一緒に描かれている大きな裁ち鋏からすると名前の元は「剪定」か。
- 剪定とは?
- ズバリ、樹木の枝葉を落として木を長持ちさせる園芸の技術である。
目的や用途に応じて手法が異なり、基本的に冬の間に行われることが多い。
- 特に日本のように四季のある地域では樹木によって剪定に適した時期が変わることがある。
そのため樹木に対する専門的な知識も必要となってくる、意外と高度な技術である。
- なんのために行うの?
- 剪定の主な目的は、一つは庭園の景観保持である。
余分な枝葉を落とし、木の形を整えることで見栄えを美しく保つための刈込がこれに当たる。
だが刈込は枝を選んで切り落とすわけではないため、剪定とは区別されることもある。
- もう一つの大きな目的は、木の健康維持である。
樹木は、もちろん自然のままの形で自然のままに生きていける強さを持つものであるが、
様々な理由により長持ちしなくなってしまう要因が出てくることがある。
例えば日照条件により片側にだけ枝葉が偏ってしまった場合、木が傾いてしまう可能性があり、
これを放置すればいずれ根元から倒れてしまう、葉が地面にタレてしまうなどの問題が起こりやすくなる。
そうならないよう先に先に形を整えてやることで樹木は長持ちするのである。
- 盆栽用語ではこの断ち落とされる枝は「忌み枝」と呼ばれ、この選定が則人の腕を決めるともいわれる。
分けもわからず枝葉を落とせばいいというものではないのである。
- 三つ目の目的は、樹木の成長促進である。
夏の間に伸びすぎた枝を切り詰めることで、元からあった部分に栄養を回し、幹や枝をより太く丈夫にすることができる。
これは主に果実をつける種で行われることがあり、果実の重さに木が耐えられるようにする意味がある。
- なお果樹園などでは一本の木に実がなりすぎるのを防いで実がならない年が出来るのを防いだり、
直射日光の当たり方を調整して果実の育ち方を均一にするなどの目的でも剪定が行われる。
- 四つ目の目的は特殊だが、病原菌や病原虫などに侵された枝を切り落として病気の蔓延を防ぐために行うものである。
これはまず素人には不可能な高度な剪定であり、専門家に頼むのが望ましい。
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