ミント のバックアップ(No.21)

illust:波澤ビピット氏のミントちゃん1
illust:波澤ビピット氏のミントちゃん2
illust:波澤ビピット氏のミントちゃん3

illust:忠之氏のミントちゃん1
illust:忠之氏のミントちゃん2

Well, they got a new dance
And it goes like this
The name of the dance is
The peppermint twist
Well, you’ll like it like this
The peppermint twist

シソ科ハッカ属（ミント属とも言う）の植物の総称。日本原産のハッカもこの仲間である。
葉にはメントール由来の甘みと清涼感のある香りがある。ガムや歯磨き粉などでもおなじみのはず。
イラストには葉しか書かれていないが、もちろんちゃんと花を咲かせる。
花期は夏。種によってまちまちだが、白や薄紅の小さな花を穂や毬のように咲かせる。
繁殖力がアホみたいに高いため、様々な交雑種を生じ、その数６００を超えるとも言われるが、
あまりに増えすぎるので詳細はよく分かっていない。その香りも様々である。
その中でも我々に馴染み深いのは、ペパーミントとその仲間であろう。
ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの交雑種であり、特に香りが強い。

ミントの名前はギリシア神話より、冥王ハデスの浮気相手、メンテにちなむ。
メンテーはコキュートスの川辺に暮らす、ありふれたニンフ（妖精）だったのだが、
その美しさからハデスにすっかりべた惚れされてしまったのである。
これを見て黙っていないのが、ハデスの妻である女神ペルセフォネである。
夫の浮気にブチ切れたペル姉は「お前などクソみたいな雑草になってしまえ」と
メンテを踏み潰し、呪いをかけて草にしてしまった。ギリシア神話ってこんなんばっかです。
以来メンテはハデスの神殿の庭の片隅で、愛らしい姿と爽やかな香りを放ち、
慎ましやかに自らの居場所を知らせるようになったとか。

ミントはその香りの他にも、常軌を逸していると言うほかない異常な繁殖力でも知られる。
一株でも庭に生えたらそれが最後、こぼれ種でひたすら増えまくり、
抜いても抜いても地下茎が少しでも残っていればしぶとく再生し、そして増える。
土壌の養分を根こそぎ奪い尽くし、あらゆる植物を完全に駆逐するまでに至る。
流石、女神に踏み潰されてもしぶとく生き残っただけのことはある。
そして当然、独特の香りを漂わせる。いい匂いでも、四六時中嗅いでいては辟易するというもの。
庭を覆い尽くしてしまったミントへの対抗策は、土を全て掘り返すか大量の除草剤による絨毯爆撃ぐらいしか無い。
西洋では度々雑草扱いされるそうだが、もはや雑草というより生物兵器に近い。
空き地に花の種を蒔く「花ゲリラ」活動においても、ミントは非人道兵器に指定され、使用を厳禁されている。
逆に言えば、何もしなくてもぐんぐん育つので、栽培は極めて容易ではあるのだが、
プランターで育てるか、地植えの場合は仕切りを入れるなどして、不用意に広がらないように注意しよう。