パクチー のバックアップ(No.4)

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パクチーはセリ科コエンドロ属の一年草。

学名：Coriandrum sativum
英名：Coriander
和名：コエンドロ
原産地：地中海東部

「パクチー（Phak-chii）」という名前はタイ語。
和名の「コエンドロ」はポルトガル語の「コエントロ（Coentro）」が訛ったもの。
英名の「コリアンダー」は古代ギリシア時代に「Korian-non」と呼ばれたこと似に由来する。
「Korian-non」は「Koris（カメ虫）」+「Annon（アニスの実）」という意味。
中国語では「香菜（xiāngcài）」と呼ばれる。

葉や実は名前の通り「カメムシのような」と表現される匂いがあり好みが分かれるが、
完熟した種子はアニスに似た香りになる。
この香りはカプリアルデヒドによるもの。

パクチーは人類史における最古のスパイスの一つ。
人類文明発祥の地と言われるメソポタミア各地で紀元前約3500年頃のものとされる楔状文字が発掘されており、
その中には香料植物としてニンニク、アニス、タイム、カラシ、クミン、カルダモン、ディル、サフランなどと共に名前が記されている。
薬用や調味料として古代エジプトで用いられていたものが、ギリシャやローマ、インド、中国、ヨーロッパの各地に広まったとされる。
旧約聖書では神がイスラエルの民に与える食料として登場する。
平安時代には日本に中国から伝わっていたらしく、当時の書物には「胡荽（コスイ）」という名前で記録が残っている。
当時は魚の膾などに添えらてれたようだが、強烈な匂いが当時の日本人の舌に合わなかったせいか、時代が進むと共に薬用にしか使われなくなる。