ナズナ(薺、Capsella bursa-pastoris)はアブラナ科ナズナ属の越年草で、日本全土の道端や土手など、あちこちで見られるポピュラーな雑草。
高さ10~40センチほどで、茎が直立し分枝するのが特徴である。
元々は日本の在来種として扱われていたが、植物学者の前川文夫氏はこれを
「ムギ類の栽培とともに日本に伝わって定着した、史前帰化植物」
と提唱し、現在ではこちらがほぼ定説となっている。
※前川氏は史前帰化植物を3つのグループに分けている。
- イネとともに日本に伝わったもの。南方系、主に東南アジア原産。ヨモギやイヌビエなど
- ムギとともに日本に伝わったもの。北方系、主にユーラシア(中国)大陸原産。ナズナやカタバミ、カラスムギなど
- それ以外のもの。主に中国から有用植物として持ち込まれたと考えられる。ヒガンバナやミツマタなど
1のグループは稲作に合ったライフサイクルのために夏~秋にかけて開花・結実する「秋の草」が多く、
2のグループは、水田から水を落とした麦作の時期に合わせて成育するため「春の草」が多い。ナズナも春の花の代表格である。
別名の「ぺんぺん草」がよく知られているが、これは花を咲かせた後の果実が三角形(ハート型)をしていて、
三味線のバチに似ていることから、三味線を弾く時の擬音「ペンペン」に喩えられて付いたもの。
同じ語源で「三味線草」と呼ばれることもある。
このハート型の果実の部分を切れない程度に下に引っ張って、ブラブラさせた状態で茎を振ると
実がぶつかって音がするため、子供の草あそびによく使われている。(ペンペン草太鼓)
春の七草の1つに数えられており、春の柔らかい若苗は七草粥の材料の1つとして食用にされる。
※ただし、夏以降の育ちきったものは筋張って硬いので、あまり食用には適さない。
つまり、たわわに育った団長補佐のナズナさんは既に賞味期限を(ry
この七草粥の風習は平安時代の中頃に中国から伝わり、やや形を変えて日本に定着したといわれるが、
初期の頃はアズキやヒエなどの雑穀を炊いたものを食べていたようで、「春の七草」が今のように
「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」とされるようになったのは、室町時代といわれている。
(南北朝時代の左大臣・四辻善成が『七草の歌』の作者といわれ、これが初出とされる)
また薬草としても古くから利用されており、高血圧、解熱、利尿、便秘、肝臓病、生理不順、下痢など様々な薬効が認められている。
ナズナの語源は諸説あるが、有力な説では『「撫で菜」からの転化で、撫でたくなるほど可愛らしい草という意味』というものがある。
NZNの胸を撫でると反応するのも、これが理由と思われる
非常に生命力が旺盛な草で、他の植物が成育できないような荒れ地や痩せた土地でも元気に育つ姿がよく見られる。
普通の草地では他の植物の勢いに押されて脇に追いやられてしまうが、他の植物が育たないような荒れ地では
競争相手がいないために、ナズナだけが目立ってよく茂るのである。
(そのせいか、他の花騎士が嫌がるような雑用や汚れ仕事をよく押しつけられ…)
この性質からナズナ(=ペンペン草)は荒れ地や廃屋などの象徴のように見られており、以下のような慣用句でも名前が使われている。
- ぺんぺん草が生える:家屋や土地が手入れされなくなり、荒れ果てた状態になること
- ぺんぺん草も生えない:根こそぎ奪われたり破壊されたりして、何も残っていないことの喩え(=荒れ地を好むぺんぺん草すら生えない)
つまり将来、花騎士「ナズナ」が実装された時、このゲームの命運は…
ちなみに、わざわざペンペン草を育てたいなんていう奇特な人もほとんどいないとは思いますが、
興味がある団長は、とりあえず適当な植木鉢かプランターにバーミキュライトを入れて、
その辺の道端に生えているペンペン草の花が終わった頃、芽の部分を摘んできてバーミキュライトに適当に突っ込んでおけば、
後は放っておいてもそのうち伸びてくると思います。(庭があるなら直植えでもいいけれど、後で増えすぎて困ることのないようにご注意)
何せ前述のとおり、ナズナは荒れ地でもどこでも平気で育つ強靭な生命力の持ち主なので…。
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