アーモンド のバックアップ(No.41)

モーセはそれらのつえを、あかしの幕屋の中の主の前に置いた。
その翌日、モーセがあかしの幕屋にはいって見ると、レビの家のために出したアロンのつえは芽をふき、つぼみを出し、花が咲いてあめんどうの実を結んでいた。

モーセがそれらのつえをことごとく主の前から、イスラエルのすべての人の所に持ち出したので、彼らは見ておのおの自分のつえを取った。

主はモーセに言われた。「アロンのつえをあかしの箱の前に持ち帰り、そこに保存して、そむく者どものためにしるしとしなさい。こうして、彼らのわたしに対するつぶやきをやめさせ、彼らの死ぬのをまぬかれさせなければならない」。（民数記17：7-10）

アーモンドはバラ科サクラ属の落葉高木。

和名：扁桃(ヘントウ)、巴旦杏(ハタンキョウ)、あめんどう
英名：Almond
学名：Prunus dulcis
原産地：西南アジア

開花期は3～4月頃。
本人曰く「……そ、そんな！　サクラ様に似てるなんて恐れ多いっ！」とのことだが、
見た目については「桜に似ている」といえばおわかり頂けるだろうか。
和名の通り桃や杏の同類である。
見た目はよく似ているが、桜との見分け方は意外と簡単。
一部の品種を除きアーモンドの花には花柄（いわゆる「サクランボのへた」といわれる部分）が無い。
枝に直接花が咲いているか、それに近いくらい花柄が短ければアーモンドと思ってよいだろう。
桜と梅、桃の特徴と見分け方はモモの元ネタ解説でわかりやすく纏まってるので割愛。

旧約聖書ではモーセの兄・アロンの杖の材料である。
この杖は神を信じなかったファラオの支配するエジプトに十の災いを呼び、モーセが掲げれば海に道を開き、さらに追っ手のエジプト軍を海の中へと沈めた。
のちにこの杖は契約の箱に収められる。

日本人が「アーモンド」と聞いて想像するナッツは「仁」と呼ばれる種子部分。
梅で言うところの種を噛み砕くと中に入ってる白いアレ、いわゆる「天神さん」部分。
「天神さん」は菅原道真（天神様）が梅の花を好んだことに由来してるため、アーモンドを「天神さん」と呼ぶのは間違いだろうが…
果肉が薄いため、身はあまり食べない。熟すると果肉が割れ、種子がむき出しになる。

英名の「Almond」はポルトガル語の「Amêndoa(アメンドウ)」が訛ったもの。
学名は「Prunus dulcis」。
属を表す「Prunus」はラテン古名の「plum(すもも)」、種小名の「dulcis」は「甘みがある」に由来する。
毒（青酸配糖体）のせいで苦い苦扁桃なんてのもあるけどな！(アーモンドの栽培は苦扁桃から香料のアーモンドエッセンスを採るため始められた)
一般的に食用とされるのは毒の無い甘扁桃で、突然変異で出現したアーモンドエッセンスを含まない品種である。
「そう、何事も飴と鞭の使い分けが大事なの。」

日本では本格的な輸入が始まったのは戦後直後(1950年頃)からであるが
ギリシャ神話や旧約聖書にも登場してたり4000年前から栽培されてたりと、人類との付き合いは結構長い。
日本の気候に合わず、栽培が難しいためあまり見かけないだけで
イギリスやスペイン等の地域では日本の桜と同様に春を告げる花という感覚である。
ヘブライ語名の「シェケディーム」(現代ヘブライ語ではシェカッ)は目覚める・見張るを意味する「サケダ」「シャカッ」と同じ語源。おそらく春に花が目覚めるように咲くからだろう。
アメリカのカルフォルニアが世界最大の生産地であるが、原産地は西アジア。
18世紀にスペインの宣教師によって持ち込まれ、ゴールドラッシュ以降の農業の発達と共に広まったとされる。

現在では慣用句として定着している「1粒で２度おいしい」というフレーズがあるが、
元々は昭和30年にアーモンドグリコのキャッチコピーに使われたもので、
「アーモンドの歯ごたえとキャラメルの旨さが同時に味わえる」という意味だった。