カレンデュラ のバックアップ(No.53)

閉ざしたままの心の扉
涙が今も溢れそうなまま
カレンデュラ

カレンデュラ(Calendula)はキク科キンセンカ属の一年草。
地中海原産で20種ほどが属している。
よく栽培される種として、C. officinalis, C. arvensisの2種が挙げられる。
一般に、3月～5月にかけて咲くもの(C. officinalis)を「キンセンカ」「カレンデュラ」と呼び、
10月～3月にかけて咲くもの(C. arvensis)は「フユシラズ」「冬咲きカレンデュラ」と呼ぶことが多い。
スキルが花札の役「月見で一杯（月見酒）」であることから、カレンデュラは冬咲きカレンデュラ(C. arvensis)、
「花見で一杯」のスキルを持つキンセンカお姉ちゃんは、春咲きのC. officinalisと考えられる。
（「月見で一杯」は「月に芒」「菊に盃」の2枚で成立する役。
　花札の各札は、描かれている花によって旧暦1～12月と対応しており、
　「月に芒」が旧暦8月、新暦の8月下旬から10月上旬ごろ、
　「菊に盃」が旧暦9月、新暦の9月下旬から11月上旬ごろに対応するので、冬咲きカレンデュラの花期に近い。
　また「花見で一杯」は3月札の「桜に幕」と「菊に盃」で成立する。）
カレンデュラという名前は、ラテン語で各月の初日を指す"calendae"に指小辞が付いたものであり、カレンダー(calendar)も同じ語を由来とする。
また、和名のキンセンカは「金盞花」と書き、「盞」という字は「さかずき」のこと。花を金色の盃に見立てて名付けられた。
武器は酒盃、スキルは暦に関係した花札の役というのは、元ネタをふんだんに盛り込んだ解釈といえるだろう。

種小名"officinalis"が「薬用の」という意味を持つとおり、カレンデュラは古くからハーブとして利用されてきた。
カロテノイドやフラボノイドを豊富に含み、高い殺菌・抗炎症作用のほか、様々な効能を持つ優秀なハーブである。
ただし花の部分を使用するため、ヨモギ、ブタクサなどキク科の花粉症を持っている人は服用に注意が必要である。
また、上記の通りカロテノイドを多く含むため黄色の着色料にもなり、それ故に「貧乏人のサフラン」というあだ名がつくほど。
ハーブ界においては、カレンデュラはなぜか「ポットマリーゴールド」と呼ばれており、下手をすると単に「マリーゴールド」と呼ばれる場合がある。
おまけに和名のキンセンカはキンレンカとも似ており、キンレンカもハーブとして有名なので、色んな所でややこしいことが起こっている。

輝くような明るい色の花に似合わず、カレンデュラにはネガティヴな花言葉がてんこ盛りである。これはギリシャ神話に由来する。
カレンデュラにまつわるエピソードとして伝わっているものは２つほどあるのだが、これがまたややこしいことになっていて…
実は、当wikiではヘリオトロープとマリーゴールドの記事にそれぞれのエピソードが既に書かれているので、詳細は当該記述を参照されたい。
どういうことかというに、どちらのお話も「不幸のうちに死んだ子が美しい花に姿を変えたよ」というギリシャ神話ではよくある筋書きなのだが、
その花がカレンデュラとされることもあれば、ヘリオだったりマリゴだったり…ということで、神話でもややこしいことになっているのである。

日本では仏花として供される花でもある。