ハカラメ のバックアップ(No.12)

ハカラメ（Kalanchoe pinnata）はベンケイソウ科カランコエ属の多年草。
「ハカラメ（葉から芽）」は後述する特殊かつ旺盛な繁殖力による通称で、和名はセイロンベンケイ。
または花の形状からトウロウソウ（灯籠草）とも呼び、花騎士ハカラメの武器のモチーフとなっている。

熱帯原産で、日本でも沖縄や小笠原諸島に帰化・自生している。
１～３月ころ花茎を伸ばし、ちょうど秋田の竿灯のように提灯のような下向きの花を数多く咲かせる。

そして、特筆すべきは特殊かつものすごい繁殖力である。
茎・葉とも全体的に肉厚で直立するが、あまり頑強ではなく風で切れたり折れたりしやすい。
しかし、折れた茎は倒れた先の地面で茎の節から根を出し匍匐形態となって生存し、分布を広げる。
また、この植物は無性生殖が可能で、葉が切れ落ちると細かく切れ込みの入った葉の縁から新しい芽が出てくる。
これが「葉から芽」の由来であり、葉っぱ一枚が風で切れ飛んだだけでも、落ちた先で新しい株を増やせるのだ。
この性質から「マザーリーフ」「コダカラソウ」などの別名があり、
妊婦のいる家からこの植物の葉を分けてもらって育てると子宝に恵まれるという民間信仰もある。

ちなみに、園芸店・ホームセンターの多肉植物コーナーにも「子宝草」が売られているが、これは近縁だが別種の園芸植物。
こちらはあまり背が高くならず、そして葉が生えているうちから縁にわんさか芽が出てくる。