…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
南国に咲く花、ハイビスカス。灼熱の太陽の下で鮮やかに輝く、美しく大きな花が特徴である。
エジプトの美の女神「ヒビス」に由来する、ありがたいお名前を頂いている。
南国のモチーフとしてよく用いられ、旅行会社のCMやパンフレットなどで南の島とともに描かれている姿や、
南国をイメージした雑貨や服飾品などにも、ハイビスカスの意匠を見ることができる。
紅生姜さんレッドジンジャーもまた南国を彩る花。彼女たちの関係は、同郷の先輩といったところだろうか。
ハイビスカスの仲間のローゼルという植物はハーブティーの原料となり、ハイビスカスティーと呼ばれる。
濃いルビーレッドの水色とかなり強い酸味が特徴で、ビタミンやミネラル、有機酸を豊富に含んでいる。
風味や成分などローズヒップと相性がよく、市販のローズヒップティーにはローゼルがブレンドされていることも多い。
新陳代謝が高まるので、お酒や煙草が好きな団長や、連日の執務で疲れ気味の団長は、ハイビスカスちゃんに元気を分けてもらおう。
梅干しに似た味でかなーり酸っぱいが、蜂蜜などで甘みを加えると飲みやすくなるのでオススメ。
ハイビスカスとは、分類学的に言えばアオイ科フヨウ属というグループの英名及び学名"Hibiscus"のことである。
野生種のみでもおよそ250種から成るこの属は、ムクゲやケナフなどの植物を含むが、
園芸業界においてそれら全てをハイビスカスと言うことは、まずほとんど無いと言っていい。
先述したローゼルという植物も、その意味ではあまりハイビスカスとは呼ばれていない。
業界で言うハイビスカスとは、これらフヨウ属のうち「ブッソウゲ」などを中心とした数種、及びそれらの変種や園芸品種などの通称である。
そもそもの定義が曖昧な上、正確な出自が不明な種も多く、何かと混沌としているのがハイビスカスという花である。
原種の「ブッソウゲ」にしても、野生種が見つかっておらず原産地不明。実はなんかの雑種なんじゃないかとも噂されている。
ハイビスカスと呼ばれる園芸用作物は8000種を超えるとも言われ、その形態は多種多様である。
一般には、夏に大きな5枚の花弁と、長く伸びた雌しべを持つ花を咲かせる熱帯性低木、と認識されていると思われる。
日本国内では、南国の花のイメージ通り、沖縄県などで庭木として多く植えられているが、
本州でも人気の高い園芸植物であり、一般家庭の庭先で育てられているのを目にすることも割と多い。
冬場の寒さは流石に厳しいものの、それ以外の季節なら本州の気候でも元気よく育ち、綺麗な花を咲かせてくれる。
ハイビスカスの原種のひとつ「ブッソウゲ」だが、「仏桑花」や「扶桑花」と書き、なにやら只ならぬ気配を感じさせる。
もともとこの花は漢名で「扶桑」と呼ばれていた。これが「扶桑花」の形でローカライズされ、さらに「仏桑花」に変化したとされる。
扶桑とは何なのかというと、日本独自の設計による初の超弩級戦艦、扶桑型戦艦の中国の神話に登場する巨樹である。
「山海經」や「淮南子」では、遙か東の海の果てにその巨樹は立ち、太陽はそこから昇ると記されている。
それがいつからか、扶桑とは中国の東、海を挟んで位置する「日出処」こと日本の尊称や詩的表現になったという。
つまりハイビスカスちゃんは扶桑花=日本の花・・・ハイビスカスちゃんは日本の国花だった・・・!?
Q. ハイビスカスちゃんなんでブンブン言うてるの?飛ぶの?
A. 飛ばない。憶測に過ぎないが、「ブーンブンシャカブブンブーン」で知られる遊助の楽曲「ミツバチ」の歌詞の中に、
「行き先イケメン ハイビスカス」というジャバウォックもびっくりのナンセンス詩が現れることが関係しているのでは。
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