ホタルブクロ のバックアップ(No.23)

幼くて　蛍袋のなかに栖（す）む　　野澤節子

ホタルブクロ（蛍袋、Campanula punctata）は、キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。
その名前は、梅雨から初夏にかけて咲く袋状の花に、昔の子どもがホタルを入れ、
灯火に見立てて遊んだという伝承にちなんでいる。
花の形からツリガネバナ、チョウチンバナ、梅雨に咲くことからアメフリバナなどの別名がある。

ホタルブクロ属は「カンパニュラ」と総称されて園芸に用いられる種も多く、
同じイベントで登場したヤツシロソウや、オトメギキョウが同属である。

日本、朝鮮半島、東北アジアに分布する山野草。
適度な日当たりのある草原や、山地の木陰などにみられる。
花の時期以外は、フチにギザギザのあるハート型の葉が地面から根出した地味な姿だが、
1～2年かけて成熟した株は初夏に花茎を伸ばし、釣鐘型の花を下向きに咲かせる。
花の色は紫、ピンク、白、また斑点のあるものなどがあり、品種改良を経た園芸品種もある。

花を咲かせ切った株は種子をばらまいた後に枯れる。また、地面際で横に枝を伸ばして子株を作り、
種子散布との2面作戦で数を増やしていく。

園芸においては、耐陰性の高さが非常に頼りになる。
日光を嫌うわけではないので、本来は半日程度は日の当たる半日陰程度が最適ではあるが、
日当たりがいま一つでジメジメした場所でも、梅雨時に力強く花を咲かせてくれる。日陰の庭の強い味方である。
耐寒性も高く、上記のように繁殖力も旺盛なので環境さえ合えば屋外にほったらかし気味でも育つ一方、
耐暑性はイマイチなのであまり夏場にガンガン日光の当たるような場所はよろしくない。