マツ

我は海の子白浪の　さわぐいそべの松原に
煙たなびくとまやこそ　我がなつかしき住家なれ。

マツは裸子植物マツ科マツ属の植物の総称である。
マツ属の自然分布は北半球の熱帯から北極圏と、針葉樹としては最も広い範囲に分布する。
これは温度の適性が広いことが一因であり、他にも乾燥や塩害にも強いことが知られている。

• マツの名前の由来
  主な有力な説としては

• 四季にわたって色褪せないマツは常盤木（ときわぎ）として神聖視されていたことから、神が降臨するのを「マツ（待つ）」とする説
• 長寿の木であるところから「モツ（保つ）」の変化形とする説
• 行く末を待つ意味の「待つ」とする説
• 葉が葉元から二ないし五筋に分かれているので「マタ（股）」を語源とする説
• 原初の樹林のようすを見通しの利くところから遠望して「目立つ」た木→「目立つ」の「目」が「眼(まなこ)立つ」と変化→「まつ」になった説

など、多くの説が挙げられている。

日本では、土壌の塩分が多く植物には厳しい環境の海岸沿いにクロマツが生え、伐採後のはげ山では真っ先にアカマツが成長することで知られる。
このような生命力の強さと松脂を多く含み燃えやすいことから、古くから薪炭材として用いられてきた身近な樹木である。

ところが、マツは生命力が強い一方で極相林（同じ気候条件でずっと樹種が変わらない森林）にはなりにくく、マツの落ち葉が堆積して土壌が富栄養化し、ナラやカシのような陰樹が生えてくると姿を消してしまうことで知られる。
現在の日本では燃料として松の枝葉が使われることは無くなり、マツの落ち葉を拾う人もいなくなったためマツ林の土壌が富栄養化し、マツクイムシなどの被害もあって急速にマツ林の荒廃が進んでいる。
ちなみに、マツタケが「高級品」になったのもこのためで、過去には日本国内でも松茸列車と呼ばれる松茸を満載した貨物列車が走るほど大量に採れ、庶民の秋の味覚として親しまれていた。
（一方で燃料事情の厳しい北朝鮮でマツタケが大量に採れるというのも理解できる…）

マツは冬でも青々とした葉を付けるため不老長寿の象徴とされ、同じく冬でも青い竹、冬に花を咲かせる梅と合わせて中国では「歳寒三友」、日本では「松竹梅」と呼ばれおめでたい樹木とされる。
また、魔除けや神が降りてくる樹木としても珍重され、正月に家の門に飾る門松には神を出迎えるという意味がある。

マツは盆栽として鑑賞用にも用いられる。そもそも盆栽の目的は「自然の風景を植木鉢の中に切り取って作り出す」ということであるが、日本においてマツは白砂青松の海辺の風景など多くの自然景観を作り出す樹木であるため、マツは盆栽用の樹木として特に珍重される。
老人臭い趣味と思われがちな盆栽だが、今や海外でも注目を集め「Bonsai」は英単語にもなっている。

果実（厳密には果実ではなく毬果または球果）は「まつぼっくり」ことマツカサ。語源は松坊の栗…ではなく「松ふぐり」。
パイナップルはマツカサの見た目のような形をしているから名づけられた。
雨に濡れると傘が閉じ、日光に当たって乾くと傘が開いて種が飛ぶ。
後述するように栄養が豊富であり、たとえばイスカという小鳥はマツカサをこじあけることに特化したくちばしをもっている。
マツ林の地面に小さなエビフライが落ちているならば、それはリスの仕業。

昔から日本人の生活に密接にかかわってきたマツは、サクラやナデシコと並び「和」を代表する花騎士であると言える。

食材としては松の実として売られる事も多いのだが、過去にカポナータバーガー 夏野菜仕立て（期間限定販売）が
ネットニュースで取り上げられている。

• そもそも、カポナータとはなんなのか？
  ”カポナータ
  　揚げたナスやパプリカをトマトピューレで煮込み、レーズンの甘みと、ビネガーやケッパーの酸味を利かせたシチリア島の伝統料理。
  「カポナータ」の語源は、すぐに提供できる料理をおいている「居酒屋」を意味するラテン語の「カウポーナ」から”

従来のカポナータで使うソースはナス、ズッキーニ、赤ピーマン、黄ピーマン、玉ねぎ、レーズン、などを炒めたあとにトマトソースで煮込んだもの。
カポナータバーガーの場合、従来のレシピに”松の実”を加えられている。
鍋で煮込んでいるにも関わらず、松の実は崩れていない為、バーガーにかかったトマトソースからひょっこり見えている松の実は自己主張の現われ…なのかもしれない。

食用可能な松の実は、以下の通り。

• イタリアカサマツ（Pinus pinea）ヨーロッパで古来より利用。
• チョウセンゴヨウ（Pinus koraiensis）朝鮮半島や中国東北部、松の実採取用に栽培。
• チルゴザ松(Pinus gerardiana） - ヒマラヤ西部の高山地帯。チルゴザは現地での実の呼び名。かなり大きな実ができる。
• ピニョンマツ（ピニョン松、Pinus edulis） - 北米南西部。別名インディアンの実(インディアンも食用にしていたことから)
• アメリカヒトツバマツ（Pinus monophylla） - 北米。
• メキシコマツ（Pinus cembroides） - メキシコ。

漢方薬としての”松の実”は、
「海松子」（かいしょうし）、「松子仁」（しょうしにん、しょうしじん）、「松子」（しょうし）など　と呼ばれている。

松の実の栄養分は、タンパク質を100g中14g程度と豊富に含み、特に油脂が豊富。灰分ではマグネシウムや亜鉛が豊富。
松の実に含まれるピノレン酸（不飽和脂肪酸の一つ)含有量が最も高いのは、シベリアマツの松の実及びそれらから作られる松の実油。

睦月（一月）の花札「松」
一月の花札のモチーフは「松（まつ）」。
そしてもう一つの象徴が「鶴（つる）」です。
鶴もまた松と同じく縁起の良いものとされ、千年生きる鶴と万年生きる亀をあわせて鶴亀として、
長寿を祝う象徴として扱われています。
松と鶴、二つの縁起物をあわせた一月の花札はもっているだけでも幸運を呼びそうな感じです。

「松に鶴」は慣用句として似つかわしい様子として知られています。
日本画の題材や、屏風絵や掛け軸などのモチーフとしても多く用いられており、
比較的目にすることが多い組み合わせです。

しかし実際には、鶴は決して松に止まることはないようです。
鶴が好むのは、主に田圃などの湿地帯か湖沼。釧路湿原は特に有名です。
確認されている鶴の、１種類（アフリカに生息するカンムリヅル類）を除き、
ほぼ全ての鶴が、木に止まることも、まして営巣することもないようです。

それではなぜ、「松に鶴」が定番の組み合わせになったかというと、
これは実は中国の言い伝えから来ていると考えられています。
中国では古来より、松も鶴も不老長寿の象徴として、亀とともに好まれてきました。
（「鶴は千年、亀は万年」というのも中国の古い言い伝えが由来です）
このことから、中国画の世界では吉祥図案として
『松鶴長春』というモチーフが広く使われるようになりました。
長春というのは長春花＝庚申薔薇のことで、一年に何度も花を付ける庚申薔薇が
「人生のうちで何度も良い時期を迎えられる」という意味に例えられて、
やはり中国では好まれる花の１つです。
この長春花と松と鶴を組み合わせて縁起物としたのが『松鶴長春』という絵のモチーフで、
これが日本にも伝わり、やがて松と鶴は日本でも定番の組み合わせとして
広く認識されるようになったものです。
ちなみに本場中国の『松鶴長春』は主に夫婦の長寿円満を願うものとされ、
二羽の鶴が松の木と庚申薔薇の近くに佇む様子を描いたものが多いです。
（とは言え日本の花札「松に鶴」のように1羽の鶴だけが描かれたものもあります）

　　　　　　　＼ここで攻撃／

↑多くの団長方が一度は謎に思ったかもしれない「弓が返る(回転する)」動き。
弓道においては「弓返り（ゆがえり）」と呼ばれており、和弓を扱うにあたっての基本技術の１つになります。
この動作について簡単に説明していきましょう。

まず「いやいや、弓が回転すると軌道逸れない？」「回転して本当に矢は真っすぐ飛ぶの？」

…と思う方が多いかもしれませんが、実はこの動きが無い場合、矢はかえって右へと飛んでいってしまいます。
その理由は和弓独自の構造にあり「矢が弓の中心線を貫通している」洋弓に対して、和弓は「矢を弓身の右側に押し当てている」という点にあります。
つまり和弓は弦を引き絞っている際に、矢は弓身から進行方向右に向かっての力を受けることになります。
よって弦は進行方向通りに収縮したとしても、矢は右向きの力を受けるために狙いよりも右側に飛んでいくという訳です。
簡単に言えば「和弓独特の癖」といったところでしょう。

それを解消するのが「弓返り」です。

弓返りは離れ（リリース）の際に反時計回りの回転運動によって和弓本体に歪みを発生させることで、瞬間的に弦が矢を正面へ押し出せるようにする役割があります。
つまり弓の世界では独特の構造を有する和弓にしかない伝統ある射法の一部分という訳です。

余談ですがこの動きは意識するのではなく、正しく弓を構える事ができれば自然に起こる現象です。
同じく詳細は省きますが、弦を引き絞る際に「左手は反時計回りに捻じ込むように持つ」為、このような回転が生じる…と思ってください。
つまり害虫に向けて矢を真っすぐ飛ばす為にマツさんは通常攻撃においても必殺技においても弓を返しているという訳です。
相手は常に静止している的では無く害虫なので、かなりの技術力と集中力があるのでしょう（ﾏﾂｻﾝｽｹﾞｪ…）

フラワーナイトガールに関するインターネット生放送では、よくユーザーアンケート機能を利用したクイズ大会が行われる。
そのなかでキャラクター名を選ばせる問題の際に、運営の人が「ダミーの選択肢を入力する時に2文字で打ちやすいから」という理由で“マツ”を多用してしまい、視聴者にツッコまれるということがあった。

それ以来、生放送中にクイズが行われると
問題が発表される前に「正解はマツ」、選択肢に入っていないと「マツがないぞ」などと
視聴者にいじられるのがお約束となっている。

もしクイズに参加する機会があったら、とりあえずマツという選択肢を選んでみたらどうだろうか。正解の保証はしない。