メコノプシス のバックアップ(No.13)

メコノプシスは西ヨーロッパ、中央アジア、ヒマラヤの高山地帯、ミャンマー、中国に分布するケシの仲間である。名前の由来は属名のMeconopsisの音読みから。
別名『ヒマラヤの青いケシ』と呼ばれ、その鮮やかな青色の花弁が特徴的。晩春から夏の時期にかけて、その神秘的な青色で目を楽しませてくれる。
その青色に魅せられて育てようとする者も居るが、元々が寒冷なヒマラヤ周辺に自生する植物であるため、暑さには滅法弱い。30℃を越える気温が続くと腐って枯れてしまう程である。
北海道や高原のような涼しい場所、もしくは温度管理のできる設備を持っていないのであれば栽培は諦めた方が良いだろう。
どうしても育ててみたい場合は、春先にポット苗を良く見かけるので、環境を整えてチャレンジすべし。
ちなみに、アヘン(阿片)で有名なケシ(芥子)とは違い、麻薬成分は含まれていないため、普通に育てる事が出来る。日々花を愛でる団長達は安心して欲しい。
ただし、見た目だけは随分と似ていたのだろう。属名のMeconopsisはギリシャ語のmecon(＝ケシ)・opsis(＝似る)に由来している。
また、正確には『メコノプシス』は花の名前ではなく、50種類あるメコノプシス属の総称である。
以下、代表的なメコノプシス属の品種である。

○メコノプシス・ベトニキフォリア……『ヒマラヤの青いケシ』といえばこの花を指す。多年草で、メコノプシス属の中では比較的栽培しやすい。
○メコノプシス・グランディス……他のメコノプシス属よりも花弁が大きいのが特徴(約10cm)。多年草で、ヒマラヤではこちらが一般的。そのためかは分からないが、イラストの後ろに描かれている花はグランディスである。
○メコノプシス・シェルドニー……ベトニキフォリアとグランディスの交配種。
○メコノプシス・ホリデュラ……4000mの高所で自生しているためか、『天上の妖精』と形容されている。ブータンの国花でもある。何気に棘が多い。

ここまで青い花である事を述べて来たが、実はメコノプシス属にはメコノプシス・インテグリフォリアやメコノプシス・カンブリカ(違う属ではないかという見方もある)のように黄色い花弁を咲かせる個体もある。
特にカンブリカは低山の花であるためかこぼれ種でも増える程に栽培がしやすい。その影響か、可愛い花を咲かせるにも関わらず、園芸種としての評価は低い様子。