の自撮りにノリノリで応じてくれるほどの人懐っこい性格と、常に笑っているような温和な表情から「世界一幸せな動物」として愛されている。
かつてはオーストラリア南西部に広く分布していたが、１８世紀末にイギリスによる植民地化が始まると、
生息地の開発や、移入動物による捕食などにより個体数は激減、ほとんどの地域で絶滅し、人の手の入らない離島などに僅かな数を残すのみとなった。
現在の野生個体数は約14,000頭と推定されているが、そのうち12,000頭ほどがロットネスト島に生息しており、クアッカワラビー達の最後の楽園となっている。