センニチコウ のバックアップ(No.72)

ねぇ聞いてよ　赤いポンポン

ヒユ科センニチコウ属（ゴンフレナ属）の一年草。にょっきり50cmほど伸ばした茎の先に、ポンポンした花をつける。
原種は赤い花を咲かせるが、園芸用の改良品種は白、ピンク、紫、オレンジなど色鮮やかなポンポンがあってかわいい。
赤く色付いているのは花弁ではなく、苞（ほう）という葉で、よく見るとその内側に小さな花が包まれている。ほう…。
「千日紅」と書くだけあって花持ちがよく（実際には花はすぐ終わるのだが、苞が色付いたまま残る）、夏に開花して晩秋まで鮮やかな色を保つ。
そのため切り花として仏花などに利用されるほか、乾燥しても色褪せないために、ドライフラワーにも好まれる花である。
西洋では"everlasting flower"や"immortelle"と呼ばれ、永遠と不朽の象徴として、ドライフラワーにしたセンニチコウを墓前に捧げる風習などが存在する。
「変わらない愛情を永遠に」という花言葉も、この辺りに由縁があるらしい。心のなかの花は、いつまでも色褪せず鮮やかに。

ちなみに「百日紅」と書くと、サルスベリのことである。これもまた花期が長いことに由来する名前である。
名前はよく似ているが、サルスベリはミソハギ科の高木であり、センニチコウとは全く別の植物である。
もともとセンニチコウという名前は、百日花が咲くというサルスベリよりも長く花が保つことから付けられた。
もちろん本当に千日、つまり3年弱も花が咲き続けるわけではない。鶴は千年的なレトリックである。ドライフラワーなら3年保つかもしれないが…。
本当に「変わらない愛情を永遠に」が花言葉でいいのだろうか。なんかドライされてるし、そもそも色褪せないのは花じゃなくて葉だし…。
しかし逆に考えると、本当はおばさんではなく単なる耳年増という可能性が急浮上する。どう捉えるかは団長のお好みでどうぞ。
一方、サルスベリは本当にちょうど百日ぐらいの間花が咲いているので、こちらは看板に偽り無しである。
と思いきや、実際には次々と新しい花が咲くためにそう見えるだけで、ひとつの花はわずか1日で枯れる。百日紅なのに一日花なのである。こいつら大丈夫か。
他にも百日草だとか千日菊だとか万年草だとか色々あるので、JAROにきいたら、どうじゃろ？

全く関係ないが、アイスクリームパーラーのサーティワンアイスクリームは、1ヶ月間毎日違う味のアイスクリームを楽しめるぜ、という意味の名前なのだが、
実際に店舗で用意されているアイスクリームは、ほとんどの店舗で32種類である。実に慎み深い看板である。どっかの誰かも見習うべき。
なぜかといえば、ショーケースの冷凍庫1つが4つの区画に分かれているため、31種類だと1区画余ってしまって非効率的だから。
ちなみに、あくまで店舗に置いてあるのが32種類なのであって、実際には1200種類以上の豊富なフレーバーが存在している。
全力を出せば、1ヶ月どころか3年ちょっとの間、毎日違うフレーバーを楽しめるというわけである。なんて謙虚なんだ。