オモイグサ のバックアップ(No.11)

道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何か思はむ ()

オモイグサ（思草）はハマウツボ科ナンバンギセル属の一年草。

学名：Aeginetia indica
別名：南蛮煙管、煙管草
原産地: 東アジア～東南アジア、南アジアの亜熱帯・温帯

イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生する一年草。
日本ではよくススキに寄生している。
葉緑体を持たないため、全体に黄褐色。当然ながら光合成できない。宿主の根から養分を吸収して育つ。
つまりススキに養われてるヒモ…？
日本を始め中国、アジアに広く分布する。
７～８月頃に下向きに咲く赤紫色の花が首をかしげて思案する人の姿を連想させることに由来する。

学名のナンバンギセル属を表す「Aeginetia」は７世紀のギリシャの医師Aeginetaさん由来。
種小名の「indica」は「インドの」。
つまり直訳で「インドのAeginetaさん」

本作のオモイグサは煙管（ガンライコウやサフランが使う喫煙道具）を模した武器を振るい、「スモーキング」と名の付くスキルを使う。
これは「思草」がタバコの別名であることと、別名が「煙管草」や「ナンバンギセル（南蛮煙管）」であることに由来すると思われる。
「ナンバンギセル」の名前の由来については図鑑で彼女の背景に咲く花の形を見ればお分かり頂けるだろうか。
どことなく煙管のようにも見えるだろう。見えるよな？見えろ！

俳句では中秋の季語。和歌でよく「思い種」との掛詞で用いられる。
『万葉集』には「草に寄せたる」と題した本項冒頭の相聞歌（恋の歌）にも登場している…とされているが、実際の所は不明。
というのも、「思草」はオミナエシやリンドウ、シオン、ツユクサ、タバコ等多数の植物の別名でもあるようで、その辺りは諸説ある模様。
「尾花が下の」からススキの根本に寄生しているのだろう、という根拠でナンバンギセルのことだと推測されている。