トキソウ のバックアップ(No.15)

またひとつ夢を見て　またひとつ夢からさめる

トキソウ（朱鷺草・鴇草、Pogonia japonica）は、ラン科トキソウ属の多年草。
「japonica」の種小名の通り日本を中心に分布し、他に中国・朝鮮半島にも見られる。
名前は花の色が「トキ色」（鳥のトキの羽のような、やや紫がかったピンク）に近いことから。
ちなみに、ウェブ表示だと ・・・・・・・・ ← こういう色（#F5C9C6）である。

花はラン科によくある構造をしている。
正面から見たとき、外側の逆Ｙ字型（orベンツマーク型）の3枚の花弁に見えるものは実際には長く伸びたがく（萼片）。
中心の▽型の部分が3枚の花弁であり、まず上にかぶさるように短い側花弁が2枚ある。
そして長く伸びる肉厚な下の花弁1枚は、下唇に見立てて唇弁と呼ばれる。
唇弁の表面は多数の突起があるが、これは虫に受粉を助けてもらうために着地しやすく進化したものと言われる。
花の中心には、雄しべと雌しべが合体した蕊柱（ずいちゅう）がある。

近年は湿地の減少でただでさえ生息域を減らしている上に、愛好家の多いラン科植物ということで栽培・転売目的の盗掘も絶えない。
多くの都道府県で絶滅危惧種指定を受けており、この点はトキソウの友人であるハマシオンと事情が近い。