ヘザー のバックアップ(No.2)

カルーナ・ブルガリスとは
シベリア、ヨーロッパ、北アフリカなど広い範囲に分布する常緑性の低木。
樹高は10cm-60cm、細かく枝分かれして小さなうろこ状の葉をつける。
枝の先端近くに小さな粒状の花をたくさんつけ、小さい花びらが萼（がく）にすっぽりと隠れるように咲く。花色は白、ピンク、赤紫色など。
主な開花期は夏。冬に花を咲かせるものもあり。冬になると葉は黄色や赤に紅葉して非常に美しい。

スコットランドではエリカやエニシダの群生する乾燥した荒れ地のことをヒースランドと呼ぶ。カルーナ・ブルガリスもそんな場所に多く生えているようで、このためか「ヒース（heath：イングランドでの呼び方）」とも呼ばれる。
カルーナの名前はカルネイン(掃く)からきており、枝をほうきにしたところに由来する。

ツツジ科カルーナ属はブルガリス種、1種のみ。
エリカなど近い属の植物もまとめて、「ヘザー（heather:スコットランドでの呼び方）」と呼ばれることもある。
（尚、ヘザーだけだと全然検索に出てこないのでカルーナで検索するのがオススメ）

高木の育たないような悪環境でも気丈に育つ樹木・・・・、かと思いきや、
寒さには強いものの、暑さに弱いので、日本では夏にどれだけ涼しい場所で管理できるかが、カルーナの管理の要、とのこと。
更に言うと過湿を嫌い、水をやり過ぎると根が腐ったり、酸性の土じゃないとダメだったりと、何かと日本での生育には気を付けなければならない点が結構ある植物である。

イギリス･スコットランドでは、このハーブが土中に堆積してできる泥炭(ピート)がウイスキーの風味づけに利用される。
約千年で15cmほどしか堆積しないらしい。
このときのピートは数千年から長くて1～2万年を経たものが燃料として利用される。

ウィスキーも長い年月を経て世に出てくるものがあるが、
その材料となっているピートもまた、それ以上の長い年月を経て出来たものであることを忘れてはいけないだろう。
筆者もスコッチウィスキーが大好きなので、長い間ピートを作ってきたこの植物には畏敬の念を禁じえない。