サラセニア(Sarracenia)はサラセニア科サラセニア属の多年草。
原産地は北米大陸で、平地の湿原に8種類が生息する。
食虫植物であり、筒状の葉を使って虫を捕らえる。
同じ落とし穴タイプのウツボカズラと違い葉全体が虫を捕らえる罠になっている。
筒の内側には下向きの細かい毛が生えており虫が逃げ出しにくくなっている。
筒状の葉が酒器の瓶子(へいし)に似ていることから、和名を「ヘイシソウ」と呼ぶ。
飲ん兵衛キャラなのもこれが理由であろう。
春になるとユニークな形の花を咲かせる。
イラストを見るに元になった種類はプルプレアと思われる。
花言葉は『変人』『風変わり』
植物の中でも異端な姿からか個性を強調したものが付けられている。
曲者揃いの食虫植物の中では珍しく育てやすい。
四季のある場所に生息する植物なので日本でも年中屋外栽培出来る。
湿原の植物なので水切れは大敵。上から水をかけるだけでなく腰水もするとよいだろう。
冬は地上を枯らして休眠するが休眠中も絶対水を切らしてはいけない。
強い日光を好み、日照不足になると徒長してあっという間に貧相な姿になってしまう。
背の高い種類はかなりの日照を必要とし、葉が細長いため強風に弱い。
一番育てやすいのは前述したプルプレアという種類。
地上を這うように丸っこい葉を展開し、他の種類程は日照を要求しない。
夏になるとホームセンターや園芸点に並ぶので育ててみてはいかがだろうか。
サラセニアは古くから交配が進んでおり多くの品種が生み出されている。
そのため原種そのものには意外と出会いにくかったりする。
属性の由来であるが葉が開く前の蓋にあたる部分が刀の先端のように見えるため
そこから来ているのではないかと予想される。
またフラバという背の高い種類は秋になると筒にならない剣状葉を出す。
余談であるが、南米のギアナ高地には同じサラセニア科の植物であるヘリアンフォラ達が生息している。
ヘリアンフォラは葉の両端が引っ付いて筒状になっただけのいかにも進化前の
サラセニアといった姿をしており、原始的な食虫植物と言われている。
サラセニアも元を辿っていけばこのような姿だったかのもしれない。
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