ミカン のバックアップ(No.85)

みかんの花が　咲いている
　　　　　　思い出の道　丘の道
ミカンは食用柑橘類の総称だが、日本でミカンといえばウンシュウミカンのことである。
柑橘類は世界の温帯に広く分布しており、日本にはタチバナとシークワーサーが自生している。
古事記と日本書紀には、非時香菓（ときじくのかくのみ）の実という柑橘が登場するが、これがタチバナなのか、中国から伝わったコウジ（ウスカワミカン）やキシュウミカンなのかは定かではない。
ちなみに当時の柑橘は食用としてよりもむしろ薬用として用いられていた。現代でも、陳皮（干したミカンの皮）は漢方薬として広く用いられている。
日本において食用として広まったのはキシュウミカンで、熊本に中国から伝わり、それが15世紀～16世紀ごろ紀州有田（和歌山）に移植され一大産業に発展したことから「紀州」の名が付けられた。
また江戸時代の豪商である紀伊國屋文左衛門が、当時江戸で高騰していたミカンを紀州から運搬し富を得たとされる伝説でも有名である。
現在広まっているウンシュウミカンは中国の温州生まれではなく、江戸時代の熊本で突然変異によって生まれた。
ウンシュウミカンは5月に3cm程の白い5花弁の花を咲かせ、樹高は2-4ｍの高さに成長する。実の大きさと種を生じにくいという特徴から、明治時代以降爆発的に生産量が増加した。
ウンシュウミカンは温暖な気候を好むが、柑橘類の中では比較的寒さに強い。近年では新潟県の佐渡島でも栽培に成功している。
日本では長らく愛媛県が生産量一位の座を誇っていたが、近年では和歌山県が生産量一位である。
食生活の変化やオレンジ輸入自由化に伴い、ウンシュウミカン一辺倒だった日本の柑橘農業も転換し、イヨカンやポンカン、デコポン、レモン、ヒュウガナツ、ブンタンなど日本でも多くの種類の柑橘が栽培されるようになった。
今後の「オレンジ隊」の実装が期待される。->『緊急任務　佳き日に果実を届けよう』にてついに実装された。

我々のよく知っているあのミカンは温州みかんという名前だが、その温州とは何なのだろうか。紀州みかんと同じだとすれば地名なのだろうか。
実は「温州」とは日本ではなく中国の地名。中国浙江省温州市の事である。
では中国原産なのかと言うとそういうわけでもなく、柑橘類の名産地である温州にあやかって付けられたようだ。ナポリタンスパゲティのようなものだろうか
専門家の研究によると原産地は肥後国出水郡東長島村鷹巣（現在の鹿児島県出水郡長島。肥後なのに鹿児島なのは1565年に戦闘民族島津氏が同地の城を攻め落として領地とした為）。
昭和11年に同島で「李夫人」と呼ばれていた樹齢300年の木が発見されたのである。だがその「李夫人」は残念な事に太平洋戦争中に枯死してしまい、この原木から接木された2代目も昭和43年に枯死してしまっている。
しかしまだ李夫人から接木された木がもう一本あり、現在はその三代目が島内にある日本マンダリンセンターにて保存されている。
マンダリンセンターではミカンについての歴史を解説してたり、300種以上の柑橘類が植えてある。
もし長島に観光に行く機会があれば勉強ついでに是非彼女に会いに行ってみてほしい。どうでもいいけど施設の紹介サイトに「マンダリンロボが出迎えてくれる」とか書いていてすごく気になる
ちなみに原木には接木をした跡がある…つまりは更に元となった木がある可能性があると言う事である。とても興味深い。
また、江戸時代末にあの有名なドイツ人医師シーボルトが長崎にて温州ミカンの押葉にしてNagashima（ナガシマ）と記している。
これも温州ミカン発祥の地が長島であるとされる証拠のひとつである。

海外での呼び名で一般的なのはSatsuma mandarin（サツママンダリン）、Satsuma（サツマ）、Mikan（ミカン）が一般的。
学名はCitrus unshiu（シトラス・ウンシュウ）。海外でもミカンで通じるとは。
1876年にジョージ・ホール氏がフロリダへ苗木を送った事で温州みかんは初めて海外に渡る事となる。海外デビュー！
更には、1878年当時米国の日本大使だったバン・バルケンベルグ氏夫人が鹿児島の方に頼んで温州みかんの苗木を故郷に送った事で温州みかんがSatsumaと呼ばれるようになった。
現在は米国の各地で温州みかんの栽培が広まったことでテキサス州・アラバマ州・ルイジアナ州・フロリダ州などの街や土地にSatsumaの名前が付いている。

国が温州みかんのDNA鑑定をしたところ、種子親が紀州蜜柑で花粉親が九年母（クネンボ）との事。つまりキシュウミカンの母木とクネンボの父木の間にできた交配種との事。
クネンボは東南アジア原産であり、琉球王国（沖縄）経由で室町時代に日本に入って来た。

　温州蜜柑でございます
横山光輝三国志の中に、温州みかんが曹操に献上されるというエピソードが存在している。
原典では「温州柑子」（温州産の柑橘系果物）と表現されているものが、漫画化に際して日本の読者にもわかりやすいように意訳したものと思われる。
（ニコニコ大百科より抜粋）

参考文献
http://www.mikan.gr.jp/report/kigen/page7.html
http://www.mikanya.jp/mikan/nmc.shtml
http://hamadayori.com/hass-col/food/UnshuMikan.htm