ハルジオン のバックアップ(No.6)

虹を作ってた 手を伸ばしたら 消えてった

学名：Erigeron philadelphicus L.
キク科ムカシヨモギ属の多年草。春から初夏に咲く、シオンに似た花のため「春紫苑」の名がついた。
…が、花弁（舌状花）は糸のように細く、色も薄いためあまり似た印象はない。
同属のヒメジョオン(こちらは若干花弁が太く、葉の付き方が異なる)など似たような花がいくつもあり、混同されている事例も多い。
今や日本各地でよく見られる雑草だが、北アメリカ原産の帰化植物。
鑑賞用として輸入されたが、除草剤に強く周辺の作物の生育を阻害するため、農家の皆さんの嫌われ者として関東を中心に一挙に広まった。

なお「ハルシオン」と濁らないとトリアゾラム系の睡眠導入薬とかぶるので、「ハルジオン」と濁るのが一応正式。

一部地域では「貧乏花」と呼ばれて縁起の悪い花扱いされており、これがキャラ設定に反映されているようだが、貧乏だから摘むのか、摘んだら貧乏になるのか、因果関係は定かではない。（むしろ農家的には摘まないとやばい雑草である）
…実は草本全体が食用に適する。貧乏生活のお供に最適…かもしれない。

おまけ：ヒメジョオンの名前と、名前の混同
ヒメジョオン（姫女菀）は、シオンに似た小花（「姫」）であることから「ヒメジオン」と名づけられようとした…が、すでにヒメシオンがいたため、ヒメジョオンの名をあてたとされる。
(中国wikipediaによれば「女菀」はヒメシオン Turczaninowia fastigiata の漢名であり、翻訳すると「ヒメヒメシオン」になる…)

これが事実なら花名の玉突き事故であるため、ハルジオン（春紫苑）をハルジョオン(春女菀)とするのは本来なら間違いなのだが、松任谷由実の「ハルジョオン・ヒメジョオン」などで誤用が広まり、別名として表記されることもある。
（なお、この歌には実際にはヒメジョオンしか登場しないが、ヒメジョオンは春に咲かない）
逆に、ヒメジョオンをヒメジオンとする間違いも見られる。