エノキ のバックアップ(No.29)

エノキ（榎）はニレ科エノキ属の落葉高木。

学名：Celtis sinensis
別名：エ（榎）、エノミ（榎の実の木）、ヨノキ
原産地：日本、朝鮮半島、台湾、中国、ベトナム、ラオス、タイ

エノキは日当たりさえよければ乾燥地でも湿地でも土質を選ばず育つ。
このためか北海道を除き、日本全国に自生している。
一里塚や神社仏閣などでよく植栽されており、各地で大木が残っている。

本作では旧分類体系のニレ科となっているが、APGではアサ科に分類される。
開花期は４～５月頃。
実は９～１０月にかけて甘く熟す。干し柿に似た味。
実や葉を鳥や虫が好んで食べるが、食糧難の時には人間にもエノキの若菜を米と一緒に炊く「糧飯」として食された。
成長すると高さ20mにも達する木は硬く、裂けにくく曲げやすいという性質から家具や建築に使用される。
エノキの物作りを得意とする設定はこれに由来するのだろう。

薬としては樹皮が蕁麻疹や食欲不振、葉が漆かぶれ、根が腰痛、果実がのどの痛みに効く。

エノキの株元や枯れ枝には、実装直後から本wikiで散々混同されているタマバリタケ科のあのキノコが生える。
正式名「エノキタケ（榎茸）」を略して一般に「エノキ」と呼ばれているだけで、決して本作のエノキちゃんがキノコ出身というわけではない。
イメージとして定着している白くてひょろ長いエノキタケは、モヤシのような日陰栽培によるもので、
自然に育ったものは普通にずんぐりしている。
野生のものは火を通すと粘りが出るため「なめ茸」として売られているが、ナメコとはまた別種なのであしからず。

エノキの名前の由来には、
・実を国蝶のオオムラサキなどの虫や鳥が好んで食べることから「餌の木」
・枝がよく茂ることから「枝の木」
・農具の柄に使われたことから「柄の木」
・よく燃えることから「燃えの木」、転じて「エノキ」
・その他「縁の木」、「塞の木」、「選の木」…
…など、諸説ある。