アンプル(ampoule)と聞いて団長各位が想起するのは、プラスチック容器で観葉植物の植木などに刺さっている緑色のボトルだと思われる。
(まさに霊獣が持っているアレである)。
が、Google先生の画像検索で「アンプル」と入力して出てくるのは、ほぼ注射剤の中身を保管するガラス容器である医療用のアンプル画像である。
一応そちらの説明もすると、アンプルはガラスの筒に薬剤を入れた後に先端を熔封してあるもので、薬剤を取り出すためには頭部をポキンと折ってから使う必要がある。
(『アンプルカッター』と呼ばれる専用の道具が必要で、これもアンプルの画像検索で良く出てくるがハート形の物であったり、専用の器具であったりと様々)。
折った後は蓋のしようがないため基本的に使い切りであり、小容量の液剤の保管に用いられ、製造の際も低コストである。
短所は折った際の破片が薬剤に混入する可能性がある事と、開封時に怪我の危険性があること。
(アンプルを折るのには非常にコツがいるようで、画像検索をすると折る際に指を切ったと思われる画像や「開け方のコツ!」といった具合のタイトルの絵がちょくちょく見られる)。
近年は傷を付けなくても頭部が折れるよう加工されたワンポイントカットアンプルが主流だそうだが、実際の医療現場ではどちらが多いのだろうか。情報求む。
注射剤の中身を保管するガラス容器の種類には他に「バイアル(vial)」と呼ばれるものもあるがこの二つには「蓋があるか否か」と言う決定的な違いがある。
こちらはコルク栓がしてありそこに複数回針を刺すことが可能なので、薬剤を分けて使ったり、固形注射剤に溶解液を加えて溶かしたり、複数の薬剤をバイアル内で混ぜ合わせたりすることができる。
アンプルのようにガラス片が発生することはないが、針を刺す際に栓の一部が削り取られて異物となることがある(コアリングと呼ぶ)。
最近ではガラス製ではなくプラスチックの物も多く、内容量によって硬質か軟質か変わってくるようだ。
が、中に保管する素材によっては加熱滅菌の条件設定が難しくなったり、ガラスと異なり酸素を透過するので注射剤の安定性に影響が出るなどと言う欠点がありガラス製の物と上手く使い分けられている。
さて、植木に刺さってる緑色のボトルの話題に戻ろう。
実はあの緑色のボトル、良く見ると大体「肥料アンプル」か「活力剤」のどちらかの表記をされているのだがこの二つは全くの別物である。
どちらも多くが緑色をしたプラスチック容器のものが多いため、たまに肥料アンプルと活力剤がごっちゃになっている人が時折いたりする(この文章編集をしている貧弱一般団長の周りにも数名いた……)。
肥料アンプルは文字通り「肥料」なのだが活力剤は「法律上肥料として販売できない低濃度の肥料」の事である。
要するに、活力剤だけでは植物への肥料代わりにはならないのだ。
活力剤はあくまでもサブとして使用し、メインの肥料は必要量ちゃんと与えてやる事が花木を育てる第一歩である。
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