クルクマ(Curcuma)とは、ショウガ科ウコン属のこと。そう、つまりウコンである。
ウコン属には約50種の仲間が存在し、主な種としてはいわゆる普通のウコン(秋ウコン、ターメリック)であるC.longaの他、
春ウコン、キョウオウ(姜黄)と呼ばれるC.aromatica、紫ウコン、ガジュツ(我術)と呼ばれるC.zedoariaなどが挙げられる。
これらが香辛料、着色料、生薬などとして幅広く利用されていることは、聡明なAFNの皆様であれば既にご存知であろうが、
それだけでなく、C.alismatifolia, C.petiolataなどの一部の種は、花を楽しむ観賞用としても栽培される。
特によく栽培されるのはC.alismatifoliaであり、園芸で単にクルクマといった場合は、ウコンではなく本種を指すことが多い。
一般には「クルクマ・シャローム」の名で流通しており、その他にもガーデンクルクマ、花ウコンなどとも呼ばれる。
クルクマ・シャロームは、タイ、ラオス、カンボジア等、東南アジアを原産とするウコン属の多年草である。
日本においては、大阪花博覧会で出品されたことがきっかけで注目を集め、栽培され始めた。
見頃は初夏から秋にかけて。鮮やかなピンクや白の苞葉がトーチのように積み重なり、その姿はしばしばハスの花に喩えられる。
本当の花は苞葉の間にひっそりと咲いており、すぐに萎れてしまうが、苞葉はその後も色を保つので長く楽しめる。切り花にも最適である。
熱帯の植物のため高温多湿と日光を好む。反面寒さに弱く、10℃以下の低温では急激に弱まるため、戸外越冬は暖地でも困難。
原産地タイでは、チャイヤプーム県のパー・ヒンガーム国立公園内にある自生地が、クルクマの名所として有名。クルクマは同県の県花にも指定されている。
「クルクマ」ではなく「ウコン」や「ターメリック」として見ると、やはり先述の通りスパイスや着色料、生薬の側面が強いだろうか。
豊富に含まれるクルクミンによって強い黄色を出す事ができ、日本でも古くから黄色の着色料としてクチナシと共に食品や染め物に使われている。
欧州ではサフランの代用として使われることも。
(ただしクチナシとサフランの黄色の色素はクロシンで、ウコンの色素とは別物。)
もちろん今回のイベントのテーマであるカレーとも関係が深く、現在のカレーの黄色は大抵ターメリック由来の色である。
生薬としては肝機能に効くと言われ、沖縄では飲酒前にウコン茶やウコン粉末がよく飲まれている。
某恋ダンスの人のCMでおなじみなアレを筆頭とする悪酔い防ぎのドリンク剤にも、ウコン成分配合と謳っているのを目にする団長も多いだろう。
しかし、最近の研究で「あまり効果は無いのではないか」とも言われており、それどころかむしろ肝硬変や肝炎を引き起こす副作用があるかもしれないとも報告され始めた。
故に過信は禁物。何事も程々に、用法用量を守って摂取しましょう。
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