リシアンサス のバックアップ(No.34)

トルコギキョウ 香りは過去の僕を引っ張る
Lisianthus Aroma drags me out of where I was

リシアンサスはリンドウ科ユーストマ属（旧学名リシアンサス属）の非耐寒性の多年草もしくは一年草。
アメリカ大陸北部からメキシコ北部にかけて、特にアメリカ合衆国テキサス州周辺を中心に2種が、高地から低地まで広く生息する。

乾燥した環境を好み多湿を非常に嫌がるが、現地では（降雨量の少ない乾燥地帯ではあるが）地下水のある湿った場所に生える。
原種の多くは紫色の花をつける。稀に他の色も。
すらっと伸びた茎の先端に次々と咲かせる色とりどりの花は豪華で気品がある。

アメリカではTexas Bluebell、Tulip Gentian、日本ではトルコギキョウ、リシアンサス、ユーストマなどと呼ばれている。
（※Tulipはチューリップ、Gentianはキキョウ）

19世紀頃、プラントハンターによってイギリスへ持ち込まれた。
当時つけられた学名はLisianthusリシアンサスだったが、後にユーストマと改められた。
（ユーストマとはギリシャ語の『良い「Eu」』『くち・口「Stoma」』から。）

日本には昭和10年代に切り花用向きに導入され、現在では品種改良が進み、たくさんの品種が作られている。

しかし、かつてはその多くが失われたことがあった。
二度にわたる世界大戦によって数々の園芸植物が失われ、このリシアンサスも例外ではなく、海外ではほとんど絶えてしまった。
こういった状況の中で、細々ながら他国より多く生き残っていた日本では、昭和の終わりごろから品種改良が進みはじめた。
その結果現在では、日本がリシアンサスの品種改良の中心となり、全体の品種のほとんどが日本産である。

現在では切り花用の草丈の高いもの以外に鉢花用の矮性種もある。
切り花向きの品種を中心として非常にバラエティーが多く、
一重咲き・八重咲き・枝分かれして一本の茎にたくさんの花を咲かせるスプレー咲きをはじめとして、
花色は白・紫・黄色・ピンク・ブルー、花の咲く時期も早生・中生・晩生と幅広く流通している。
また、株を冷蔵保存するなど技術の発達により、切り花は一年を通して流通している。

「トルコ」と付くが、北アメリカ原産のリンドウ科の植物で、キキョウとも何ら関係はないとのこと。
(キキョウはキキョウ科。ビクトリームとキースぐらい違う)
トルコという名前の由来は花の形がターバンに似ているからだとか、
元々のトルコギキョウの花色である青紫色が、トルコ石や地中海の海の色を連想させるからだとかいわれているが、はっきりとはわかっていないらしい。