クルマユリ のバックアップ(No.35)

クルマユリ（車百合、Lilium medeoloides）は、ユリ科ユリ属の多年草。
東アジア原産の涼しい気候を好むユリで、日本では中部以北、および高山地帯に分布する。
他に千島列島、樺太、カムチャツカ半島、朝鮮半島、中国の冷涼な地域に分布。

高さ1mほどで、夏に花が咲く。
濃いオレンジの花びらに茶色の斑点が入り、花だけ見るとオニユリと似ているが、見分けるポイントはその葉。
　・クルマユリ … 茎の途中にぐるっと茎を取り囲むように6枚～10数枚の葉が生えている。
　　（「車百合」の名前はこの葉を車輪のスポークに見立てたものである。）
　・オニユリ … 2枚ずつ対角線状に葉が生え、葉の付け根に黒っぽい球形のむかごがついている。
　　（ちなみにコオニユリというのもある。これはオニユリっぽいが、むかごがないので見分けられる。）

鱗茎（地下にできる、タマネギのようにはがせる球根）はユリ根の一種として食用になる。
特に、北海道のアイヌ民族は、バラバラにほぐしたクルマユリの鱗茎を米と炊いて食していたという。

クルマユリが武器にしているのは競技用ヨーヨー。
通常のヨーヨーは糸が延びきると反動で自動的に糸が巻かれていくが、競技用は軸にベアリングなどを仕込んで
糸（ストリング）が伸び切ってもヨーヨーがそのまま回転するように作られており、これにより様々な技（トリック）ができる。
日本でも「ハイパーヨーヨー」が1997年以降大ヒットしたが、これはバンダイの登録商標であり、
バンダイ以外にも競技用ヨーヨーのメーカーは数多く存在する。
（「サランラップ」だけが食品包装用ラップじゃないよ、みたいなもんである。）

クルマユリがSDモーションで使っている技は以下の通り。
待機：ロングスリーパー　… 糸が延びきった状態で規定時間以上ヨーヨーを回転させて巻き取る基本技。
移動：ウォーク・ザ・ドッグ　… いわゆる犬の散歩。回転をかけたヨーヨーを地面に触れさせて車輪のように移動させる。
喜び：ダブルループ　… ヨーヨーの回転を殺さずに前方に連続で回し投げる技「ループ・ザ・ループ」を両手で行う。
庭園：スパイダーベイビー　…
ロングスリーパーの状態から、既定の手順でストリングを両手で畳んで輪を作り、輪の中でヨーヨーをブランコのように揺らす。
その姿を蜘蛛の巣の中で遊ぶ蜘蛛の赤ちゃんに見立てたもの。
正しくは、ヨーヨーを3回揺らした後逆手順でストリングをほどき、元通りにキャッチまで行って初めて技の成功である。
ヨーヨーが回転を保っている限られた時間の間にストリングを絡ませずに正確に畳み・ほどく必要があり、
彼女が使っているトリックの中では（戦闘スキルは置いといて…）最も難度が高い。

さて、特に庭園の技は「ストリングプレイスパイダーベイビー！」という漫画のコマ、およびそのコラ画像で知られているが、
これは橋口たかし作のハイパーヨーヨー漫画『超速スピナー』のプロトタイプ『燃えろ！スピナー』の1コマ。
トッププレイヤーである中村名人（実在のプロスピナーである中村謙一氏がモデル）が高難度の技をたやすく決めたシーンだが、
何とも言えない名人のドヤ顔と、すごい集中線のためにあっという間にネタ化され、コラの素材にされてしまった。