トリカブト
科属名:キンポウゲ科トリカブト属
学名:Aconitum
英名:monkshood, Helmet flower,Wolfsbane
和名:鳥兜(トリカブト)
別名:兜菊(カブトギク)
原産地:北半球の温帯
開花期:8月~10月頃(イラスト背景上部_青紫色部分)
誕生花:7月19日、7月25日
花言葉:「騎士道」「人嫌い」「厭世家(えんせいか)」「復讐」「後悔」「あなたは私に死を与えた」「栄光」
○トリカブトとは
トリカブト(鳥兜・学名Aconitum)は、キンポウゲ科トリカブト属の総称である。
ドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされ、トリカブトの仲間は日本には約30種自生している。
花の色は紫色の他、白、黄色、ピンク色など。多くは多年草である。沢筋などの比較的湿気の多い場所を好む。
夏に下向きの袋状の花を咲かせる。深い青紫色が美しく、観賞用としての需要も高い。
ケシやアサと違って、トリカブトの採集、売買、栽培などはすべて完全に合法だが、
だからと言って馬鹿なことは考えないこと。そんなものを使った時点で容疑者をかなり絞られてしまうだろう。
基本的に山野草なので栽培の難易度は高め。しかもご近所さんから変な目で見られることも覚悟しなければならない。
毒に関しては、触ったぐらいではどうにもならないので怖がりすぎる必要もないが、手に傷があったりすると、
そこから草の汁が入り込んで中毒になる可能性もある。念のため作業時には手袋をつけると良いだろう。
トリカブトの名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ているからとも、
鶏の鶏冠(とさか)に似ているからとも言われる。英名の"monkshood"は「僧侶のフード(かぶりもの)」の意。
学名の「aconitum(アコニトゥム)」は
「acona(アコナ)」という土地に多く咲いていたことに由来すると言われてるが、
ギリシャ語で、トリカブトの毒液を塗った投げやりを「akon(アコン)」と呼んでいたことに由来する、
ヒョウの毒を意味してアコニートンと呼んでいたことに由来する、など諸説ある。
塊根を乾燥させたものは漢方薬や毒として用いられ、烏頭(うず)または附子(生薬名は「ぶし」、
毒に使うときは「ぶす」)と呼ばれる。本来「附子」は、球根の周りに付いている「子ども」の部分。
中央部の「親」の部分は「烏頭(うず)」、子球のないものを「天雄(てんゆう)」と呼んでいたが、
現在は附子以外の言葉はほとんど用いられていない。新陳代謝を活発にし、冷えと痛みを改善する効果がある。
トリカブトの根をそのまま使うと毒性が強すぎるため、修治という加工により毒を弱めてから用いる。
附子を題材にした狂言「附子」はあまりにも有名。唯一見たことのある狂言が「附子」という団長も多いのでは。
\あおげあおげ/ \あおぐぞあおぐぞ/
俗に不美人のことを「ブス」と言うのは、トリカブトの中毒で神経に障害が起き、顔の表情がおかしくなったのを指すという説もあるが、
こんな可愛い子を見て本当にそんなことが言えるのかと問い詰めたい、小一時間(ry
ヨーロッパでは、死と魔術の女神ヘカテーを司る花とされ、庭に埋めてはならないとされる。
ギリシア神話では、地獄の番犬といわれるケルベロスのよだれから生まれたともされている。
狼男伝説とも関連づけられている。
ヘカテーは眷属として猟犬を従えているとされるが、このイメージはイングランドに伝わると、
ケルト神話の死を告げる異界の猟犬、クーン・アンヌンと混同されたりなんやかやしたりして、
ヘルハウンド、ブラックドック、バーゲストといった怪異を生み出し、いずれも死の予兆とされる。
これらの怪異はイングランド国内だけでも、地域によって呼び名や姿形、性質が様々に変化するが、
そのうちのひとつにガブリエルの猟犬、すなわち「ガブリエル・ラチェット」と呼ばれるものがある。
黒い犬の大群とそれらを率いる狩人の姿をしており、咆哮と共に空を駆け巡るという。彼らが人々の前に現れると死人が出るため、死神として恐れられていた。
一方で、罪人や洗礼を受けずに死んだ幼子の霊を連れて天へと送り届ける神の使いとも言われている。
○トリカブトの毒性
比較的有名な有毒植物。主な毒成分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、
他にメサコニチン、アコニン、ヒバコニチン、低毒性成分のアチシンの他ソンゴリンなどを
全草(特に根)に含む。採集時期および地域によって毒の強さが異なるが、
毒性の強弱に関わらず野草を食用することは非常に危険である。
食べると嘔吐・呼吸困難、臓器不全などから死に至ることもある。
経皮吸収・経粘膜吸収され、経口から摂取後数十秒で死亡する即効性がある。
半数致死量は0.2~1グラム。トリカブトによる死因は、心室細動ないし心停止である。
下痢は普通見られない。
現在特異的療法も解毒剤もない。各地の医療機関で中毒の治療研究が行われている。
ちなみに、フグの毒であるテトロドトキシンに対する拮抗作用があり、その作用が中毒を遅らせることで犯人のアリバイに使われた保険金殺人事件が実際に発生している。
芽吹きの頃にはセリ、ニリンソウ、ゲンノショウコ、ヨモギ等と似ているため、
誤食による中毒事故(死亡例もある)が起こる。株によって、葉の切れ込み具合が異なる。
蜜、花粉にも中毒例がある。このため、養蜂家はトリカブトが自生している所では蜂蜜を採集しないか開花期を避ける。
また、天然蜂蜜による中毒例が報告されている。
言ってしまえばそもそも毒草のデパートとも評されるキンポウゲ科自体が中々に危険なカテゴリでもあるため、
山菜採りが趣味の方や園芸を嗜む方々は注意が必要である。
(園芸でも人気なアネモネ、ラナンキュラス、デルフィニウム、クリスマスローズ等や山菜と間違えられやすいフクジュソウもキンポウゲ科であり全毒草である。)
○引用文献
「ウィキペディア トリカブト」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%88
「花言葉-由来 トリカブト」http://hananokotoba.com/torikabuto/
「花言葉まとめサイト トリカブト」http://hana-no-kotoba.com/torikabuto/
猛毒を持ち取り扱いによっては危険な植物であるが、普通に園芸店で売られているため誰でも入手可能。勿論違法ではない。
高山に自生しているものが多く30℃以上の日が続く太平洋側の平地などでは夏越しが難しい。
よく出回っている中国産の雲南トリカブト(ハナトリカブトの別名?)は育てやすく、環境さえ合えば地植えにしてたくさんの花を楽しむこともできる。
どのトリカブトにも言えることだが強光線と特に乾燥を嫌う。
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