アンゼリカ のバックアップ(No.11)

天使は もう 何処にもいかない

アンゼリカ(Angelica archangelica)はセリ科シシウド属の二年草。
和名はセイヨウトウキ(西洋当帰)で、当帰という名は漢方薬に由来する。
同様に漢方に由来する和名を持つセリ科の植物としては突き抜き柴胡などがある。

名前はラテン語で天使を意味する「Angelicus」に由来している。
種小名の「archangelica」にある「arch」は高位の存在を意味する接頭辞で、属名と合わせると「天使の大天使」となる。
(ちなみに大天使を意味する「アークエンジェル」だが、実はまだ下っ端クラス。アークエンジェルを上回るより高位の天使がわんさかいる。)
アンゼリカは西洋では天使のハーブなどと呼ばれ、修道僧の夢に天使(一説にはミカエルとも)が現れこの花で疫病を防ぐことができると伝えられたという伝説がある。これってつまり、私が天使だってことですよね？
また、別の説としてアンゼリカという名の修道士が広めた為、そのままアンゼリカという名になったという話もある。

ちなみに大天使ミカエルは死者を裁く存在でもあるらしく、天秤を持った姿で描かれることが多い。
…そういえばどっかのクズかわいい子が天秤を持ってましたね。具体的には上にいる子が。

全草が食用になる。
茎の硬い部分は砂糖漬け、葉は添え物、種子は香味付け調味料などとして利用される。
根や種からは精油も抽出されており、心を落ち着かせて力を与えてくれる作用などを持つ。シャルトリューズやベネディクティンといったリキュールの香り付けにも使われている。
西洋での伝説や東洋で漢方として用いられるトウキの仲間というだけあって様々な薬効がある。
中でもホルモン分泌に影響を与えるため婦人病対策にも有効だが、妊娠時にはバランスを崩させてしまう場合もあるので使用には注意が必要。

姿の似た植物にジャイアントホグウィード(Heracleum mategazzianum)という世界的に有害な侵略的外来種として扱われるものがある。
こちらは樹液に光毒性の成分を含み、樹液が皮膚に着いたまま太陽光などで紫外線を浴びると重篤な皮膚炎を引き起こす。
仮にこの樹液が目に入った場合には失明することもある。
このため除去の際は防護服や防護マスクなどで完全に全身を防護して行うことになる。
イギリスでは栽培が、アメリカでは州間移動や輸入が法的に禁止されている。
姿が似ていて有毒なんて……貴方って本当に最低の屑だわっ！
まぁ、アンゼリカ(精油)にも光毒性が無いわけじゃないのだが