ストレリチア のバックアップ(No.34)

異国の夢を見させて ストレリチア

ストレリチア(Strelitzia)はショウガ目ゴクラクチョウカ科ゴクラクチョウカ属の花の総称。
名の由来はイギリス王であるジョージ3世の王妃の旧姓から。彼は植物愛好家として有名でもあった。
花騎士のストレリチアの後ろの花の絵を見る限り、元ネタは園芸品種として人気なストレリチア・レギネー(Strelitzia reginae)と思われる。
ショウガ目特有の大きく平べったい葉を持つが、品種改良で葉が細長くなった「ノンリーフ」なんて種類も存在する。

一つの蕾から幾つかの尖った花が咲き、まるで羽ばたく鳥を思わせる形をとるのが特徴。
鮮烈なオレンジ色の花弁は派手で美しく、切り花としても大人気である。
今にも空へ飛んでいきそうなその形は、和名の「極楽鳥花」にも納得できる。
(ちなみに極楽鳥とは一般的には南米産のフウチョウ科の鳥の総称で、派手な色合いの翼を持つ。別に好きな色のマナを生んだりベホマラー唱えまくってこっちをイラつかせる事は無いから安心して欲しい。)

また、花を楽しむという機会が非常に多いのもこの花のウリ。
先述した通り一つの蕾から多く花が咲く上に花自体の持ちも良く、2週間ほどは持つ。そしてその間に別の蕾もグングン育ち、次々と開花していく。
枯れたと思ったらまた咲いた！なんて事もしばしば。開花時期が春と秋なので1年に2回も見頃がやってくるのも花好きには嬉しい。
緑色の鳥の巣から次々と鮮烈な色合いの鳥達が飛び立つ様は、持ち主の目を飽きさせる事は無いだろう。

ちなみに物凄く根っこが強靭かつ頑丈で、しかもドンドン伸びていく。
余裕のあるサイズの植木鉢じゃないと陶器だろうがプラスチックだろうがその力でメリッと割ってしまう。
育てようと思っている、もしくは現在進行形で育てている団長達は注意しよう。ワガママな彼女は窮屈な服が大嫌いなのだ。

ストレリチア「OK！」ｽﾄﾞﾝ！←札束入りの箱を置く音

……と蒸気抜きか崖に落とされてしまいそうな冗談はさておき。
作中にていろいろな人物に圧倒的財力による援助を行う彼女だが、現実にもそんな人達がいる。
その名も「エンジェル投資家」。由来ははるか昔、英国にて演劇事業に資金提供を行っていた有力者や資産家を「エンジェル」と呼んでいた事から。
創設間もなく財力や地盤に余裕のない企業や、個人及び少数の集まりなどに資金の投資を行う個人を指し、求心力のある新興企業や団体の設立の助けとなっている。
大抵は引退した大企業の社長だったり、裕福な企業家だったりするのが基本。
何かを始めようとする人たちにとって最も現実的で最も厄介な障害である「資金難」と言うものに、有り余る資産から来る「財力」という力を貸してくれる。
純粋な善意や才能ある人達への成長の期待といった、利益を度外視した理由から投資を行う彼らは、現代における「あしながおじさん」とも言えるのだ。
もちろんその善意に付け込む悪いヤツらやずる賢いヤツらもいるのだが……まぁ仕方がない。世の中には色んな人間がいるのだから。

つまり善意で人のためにお金をじゃぶる事も厭わないストレリチア様は心も見た目も美しいエンジェル。はい、復唱。