バイカモ のバックアップ(No.8)

庭園A

庭園B

バイカモ(梅花藻、Ranunculus nipponicus var. submersus)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。日本固有種。
キンポウゲ属バイカモ亜属(R. Subgen. Batrachium)全体を総称していうこともある。
別名ウメバチモ(梅鉢藻)。

ラナンキュラスの仲間だが、河川などに生育する水草である。
川底に群落を形成し、糸状の葉を流れに棚引かせながら、1mほどの長さに生長する。
「梅花藻」の名は、白く小さな花が梅に似ており、まるで川に梅の花が浮かんでいるように見えることから。
通年して開花し、ピークは6-7月頃。清流に揺れる可憐な花はなんとも涼しげである。
なお、他に「バイカ」の名が付くキンポウゲ科の植物としては、バイカカラマツがあげられる。
日本各地の清流に自生するが、静水では育ちにくいため人為での栽培は困難。
そのため、バイカモの自生地は観光資源としての需要が高い。
ちなみに、キンポウゲ属の植物は毒草が多いが、このバイカモは食用とされている。
特に岡山県の蒜山周辺では「ウダゼリ」と呼ばれており、比較的よく食べられる山菜のひとつである。
水でよく洗っておひたしや味噌・三杯酢・マヨネーズ和えなどにして食べると、シャキシャキした食感で美味しいらしい。

近年の水質汚染や河川の改修工事、湧水の減少、オオカナダモ等の外来種の繁殖等により、バイカモは自生地を奪われている。
東京都、千葉県、京都府では既に絶滅。環境省のレッドリストには記載はないものの、多くの都道府県で絶滅危惧、または準絶滅危惧に指定されている。
各自治体ではバイカモの保全活動に取り組んでおり、河川の清掃や侵略的外来種の駆除などが積極的に行われている。