#author("2018-08-24T02:20:21+00:00","","") *No.423 アズキ [#je4b3ecd] #region(''進化後''COLOR(white){_}) &attachref(アズキ進化.png,nolink, ); #endregion //#region(''開花後''COLOR(white){_}) //&attachref(,nolink, ); //#endregion |CENTER:80|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|CENTER:|c |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|~プロフィール| |>|>|>|>|>|>|>|&attachref(アズキ.png,nolink, );|~名前|>|>|アズキ| |~|~|~|~|~|~|~|~|~レアリティ|>|>|[[★★★★★]]| // //|~|~|~|~|~|~|~|~|~衣装|>|>|-| // 必要があるときだけ↑の行のコメントアウトを外す // |~|~|~|~|~|~|~|~|~属性|>|>|COLOR(red):斬| |~|~|~|~|~|~|~|~|~好きな物|>|>|宝石| |~|~|~|~|~|~|~|~|~品種|>|>|マメ科| |~|~|~|~|~|~|~|~|~所属国家|>|>|ベルガモットバレー| |~|~|~|~|~|~|~|~|~花言葉|>|>|爽やか| |~|~|~|~|~|~|~|~|~SD|>|>|&attachref(アズキ_SD1.gif,nolink, );&br;&attachref(アズキ_SD2.gif,nolink, );| |~自己紹介|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|''わたしはアズキって言います。&br;和菓子店の看板娘、「爽やか」が花言葉の花騎士です。&br;お店の跡取りとして修業しながら、花騎士も頑張る苦労人……。&br;大変だと思ってくれたそこのあなた。&br;うちの商品を買ってくれたら、看板娘はもっと嬉しいかも。''| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|~ステータス &size(4){(基本値+好感度100%ボーナス) =合計値};| |~進化|~Lv|>|~HP|~計|>|~攻撃力|~計|>|~防御力|~計|~移動力| |>|>|>|CENTER:|CENTER:COLOR(red):|>|CENTER:|CENTER:COLOR(red):|>|CENTER:|CENTER:COLOR(red):|CENTER:|c |~前|1|1600|+1200|''2800''|600|+600|''1200''|400|+360|''760''|530| |~|60|5900|~|''7100''|2000|~|''2600''|800|~|''1160''|~| |~後|1|4800|+2400|''7200''|1500|+1200|''2700''|750|+720|''1470''|~| |~|70|10800|~|''13200''|3900|~|''5100''|1050|~|''1770''|~| |~咲|~|~|+4104|''14904''|~|+1860|''5760''|~|+948|''1998''|~| |~開花|1|5300|+2400|''7700''|2400|+1200|''3600''|950|+720|''1670''|~| |~|80|11950|~|''14350''|4300|~|''5500''|1450|~|''2170''|~| |~開花・咲|~|~|+4260|''16210''|~|+1908|''6208''|~|+996|''2446''|~| |~昇華・咲|1|7000|+5904|''12904''|2800|+2364|''5164''|1000|+1152|''2152''|~| |~|80|14200|~|''20104''|5700|~|''8064''|1600|~|''2752''|~| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|~スキル&アビリティ| |>|~戦闘スキル|>|>|>|練撃職人技「爽」|>|>|>|>|>|22%(Lv1) → 32%(Lv5)| |~|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|敵全体に1.7倍のダメージを与える| |~|~|>|>|>|~レアリティ昇華|>|>|>|>|>|27%(Lv1) → 37%(Lv5)| |~|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|敵全体に2.8倍のダメージを与える| |~|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘スキルアニメ&br;&attachref(アズキ_スキル.gif,nolink, );| |>|~アビリティ|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーの攻撃力が10%上昇| |>|~進化アビリティ|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーのスキル発動率がそれぞれの好感度に応じて最大1.2倍上昇| |>|~開花アビリティ|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーの攻撃力が10%上昇| |>|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーのスキル発動率がそれぞれの好感度に応じて最大1.2倍上昇| |>|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|''戦闘中、パーティメンバーのスキルダメージが10%上昇''| |>|~昇華アビリティ|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーの攻撃力が''26%''上昇| |>|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーのスキル発動率がそれぞれの好感度に応じて最大1.2倍上昇| |>|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、パーティメンバーのスキルダメージが''15%''上昇| |>|~|>|>|>|>|>|>|>|>|>|''パーティメンバーがボスに対して与えるダメージが15%増加する''| |>|~専用装備|~進化前|>|>|??の耳飾り|>|>|>|>|>|Lv 1:攻撃力+??? 防御力+??&br;Lv50:攻撃力+??? 防御力+???| |>|~|~進化後|>|>|爽やかな刀|>|>|>|>|>|Lv 1:攻撃力+??? 防御力+???&br;Lv50:攻撃力+593 防御力+204| |>|~|~|~装備効果|>|>|>|>|>|>|>|戦闘中、自身の属性と同じパーティメンバーの攻撃力と防御力が2%上昇| *アズキについて[#e1470065] COLOR(#96514d):'''「''皆のためにたくさん頑張る団長。そういう努力してる人って、わたし好きだから……。''」''' 2018年4月2日にガチャのラインナップに追加された★5COLOR(red){斬}属性キャラ。 [[緊急任務 お花見、様子見、一休み!]]にて、[[アグロステンマ]]・[[マルメロ]]・[[アデニウム]]と共に登場した。 またコミックマーケット94出展情報の集合絵に、アズキが混ざっている。 **キャラクターについて [#za4fc0f0] ベルガモットバレー出身の花騎士。実家が和菓子屋を経営しており、同時に看板娘も務める。 元々は普通の看板娘だったが、客寄せのため花騎士になったという異色の経歴の持ち主。 いわゆる副業持ちだが、器用な事に花騎士も看板娘も両立している。 台詞から察するに、苦労も無くあっさり花騎士になったように見える。金クラスの強さを獲得している所を見るに、最初から素養があったのだろう。 両親がいるかどうかは不明だが、実家がある事から肉親の誰かが存命しているのは間違いない。特別疎まれている様子も確認出来ない。 花騎士の両親や友人が殺されたり、あるいは忌み子扱いされる事例が多いスプリングガーデンでは比較的幸せな環境と言える。 着物にエプロンという和風メイドな出で立ちが特徴。腰には得物の脇差しが携えられている。 刀のようだが先端が丸くなっており、鉈っぽい印象を受ける。これで害虫を切断するのだから驚きである。ただ、剣の振り方を見るに我流と思われる。 スキルの練撃職人技「爽」が決まると、餡子で出来たマニュが飛び散る。虚無から餡子を作り出す看板娘とは一体……。 ホワイトブリム(メイドカチューシャ)には小豆の花が咲き、着物の柄は小豆で、 色も小豆色と何から何まで小豆である。まるで擬人化だぁ…。 痴女や変態が多いスプリングガーデンでは珍しく、露出が少ない服装をしている。進化させると若干増えるが、それでも少なめ。 スプリングガーデンにあるまじき常識的な格好と言える。 #region(''交友関係など''COLOR(white){_}) 大きなカバンに餡子や甘味を入れ、事あるごとに商品の宣伝をしてくる。団長は勿論、友達の花騎士にも営業が及ぶ。 大きなカバンを背負っているとの事だが、SDでは一切登場しない。そのため異次元から無数に餡子や甘味を取り出している格好となる。 その姿は歩く武器庫ならぬ歩く甘味庫。 [[ハギ]]と団長は、実家のお得意様らしい。自身も甘味が好きで、よく食べている。 パンは勿論の事、肉や野菜にも餡子を付けて食べるという。やばい。 向上心のある花騎士で、キャラクタークエストでは訓練の様子を団長に見せて手厳しいコメントを要求している。自身には甘さ控えめのようだ。 和菓子の営業が多い彼女だが、さりげなく団長の事を想っており、デートに誘ったり、実家の家業を一緒に継ごうとする。 夏祭りに誘うついでに、あらかじめ買っておいた浴衣を披露しようとする等、可愛らしい一面が窺える。 看板娘としての歴が長いためか、言葉使いも流暢。その営業トークには光るものがある。作戦行動中も実家の商品を持ち歩く商売人の鑑。 お化けを信じない性格らしく、全く驚かない。[[ペポ]]や[[ギンリョウソウ]]とのコラボに期待が膨らみます。 疲れた時には実家の商品を食べさせてあげるという台詞があるが、小豆には疲労回復の効果があるため適切である。 //region内表整形用 |BGCOLOR(white):2048|c | | #endregion #region(''任務などでの活躍''COLOR(white){_}) デビューを飾ったイベント「お花見、様子見、一休み!」では、商業都市スカネにある花見会場を警備する花騎士として登場。 集合場所に一番乗りし、団長やナズナとの顔見世を行っている。同時に団子や和菓子の売り込みを行い、ナズナに食べさせた。 続いて現れたアデニウムにも和菓子を試食させている。事前に会場から宣伝を許可を得ている辺り、なかなか熟練の様子。 今回の警備任務で、リリィウッドの王族たるアグロステンマと知り合っており、何気に王室とのコネが出来ている。 害虫に対する警戒だけでなく、花見客への注意喚起や会場の掃除などを献身的にこなす中、 フェリアの花園を担当していた別の騎士団長が過労で倒れる。抜けた穴を埋めるべく警備地域を変更。 敷地が広大かつ暴れている害虫も多いという悪条件の下、交戦。数多くの害虫を倒し、花園に潜んでいた大型害虫を討伐した事で 今春の害虫の出現率は大幅に低下。アズキたちの活躍により安心して花見が出来るようになったという。 実家の宣伝に腐心するアズキだが、「(実家以外にも)おいしいお店がある」と発言しており、同業他社のリサーチも欠かさない一面が窺える。 クジラ艇2章の3-1及び3-2にも登場。クジラ艇の燃料となる月見団子を探しに、ベルガモットバレーのウカガミの谷に足を踏み入れる。 その後、無事に発見したようで、バナナオーシャンに停泊しているクジラ艇の下へ送られた。 連日連夜の整備で疲労困憊のナズナには、実家の和菓子を詰め合わせた差し入れを贈っている。人間の鑑。 一方、国家防衛戦では出番が無い。団長のいない所で頑張っていると思われる。 花騎士4コマ劇場第90話では、アグロステンマと共演。肉を食べているアグロステンマの横で、餡子の売り込みをしていた。 //region内表整形用 |BGCOLOR(white):2048|c | | #endregion **戦闘について [#f0d1f0fe] ステータスはHPは並程度だが、攻撃力と防御力は低め。 アビリティは★5標準の攻撃力10%上昇、好感度に応じたスキル発動率上昇。 開花での追加がスキルダメージ10%上昇で、進化まででも癖がなく扱いやすい。 スキルは全体攻撃で、上記のアビリティと合わせてかなり長い間活躍してくれる。 **昇華について [#shouka] 昇華後はステータスが一転して攻撃力が高く、他が並程度になる。 スキルは★6標準の全体に''2.8倍''、発動率''27(37)%''になる。 既存アビリティの数値が攻撃力上昇10%→''26%''、スキルダメージ上昇10%→''15%''となり、 新たに''ボスへの与ダメージ15%増加''が追加される。 アビリティ構成は[[エーデルワイス(新春)]]と数値を含めて完全に同じで、2種類のダメージ上昇によってパーティ全体のダメージを底上げする。 特定のテーマを持たず、純粋にダメージを上げることだけを考えた構成なのでどこに入れても一定の活躍が期待できる。 火力の底上げには持って来いの性能と言えるだろう。 ただしアズキは通常の★6に多いCOLOR(red){斬}属性で全体攻撃スキルなため、編成上の役割がかぶりやすいという欠点がある。 2種類のダメージ上昇の全体攻撃という点では[[アイビー(新春)]]も該当するが、 通常の★6では貴重なCOLOR(blue){打}属性、攻撃力低下アビリティ、高い移動力のように、他に活用できる要素がある。 性能面で見た昇華については、先の通りダメージ上昇2種は通常の★6に[[エーデルワイス(新春)]]と[[アイビー(新春)]]がいるため、他でも代用が効く。 単純に通常の★6には全体攻撃が多いので、自分の所持キャラのアビリティだけではなくスキル、属性も含めて考えて判断した方がいいだろう。 **その他の情報 [#afed28ee] //illust:[[イラストレーター名>リンク]] 2018/6/11 昇華後のスキル倍率が2.2倍→''2.8倍''、発動率が24(34)%→''27(37)%''に上方修正された。 2018/8/13 昇華後の攻撃力上昇が20%→''26%''に上方調整された。 #region(''庭園モーション''COLOR(white){_}) |~庭園A|~庭園B|~庭園C| |&attachref(アズキ_庭園A.gif,nolink, );|&attachref(アズキ_庭園B.gif,nolink, );|&attachref(アズキ_庭園C.gif,nolink, );| #endregion #region(''元ネタ解説''COLOR(white){_}) アズキはマメ科ササゲ属の一年草。 学名:'''Vigna angularis''' 原産地:東アジア 俳句では夏の季語。 学名の「Vigna」は「ササゲ属」(17世紀のイタリアの自然科学者に由来)、「angularis」は「角張った」の意味。 本作では「アズキ」という名前で実装されているが、「小豆」の読みは本来は「ショウズ」であり、「アズキ」は大和言葉(和名)であるらしい。 名称の由来については、諸説ある。 ・「ア」は「赤」、「ズキ」は「溶ける」の意味。煮崩れやすく短時間で調理できることから。 ・「アカツブキ(赤粒木)」からアズキとなった 他多数。 アズキの草丈は30~70cm程度。長い葉柄に小さな葉が3枚付く。5月中頃に種を植え、6月上旬に発芽。兵庫県では7月中頃から種をまく。 7~9月頃に黄色い花が咲いた後、5~10cm程度のサヤができる。 8~11月頃になるとこのサヤが熟し、いわゆる&color(#96514d){''アズキ色''};の豆が収穫できる。見た目はインゲンマメのサヤにそっくり。 #region(''穀類としてのアズキについて''COLOR(white){_}) 一般的に「アズキ」というとサヤの中にできるこの豆のこと。 寒さと霜に弱いため、気温10度以下の環境だと上手く発芽しない。寒がり屋のようだ。 小豆は、昼間に太陽を浴びて養分を作り出し、夜間にその養分を糖分に変えて蓄積する。気温が高いと、養分を成長のみに使ってしまうため 甘くならない性質がある。昼暖かく、夜涼しい環境だと効率良く成長する事が出来る。 肥料を多く与えすぎると、葉っぱだけが茂って実が成らないため、肥沃な大地で栽培する場合は肥料無しで育てられる。 北海道産の小豆は、渋み成分であるタンニンの含有量が少なく、吸水量も良いため、中国産よりも良質になる。 また、小豆は連作ができない作物で、一つの畑で小豆を栽培すると向こう5~8年は栽培できない。その間に大豆や小麦を栽培するのが一般的。 甜菜類の次に小豆を連作すると良いと言われる。マメ類の中で最も酸性土に弱いので、栽培には慎重を要する。 黄色い花を咲かせると、寄ってきたハチに受粉させる。この時、容易に受粉できるよう独特な形の花を咲かせる。 大きさが5.5mm以下で4.2mm以上のものが「普通小豆」、5.5mm以上のものが「大納言小豆」と区別される。 黄色い花を咲かせるものの、誕生花として指定された日は存在しない。小豆の花に似ているという理由で命名されたノアズキは9月9日だが、別物である。 一応、食用小豆の原種ではないかと言われているため共通点はある。 原産地は中国北東部で、二千年ほど前に日本へと伝来したと言われている。中国で作られた世界最古の薬学書「神農本草経」によると 小豆の煮汁が解毒剤として用いられたという記述がある。同時に小豆の栽培方法が書かれており、やがて世界に波及。薬効を求めて王族に珍重された。 日本では縄文時代にはすでに栽培されていた。今でも遺跡から炭化した小豆が出土する事があるという。 現在国内で栽培されているアズキは自生種のヤブツルアズキを品種改良したもの。つまり、自然界には元々存在しなかった。 ヤブツルアズキは全国的に分布しているが北海道と沖縄県、そして青森県には自生していない。受粉は主にクマバチが行うようだ。 畑で栽培していた小豆が、何らかの要因で管理下から逃げ出して自然に戻った結果、先祖がえりしたケースが見受けられる。 栽培小豆と野生小豆の中間のような見た目をしており、サヤは野生と同じように自然と弾ける仕様となっている。 このような特徴から、栽培種と野生種が交配した間の子とも解釈できる。 ちなみに野生種も十分食用にする事が出来、飢饉の時は非常食として人々の飢えを癒したという。人によっては栽培種小豆より美味しいと感じるとか……。 #endregion #region(''餡子について''COLOR(white){_}) 1349年、中国から訪れた林浄因(りんじょういん)という人物が、後村上天皇に餡子入りの饅頭を献上した事が、餡子の伝来と言われている。 しかし当時の餡子は塩味で、とても甘味と呼べるものではなかった。 中国では饅頭の具材は肉と決まっており、餡は肉扱いだったのだ。 &color(silver){なので花騎士4コマ劇場90話の[[アグロステンマ]]の主張はあながち間違いではないのかもしれない。}; 伝来からしばらくの間、饅頭は箸でつまんで食べられていた。曹洞宗の開祖・道元禅師が遺した書物「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」によると 箸で食べるやり方が正式だったと記されている。 長らく国内でも餡子は肉扱いであったが、室町時代に外国から砂糖が入ってきた事で一変。国内で砂糖が生産されるようになり、 江戸時代頃から甘く仕上げた餡子が登場するようになった。 ちなみに国内で生産される小豆の約7割が餡子となり、和菓子屋や飲食店で使用される。 餡子には「つぶあん」、「こしあん」、そして「小倉あん」の三種類が存在する。 つぶあんは小豆を潰さずに炊き上げたもの。こしあんは種皮を取り、砂糖で味付けしつつ潰したもの。 そして小倉あんは、こしあんに大納言のような大粒の小豆を混ぜ込んだものである。 小倉あんの「小倉」は、京都府北西部にある小倉山から取られている。小倉唯でも、原爆を落とす候補だった都市の名前でもない。 こしあんの中にある小豆が、小倉山の名物である[[モミジ]]を連想させる事から小倉あんと呼ばれるようになったという異説もある。 #endregion #region(''産地・品種について''COLOR(white){_}) 70%が北海道(十勝)産で、丹波・備中と共に三大産地として知られる。全国的に栽培されているが、唯一沖縄県のみ気候の問題で例外。 北海道内の主な産地は十勝、上川、後志、網走。そして小樽が集積と出荷の拠点となっている。 1896年、北海道で栽培する小豆の品種を選定するため、品種比較試験が開始された。選りすぐりの種を抜き出し、未知なる北海道の大地へと持ち込まれた。 小豆の本格的な栽培が始まったのは1899年頃とされ、今までは個人的に栽培する作物に過ぎなかった。1902年前後には基幹作物の仲間入りを果たし、 北海道への流入者も増えて耕地は拡大していった。 本来、小豆は寒さに弱い品種だが、北海道での栽培を可能とするために品種改良が繰り返され、耐寒性に優れた良質な小豆が出来上がった。 その後も十勝地方で品種改良が進められたが、大東亜戦争勃発により一旦中止を余儀なくされる。再開は1954年まで待たなければならなかった。 小豆の収穫が終わる10月が過ぎると、帯広に出荷される。そこで豆商人や仲買人が値段交渉をするのである。 生産者と商人の関係は、支那事変勃発まで続いた。 マメ科の中では唯一、国内での自給のみでまかなわれている。年間4~7万トンの小豆が生産されているとか。 中でも十勝産地は非常に広大で、アメリカやフランスの大規模農場で使われる大型農機を投入している。日本で大型農機を使用するのは 十勝農地だけである。すっごい大きい……。 東京相場で、30kg7800円とされる。1kg当たり260円である。 北海道で栽培されている品種は「エリモショウズ」と「きたのおとめ」、「きたろまん」の三つ。 主力かつ優良品種たるエリモショウズは1971年生まれ。寒さに強く、収穫量も多いという理想的な小豆だったため一時期は市場を独占した。 今でも主力の座に就いているが、病弱なのと連作障害が激しいという欠点を抱えている。 続くきたのおとめは1982年生まれ。十勝で開発された。エリモショウズの後続にあたり、病気に弱い点が改善されている。現在は年間約4000トン生産されている。 最後に現れたのは、きたろまん。2006年に生み出されたニューフェイス。エリモショウズに代わる主力品種として期待がかけられている。 病気への抵抗力を身に付け、早期収穫を可能にした事から、いずれ主力の座に就くだろうと言われている。 一方、エリモショウズは海外への流出が続いており、カナダ・米国・豪州から輸入される小豆が エリモショウズになるという逆輸入状態が発生している。中国でもエリモショウズが生産されるようになり、外国産との優位性を確保するため 北海道では対策を強いられている。また中国では小豆品種の「しゅまり」「雪手亡」を無許可で栽培し、育成者権を侵害する暴挙が行われている。 これを受けて北海道は監視体制を強化しているとか。 丹波地方(兵庫県)で栽培される小豆は「&color(#96514d){''大納言小豆''};」の名称で呼ばれている。 この地方で栽培された小豆は種皮がしっかりしており、水びたしにしても腹が切れない事から、公達が悪事を働いても腹を切らない官職・大納言にあやかって、そう名づけられた。 現地では、縁起の良い豆とされている。多収性を度外視した高級志向のため、収穫量は少なく、年間800トン程度しか出回らない。 6万トン出回る北海道産と比べると、微々たる量しか採れない事が分かる。京都の人々は、北海道産より丹波産大納言小豆の方が好きらしい。 大粒で光沢が美しく、風味豊かで、糖分が多い特徴がある。 石川県北部の奥能登地方では、「能登大納言小豆」なる亜種が栽培されており、こちらも高品質な小豆に仕上がっている。 この地では、葉タバコと小豆を交互に栽培する事で連作障害を回避していたが、葉タバコが廃作になったため小豆だけを連作。 結果、生産量が低下傾向にある。 中でも一番希少価値が高いのが「白小豆」と呼ばれる品種である。文字通り白い小豆で、その姿は大豆にしか見えない。 国内で生産されている小豆の99%が赤い物のため、その存在を知らない人も多い。主な産地は北海道、兵庫県、岡山、栃木県。 見た目は白色だが、ちゃんと小豆の味がするという。通常の小豆より食物繊維が多く、ポリフェノールを含有しない事から更に甘い味。 気象条件に左右されやすく生産量が安定しない。故に希少価値が高く、その価格は信じられないほど高騰する。 そしてその白小豆を用いた和菓子は、漏れなく高級品となる。年間で出回る量は僅か100kg。先述の大納言小豆よりも少ない。 栽培が難しく、生産者も軒並み高齢な事から増産は困難な状況にある。 本作のアズキが白いエプロンを羽織っているのは、希少価値の高い白小豆を表しているから……かもしれない。 &color(silver){アズキの開花や別バージョンが出たら、髪の毛が真っ白になる可能性も微粒子レベルで存在している……?}; 近年、市販の生餡は品質が悪化し続けており、中には中国産の粗悪品まで含まれているという。 高級な和菓子屋では一級品の餡子を使用しているが、末端の弱小店では知識や資金が無い理由で粗悪品を掴まされているとか。 #endregion #region(''害虫について''COLOR(white){_}) そんなアズキの天敵は、アズキゾウムシと呼ばれる害虫。アズキの中に産卵し、孵化した幼虫が食害を与えてくる。餡子がダメになるよー! 発生率は年に4、5回。つまり季節を問わず襲来するのである。これ対し人類は、害虫に侵入されないよう密閉容器の中に入れて対抗している。 また、戦時中に一人の昆虫学者が、食害に遭わないアズキの開発に腐心した。一度は頓挫したものの、再開。 侵入した害虫を返り討ちにして葬るインゲンマメの遺伝子を組み入れる事で、害虫に負けないアズキが完成。1994年に発表された。 他にもスズメガ及びメイガの幼虫が害虫として立ちはだかる。虫が付きやすいため、対策が必要である。か弱いアズキくん。 #endregion #region(''用途について''COLOR(white){_}) アズキ・大豆は[[米>トウカ]]、[[麦>コムギ]]、豆、粟、黍または稗と共に五穀といわれ、日本人の食卓を支えてきた。 薬用に使われるだけあって、牛肉や卵に劣らない豊富な栄養価を含んだ万能食材だった。 お目出たい行事の際の食事に出す赤飯や小正月(1月15日)に食べる小豆粥に使われる他、 餡子として[[お萩>ハギ]]や[[牡丹餅>ボタン]]、最中、饅頭、どら焼き、アンパン、ぜんざい、 煮てから寒天を加えて羊羹、煮た小豆汁にお餅などを入れて汁粉などに使われたりと和食・和菓子に欠かせない食材である。 地域によっては醤油や味噌の原料として使われることもあるのだとか。 山形県の小国町では葬式の際に赤飯を炊く風習があり、普段は忌み嫌われるという珍しい地域性がある。 同じく山形県庄内地方では赤飯の小豆が胴割れすると割腹を彷彿させるとし、ササゲを代用品に充てた。 東北地方では方言で、黒ササゲの事を「てんこ小豆」と呼ぶ。てんこあいしてる。 にがりを混ぜても固まらない事から、小豆で豆腐を作るのは不可能とされる。故に、ありえない物の喩えとして小豆の豆腐という言葉がある。 しかし時代の流れとともに技術が発達したため、高度な職人技によって小豆の豆腐が遂に誕生した。その食感は羊かんっぽいとの事。 古くからある、小豆を使った料理に「いとこ煮」というものがある。イモや[[カボチャ>ペポ]]、[[ダイコン>スズシロ]]、ゴボウ等を小豆とともに煮込んだ 栄養満点の料理である。これを人々は暑い夏に入る前、寒い冬に入る前に食べ、体の増強を図っていた。 国内のアズキは75%が餡用であるが、漢方としても多く使われる。栄養分が豊富で、その八面六臂っぷりは差し詰め天然の薬である。 先ず小豆には、鉄分やビタミンB1やB2、カリウム、カルシウム、美白や血行促進に効果があるとされるポリフェノール、外皮には肥満防止効果を持つサポニンを多く含む。 ビタミンB1はアルコール分解の作用があり、小豆の汁は二日酔いに効くとされる。同時に疲労回復の効果もある。 カリウムとサポニンには生活習慣病と便秘の予防に効果があり、高血圧や中性脂肪の低下にも役立つ。 もたらされる利尿効果は、むくみ対策に効果的である。 豆を煎じたものを「赤小豆(しゃくしょうず)」といい、解毒、排膿、利尿に効く生薬としても使われる。 江戸時代では、原因不明の病とされた脚気の治療薬として医師が小豆を処方していた。 小豆にはチアミンが含まれており、脚気(かっけ)に効果的だった。小豆を国民食にした事で、戦後以降は脚気がぱったりと無くなっている。 食物繊維に至っては、ゴボウ・寒天・キノコをも凌駕する量が含まれている。 余談だが、お汁粉の起源は江戸時代に誕生した「すすり団子」という料理。塩味で味付けし、甘味ではなく酒の肴として飲まれた。 明治から大正にかけての時代は甘い物が少なく、時代に合わせた結果、お汁粉が誕生した。甘味が少ない中でのお汁粉は、 人々を魅了するには十分の美味しさだった。 SDの喜びモーションでパンを食べているがあれは「小倉トースト」という名古屋発祥の軽食である。焼いたパンの上に小倉あんを乗せたもの。 1921年頃、名古屋三越の隣にあった喫茶店「満(ま)つ葉」にて誕生したらしい。 古くから菓子作りと茶会の文化が盛んだった名古屋には、餡子を使った甘味が数多く存在する。政令指定都市の中では饅頭の消費量が上位にランクインしており、 名古屋人の餡子好きっぷりが窺える。中でも小倉あんが好みのようだ。最近は洋菓子に押され気味のようだが、未だ人気は根強い。 砂糖代わりにコーヒーへ餡子を入れる人まで居るとか。各家庭には小豆の缶詰めが常備されているなど、名古屋は小豆のメッカと言えるだろう。 最近、小豆を使ったカイロという運用法が編み出された。耐熱性のある布に小豆を入れ、電子レンジで1分ほど温めると即席のカイロ、湯たんぽにもなる有能っぷり。 時間にして数十分間持つ。繰り返し使えるので、素寒貧の人も安心である。寒い日はアズキに温めてもらおう。 吸熱作用のある小豆は、なんと枕の中身にも使用される。他の雑穀と比べて、小豆には二倍の吸熱性があり、これが夏場で役立つのである。 いつ頃からかは不明だが、枕の中に小豆を入れる人が続出。睡眠を妨げない最高級素材の小豆は、主に武士から好まれた。 #endregion #region(''戦争とアズキ''COLOR(white){_}) 古来より、日本人の食生活に寄り添ってきた小豆。それは戦時中も変わらなかった。 東洋の小国に過ぎなかった日本が、白人の大国ロシアと戦争する事になった日露戦争。この戦争において、軍隊狸と呼ばれる妖怪が 日本軍に協力したとの伝承が残っている。彼らは小豆に化けて大陸に渡ると、ロシア軍に突撃していったという。 第一次世界大戦では、欧州の産地(ルーマニアやハンガリー)が戦場になってしまい慢性的な小豆不足を招いた。 ちょうどその時、北海道の小豆が豊作になった。これに目を付けた小樽の商人たちは ヨーロッパの同盟国へ向けて北海道産の小豆を大量に輸出。儲け話だからと、権力のある政治家に賄賂まで渡して輸出を強行した。 黄金そのものである小豆を少しでも多く手に入れようと、商人や商社同士の醜い抗争にまで発展してしまった。 輸出された小豆の中には、砂糖をまぶして餡子にしたものもあった。ところが、欧米人の口に小豆は合わなかった。渋くて苦いという印象だけが残ったとか。 しかし戦争特需により、十勝の小豆生産者は大儲けに成功。借金を返し、故郷に錦を飾った農家さえいた。 小樽には20件以上の工場が立ち並び、雇われた女工は一時期約6000名に上ったとされる。 北海道初の衆議員こと高橋直治は、第一次世界大戦で小豆の特需が来る事を先読みし、国内の小豆を買い占める。やがて戦火が激しくなると、 倉庫に備蓄した13万俵を一気に売却。1俵17円の高値を付け、ロンドン市場を揺るがした。彼の名は世界的に轟き、「小豆将軍」の異名が付いた。 この様子は「豆成金」と呼ばれ、好景気は1915年から1935年まで続いた。 とはいえ全員が成功した訳ではなく、一夜で資産を傾ける者がいた一方、千金を得る者など千差万別であった。 この頃からアズキくんは大人気で、臣民の運命を握る鍵だったのである。 しかし、小豆特需は長く続かなかった。昭和初期に入ると、船舶の大型化によって海運が発達。拠点だった小樽港も 大規模な改装工事を受けざるを得なくなり、工場は不活発化。数多く居た女工も次々に辞めていき、衰退の一途を辿る。 小樽の繁栄は、現地の住民にさえ忘れられるほどの過去の話になってしまった。 そして特需の終焉は、後の大東亜戦争に暗い影を落とす事になる。 本作のアズキが着ている大正時代を彷彿させる和服はその時代を参考にした可能性がある。 戦前から小豆は大豆に次いで栽培面積が広く、伝統ある食材として生活必需品であった。 また、お汁粉は軍民ともに大人気で、特に子供からの人気が強かった。 1934年12月、森永製菓は茹で小豆の缶詰めを作る事に成功。1つ35銭也。これまでは生産困難とされていたが、 缶詰め化が成功した事で、後の戦争では前線の将兵に向けて送られた。彼らから絶大な支持を得られたのは言うまでも無い。 帝國海軍の顔とも言うべき航空母艦赤城では、乾パンの小倉煮なるスイーツが考案され、 1935年の料理コンテストに出品されている。ふやかした乾パンに砂糖と小豆を混ぜた料理だとか。 海軍の艦艇に積載される補給物資には小豆も含まれており、厳しい戦闘や航海、訓練の慰めとなった。 世界恐慌により絶望的な不景気が始まると雇用対策として、満州国への開拓団が編成された。日本本土から500万人規模の移民が行われ、 満州は穀倉地帯となった。かの地は大変肥沃で、小豆を植えると驚くほど沢山取れたという。 満州で収穫された小豆は内地へと輸送され、厳しい食糧事情を支える柱となった。 帝國海軍では、入港した際にぜんざい(通称入港ぜんざい)が振る舞われた。貴重な砂糖と小豆を使った ぜんざいは乗組員の心と舌を癒した。このぜんざいには、無事に帰って来られた事を祝う意味合いも含まれている。 佐世保近郊の店では、戦艦武蔵の入港ぜんざいというレトルト商品が販売されている。 臣民や軍人からもアズキは愛されていたのだ。 1937年6月に支那事変が勃発すると、いよいよ国内も戦争色に染まり始めた。同年9月10日、「雑穀類配給統制規制」が公布。 小豆を含む豆類が制限される、最初の規制が始まった。 大日本帝國陸軍が制定している昭和12年版・軍隊調理法に、小豆飯が新たに加わった。主食として屋内用に出されたとか。 翌1938年4月からは国家総動員法が発令された。それに伴って、毎月1日の朝は小豆ご飯を食べるようになったという。 戦争が泥沼化する1940年11月14日、政府は食糧を確保すべく二度目の雑穀配給統制規則を公布。更なる制限が課せられ、 自由に売買する事が出来なくなってしまった。 1941年12月8日、大東亜戦争が勃発。敵味方を逆にして、日本は世界大戦に参戦する。 1942年2月15日に英シンガポール要塞が陥落すると、三日後に日比谷公園で大東亜戦争戦捷第1次祝賀国民大会が 開催され、小豆を始めとする貴重品が振る舞われたという。開戦劈頭は優勢だった事もあり、 制限はされつつも小豆を入手する事が出来た(1941年10月4日から小豆の配給統制が始まっていたとする説がある)。 しかし戦況が悪化するにつれ、物資が欠乏。枢軸国が不利になり始める1943年からは 配給制となり、砂糖ともども入手が困難になってしまった。 当時、日本の統治領だった台湾には捨てるほど砂糖があった(内地へ輸送できるとは言ってない)が、小豆は品薄だった。 元々小豆は不急の作物として生産が後回しにされており、それが戦中の欠乏を後押ししてしまった。 小豆がまともに入手できなくなった事すらあったという。このため代用品にと、ササゲが用いられた事があった。 第一次世界大戦の頃とは違い、小豆の輸出は全く行われなかった。対米英で総力戦だった事と、同盟国である独伊へのルートが 全て連合軍によって閉ざされていたからである。遣独潜水艦作戦?しらなーい(へったくそな海上護衛) そもそも、主な産地であるハンガリーやルーマニアが枢軸国側(味方)だったりする。 また1943年から菓子製造に企業整備令が発布され、モナカといった菓子が国内から姿を消す。アズキの実家こわれる。 息子や父等が召集令状により徴兵された時、出兵を祝ってお赤飯が振る舞われた。 北海道土地改良5ヶ年計画により食糧の増産が試みられたが、その波は十勝まで届かず、小豆の増産は叶わなかった。 一方、満州国は生産地だけあって小豆には困らなかった。本土よりも豊かな暮らしが出来たとも言われる。 限られた小豆を集めてきた小学生達は、それを慰問袋に詰めて、最前線の兵士たちに送った。小豆以外にも様々な食糧が送られたが、 一番喜ばれたのは茹で小豆だった。皇軍兵士にも人気なアズキくんなのでした。 しかし補給線が脅かされていたため、全部が全部届く事は無かった。一人一個の慰問袋ならまだしも、三人に一個とか、酷い時には一個分隊に一個という有様だった。 こういう時は中身を取り出し、くじ引きで分け合ったとか。 餡子を型に流し込み、寒天で固められた羊かんも慰問袋に入れられた。これは福島県二本松市の和菓子店「玉嶋屋」が 帝國陸軍の指示を受けて開発した特製の羊かんだった。羊かんは腐る事が無く、保存食には打ってつけだった。 蛇足だが、1943年12月に発生したヒカリゴケ事件は、根室港から小豆の集積拠点である小樽港へ回航される道中で始まった。 荒天に見舞われ、第五清進丸は小樽港へ辿り着く事が出来なかった。そして……。 内地の母親たちは死に物狂いで小豆をかき集め、お手玉にして疎開先へと送った。 お手玉の中身が小豆に変わったのは、1944年に入ってからだと言われている。 送られたお手玉は子供の遊び道具となったのち、中身を取り出して食べられた。 しかしこれは非常食代わりだったという。疎開先でもひもじい思いをしていた児童は すぐに食べてしまう事が多かった。全員が全員小豆を入れてもらえる訳ではなく、小石で代用された学童もいた。 疎開先によっては、砂糖をまぶした小豆が振る舞われた場所もあり、幸運な児童は貴重品にありつく事が出来た。 小豆の数が乏しかったため赤飯を作る事が出来ず、代用品のラッキョを乗せたご飯が食された。ラッキョを食べると焼夷弾の被害から逃れられるという 迷信も普及の後押しをした。 満州国から送られてくる雑穀の中に小豆があり、僅かながら供給はされていた。 帝國海軍も日本海側のシーレーンを防衛すべく6000個もの機雷を敷設し、補給路の維持に腐心した。 だがそれも、1945年4月から行われた米軍の飢餓作戦により補給路が切断。 いよいよ小豆は幻の存在となってしまう。東京大空襲で備蓄も焼けてしまい、入手は困難を極めた。 6月28日、帝國陸海軍は日号作戦を発動。朝鮮の港から小豆といった雑穀(戦略物資と呼称)を強引に輸送する賭けに出た。 船舶の絶対数不足、陸揚げ能力の不足、加えて米軍の妨害もあったが95万トン以上の物資を輸送する事に成功。 一方、7月14日から3日間、北海道も攻撃を受けた。小豆の産地だった小樽も攻撃対象になり、空襲から銃撃、艦砲射撃まで手酷くやられた。 停泊中の海防艦や漁船が犠牲となり、市街地や港湾に被害が出た。迎撃機や対空砲による反撃で何機かは撃墜したものの、軍民合わせて37名が死亡。 戦時中、小樽には陸軍の輸送基地が置かれ、千島や樺太に物資を送る拠点となっていた。 同じく小豆の産地である十勝も米艦載機の襲撃を受ける。2日間に渡って銃撃を受け、臣民60名が死亡。 特に本別町への空襲が激しく、50分もの間、激しく銃撃されたという。全焼した家屋は279戸、けが人は14名、罹災者は1915名に上った。 ちなみに本別への激しい攻撃は、帯広への攻撃と間違った事による。臣民への銃撃はNGで……。 同時期、千葉県銚子市が空襲を受け、焼け野原となった。缶詰め工場が集中していたため、生き残った子供達は焼け跡から小豆の缶詰めを拾い集めた。 その後も朝鮮からの輸送作戦は続いたが、日本海は米軍によって機雷封鎖され、8月9日のソ連参戦に伴って輸送作戦は頓挫。間もなく終戦を迎えた。 特攻隊への入隊や出撃前には、赤飯が振る舞われた。保存食にも赤飯が用いられており、現存しているものもある。 ちなみにその保存食は小豆島(しょうどしま)から発見されている。小豆……。 終戦の日である1945年8月15日まで赤飯が提供されていたという。 小豆島には1944年8月頃に陸海軍の水上特攻隊の基地が設営されたが、工事は難航。それでも1945年5月2日に小豆島突撃隊が編成された。 現地の工場には隊員のものと思われる遺言が発見されている。 特殊潜航艇蛟竜の出撃基地もあったが、肝心な蛟竜が11隻しかなかったため訓練用に充てられた機体が無かった。 小豆島は香川県に属する田舎の島だったため、大規模な爆撃は受けなかった。しかし艦載機による銃撃はあったという。 1945年8月9日、地平線まで埋め尽くすソ連軍が満州国に侵攻。現地には155万人の開拓移民が取り残されていたが、 民を守るはずの関東軍は南方戦線へ戦力を抽出されまくっており、既に形骸化していた。 それでも関東軍第124師団は小豆山(ソ連軍の砲撃で真っ赤に燃え上がった事から現地の人は火焼山と呼ぶ)に戦闘指揮所を置き、 十倍以上の敵を相手に勇戦。15cmカノン砲一門による砲撃でソ連軍の戦車を数十輌大破炎上せしめる。 壊滅寸前まで追いやられるも、玉音放送が流れる時まで防衛ラインを死守する活躍を見せ、20万人の移民を守りきった。 しかし、さしものアズキも連合軍を餡子みたく練り上げる事は出来なかったようだ。 終戦後、闇市では残飯シチューなる食べ物が流行った。総力戦に敗れた日本は荒廃し、食料が少なかった。 進駐軍の残飯に、かろうじて残っていた小豆やらマッシュルームやらモロコシやらを入れて煮込んだ代物である。 「美味しい」という感想から「食べられた物じゃない」という感想まで千差万別だったが、これを食べて人々は命を繋いだ。 昭和20年の日本は3000万石の生産高しかなく、7000万人の臣民を養うにはとても足りない状況だった。 そこで政府はGHQの力を借り、米や豆類の供出・流出を厳しく統制。一時は食糧メーデーという暴動まで発生した。 アズキくんのレア度は金どころか虹レベルだった! 原爆の投下から一ヶ月あまりが経過した、終戦後の9月17日。広島地区に暴風雨が襲来し、追い討ちをかけた。10月8日にも集中豪雨が襲い、 敗戦で身も心も満身創痍な臣民を痛めつけた。この事態に対し、戸坂に疎開して難を逃れた軍需用の米や小豆が放出され、急場を凌ぐ事が出来た。 北海道から船路で引き揚げてきた者が小豆を大量に持って帰ってきてくれたが、それでも数は全然足りなかった。 小豆が容易に手に入らなくなったため、甘納豆を使った赤飯の代用品が編み出され、ラジオで広く宣伝された。 小豆の生育は気象条件に左右され、年々生産量が乱高下する事から投資の対象となった。 凶作時には凌雲の如く価格が暴騰し、&color(#96514d){''赤いダイヤ''};と呼ばれた事も。 アズキが宝石を好むのはこれが理由なのかもしれない。 ハイリスクハイリターンな事から、生糸と並んで「素人は手を出すな」と言われていた。アズキはお高い女だった・・・? 急激な増産は連作を強要し、落葉病による被害が発生。一時は生産を縮小する事もあったという。 このため耕地を確保するべく、水田で小豆を栽培。不足していた畑の供給分を補った。 供給が安定し、配給制が打ち切られたのは1951年の事だった。自由に売買が出来るようになり、1952年10月には大阪と東京で 雑穀商品取引所が開所。赤いダイヤの異名を持つ小豆は、先物取引の対象にもなった。 ところが1953年及び翌1954年、北海道で小豆が大凶作に見舞われる。外貨不足で輸入も出来ず、価格が高騰した。 60kg1万590円の高値を付けた時もあったという。1955年、平均をやや上回る収穫量が得られたため次第に値段は下がっていった。 #endregion #region(''アズキと神話・宗教''COLOR(white){_}) アズキは神話にも度々登場する。奈良時代初期の書物『古事記』に初めてアズキの名が記載された。 『古事記』には穀物・食物・蚕の女神である大気都比売神(おほげつひめ)が殺された際、その鼻から小豆が生じたとされる。 これが五穀の始まりとされ、これらの種子は神産巣日神(かみむすび)によって、国中に広がっていった。 ちなみに殺されたのは、空腹で困っているスサノオが農業の神様オホゲツヒメの家へと転がり込んだ時だった。 突然やってきたスサノオを邪険にせず、食べ物を振る舞うオホゲツヒメ。ご飯にありつき、満足したスサノオだったが 何故こんなにも食べ物があるのかと不審に思い、台所へ向かったところ、鼻や口や尻から食べ物を出しているオホゲツヒメの姿が。 「汚い物を食べさせやがって!」と激昂したスサノオが、彼女を斬り殺してしまった。恩を仇で返す畜生の鑑。 この狼藉にブチ切れた神々はスサノオを高天原から追放し、中つ国に追いやったとされる。 イザナギ、イザナミの二神が国生みをした時、10番目に造られた国が阿豆枳辞摩(あずきじま。現在の小豆島)である。 この時点で既に小豆が存在していた事が窺える。同島が小豆の産地だったため、このような名前が付けられたとする説がある。 阿豆枳辞摩が現在の呼び名である小豆島になったのは鎌倉時代中期とされている。 『日本書紀』でも同様に食物の神である保食神(うけもち)が殺された際、保食神の亡骸の陰部から麦・大豆・小豆が生まれたとされる。 ウケモチを殺したのは月読(ツキヨミ)で、殺害までの経緯は上述のスサノオと同一。ゲゲル感覚で殺害が横行しているようだ。 この狼藉に激怒した天照大神は月読と絶縁し、別れた事で昼夜の概念が誕生したと言われる。 ちなみに日本書紀では阿豆枳辞摩の事が書かれていない。何でだ。 また、COLOR(red){赤色}は五行において邪気を祓う「火」、または太陽や血など「生命」を象徴する色であることから、赤く熟したアズキには魔除けの力があると信じられてきた。 祝事や季節の変わり目、生活の節目に厄除けとしてアズキを食べるのもこのため。 地方によっては御九日(みくにち)という風習がある。これは9月の9日、19日、29日に秋の収穫祭を行い、小豆粥を炊いて祝うというものである。 祭礼で作る料理の事を三九日粥と言い、東北から長野県に至る地方では、これにナスを付け加える。 また厄年に当たる男女は、厄除け用の餡子入り和菓子を周囲の人々に配って、いざという時に助けて貰うという風習が残っている。 地域によっては饅頭だったり、餡子餅だったりするが、いずれも小豆が使用された菓子である。 節分の時にも厄除けと称して、ぜんざいを配る事がある。小豆の魔除けパワーにあやかっての慣わしなのは言うまでも無い。 他人にぜんざいを振る舞う事で徳を積み、同時にぜんざいともども厄を平らげて貰うという意味が込められているとの事。 美味しく食べて厄除けをするのが趣旨なので、お返しは要らないとか。 古くから小豆には厄除けの力があると信じられていたが、やがて現代のように災厄を一身に引き受ける万能食物という考えが誕生する。 その起源は江戸や京都、大阪といった都市部であった。 長野県長野市の高岡地区では、1月15日に日待(ひまち)占いの一環として小豆焼きが行われる。 小豆の回り方で、道祖神や専達三嶋神社の御機嫌を伺い、時勢や農作物の豊凶、風や水の有無と言った35項目を占うという。 正式な占いが終わった後は、余興として勉学や縁談の占いをする。江戸時代から続いてきた小豆焼きだが、今ではこの高岡地区でのみ受け継がれている。 小正月には小豆粥を食べて魔を祓う考えは、中国から入ってきたとされ、平安時代には既に実践されていた。 この時、粥をかき混ぜるのに使った棒で女性の臀部を殴ると子宝に恵まれ、男子を安産する御利益に預かれる。 鎌倉時代からは、小正月の日に各地の神社で小豆粥が作られ、その占い結果を農家に知らせる行事が行われた。 熱いからと言って口で吹く事は「風が吹く」と言って、忌避される。このため熱くても我慢して食べなくてはならなかった。 密教の秘法、護摩供では本尊不動明王を初めとする諸仏に五穀を供える作法があり、ここでも小豆が使われている。 不動明王の口を模した護摩壇の釜の中に、供物を投じて修法するのである。 地鎮式の際、土地の神様へのお供え物として五穀を穴の中に埋めるという作法があり、土着の宗教に深く結びついている事が窺える。 浄土真宗の開祖こと親鸞聖人も小豆を愛したとされ、東本願寺では春の法要の際に、「あずきフェスタ」と称した催しが開催される。 他にも報恩講では、小豆粥や小豆ごはんを振る舞うのが通例としている。 親鸞聖人に縁がある越中五箇山には、小豆が入った味噌汁「あずきお漬け」が綿々と伝わっている。 食した人の感想によると、デザート感覚で食べられるという。 西暦809年、唐から帰国した真言宗の開祖・空海は、密教の秘法とともに小豆の種を持ち帰ってきた。 これを山城国の小倉山近辺に植えて栽培。後年、和三郎という菓子職人が砂糖を混ぜ、御所に献上した事が小倉あんの発祥と言われている。 品種改良や産地が移動した事で小倉大納言小豆は数を減らしたが、江戸時代に入ると再び栽培されるようになったという。 その後、弘法大師空海は日本各地を旅する。蓬沢の村という場所で托鉢を行っていた空海は、ある民家に「小豆を分けて貰えないか」とお願いする。 しかし民家の母親は「うちの小豆は石小豆と言って、石のように硬くて食べられない」と拒否。どうやら小豆を渡したくなかったようだ。 それでも良いから恵んでくれと空海は言うが、取り合わない。渋々空海は引き下がり、去っていった。その後、その家では本当に硬い小豆しか採れなくなった。 一方、安房地方にある神余の畑中(かなまりのはたなか)という部落では、こんな伝承が残っている。 大同3年11月24日、弘法大師がやってきて食べ物を求めたので、美和女(びわじょ)という婦人はちょうど作ってあった小豆粥を与えた。 その小豆粥に塩気が無い事に気付いた空海は、不審に思った。理由を聞くと、家が貧乏で塩が買えないとの事。不憫に思った空海は川の岸に下りて、 手に持つ錫杖で地面を刺す。しばし祈念したのち、それを抜くと穴から水が迸った。その水は嘗めて見ると真塩で、塩問題が一気に解決したという。 高野山に向かう弘法大師が道すがら立ち寄った寺が、奈良県五條市二見町にある。生蓮寺と呼ばれるこの寺では地蔵菩薩を祀っており、 その地蔵に小豆を供えると雨が止むと言われている。 お彼岸と言えば、牡丹餅や御萩を食べる習慣がある。彼岸は日本仏教特有の法事だが、元々は日願という神道の催しだった。 植え付けを行う春に豊作を願い、秋の収穫の際には太陽に感謝する。これが春と秋の彼岸の由来である。 古来より小豆には魔除けの力があると信じられたため、作物の米と混ぜ合わせて牡丹餅及び御萩を作り出したのである。 古くから存在する小豆は、その名が地名になったり、妖怪の名に使われたりする事が多かった。大分県に伝わる妖怪・小豆洗いが最もたるものだろう。 全国的に伝承が残っており、山梨県では古い橋の下に現れると信じられている。遠野地方では、実際に小豆を洗ったとする川まであるとか。 遠野物語にも小豆の化け物が出現したとの記載がある。物見山の山中で、小豆をまとった未確認生命体が出現し、侍が鉄砲で撃ったものの逃げられたという。 以降、その場所は小豆平と呼ばれるようになり、狩人の間では鉄砲を撃っても当たらないと語られるようになった。 小豆洗いの亜種として、小豆婆という妖怪も伝承が残っている。主に宮城県から関東地方にかけて伝承が残っており、地域によって怪異の内容が異なる。 #endregion #region(''アズキの刀''COLOR(white){_}) 戦国時代、小豆長光(あずきながみつ)という刀が存在した。袋から零れ落ちた小豆が刀身に当たって真っ二つに割れた事からその名が付いた。 本作のアズキが刀を振るう設定は、ここから来ているかもしれない。ちなみに後世の研究で、刀身に当たっただけでは 小豆は割れないという身も蓋も無い結果が弾き出されている。 刀の試し切りで、死体の頭を縦に斬る事を小豆割りと言われており、これと混同した可能性がある。ちなみに脳や脳髄の事を古語でナズキと言い、 これが訛ってアズキになったと言われている。こわい。 小豆長光は上杉謙信公の手に渡り、川中島の戦い第四戦で使用されたという。謙信公と武田信玄との一騎打ちで振るわれ、 彼の軍配を傷つけた名刀として記録されている。 反論として謙信公の愛刀は「赤小豆粥(あずきがゆ)」と呼ばれており、これと名前が混同されただけで、 小豆長光は全く別の名を冠していたとする意見もある。これもうわかんねぇな。 その後、豊臣秀吉の手に渡ったが、大阪城落城の際に行方不明に。業物だったため徳川方は、提出した者に金300枚を出す条件を提示して捜索したが、 見つからなかった。 一方、異説として江戸時代まで上杉家に保管されていたとするものがある。しかし明治維新の際に行方不明になってしまった。 アズキの得物である刀は、柄の部分が小豆長光にそっくりである。かの名刀は103cmの刀身だが、アズキの得物の長さは不明である。 小豆長光の名を冠する刀は一振りだけでなく、蜂須賀家が所有していた物も存在する。 アズキの得物は刀ではあるが、キャラクタークエストでは「鉈」と表現されている。実際、先端が丸い形を帯びている。 前述のとおり、丹波地方の小豆は「大納言小豆」と呼ばれている。この地方で採れた小豆は湯がいても腹(種皮)が割れない事から、切腹の習慣が無い官職である大納言の名が付けられた。 腹を切る必要が無いという点を取り入れた結果、完全な刀にしなかったと推測される。 その刀を収める鞘は、必笑だんご剣みたいな変な形をしているが、これは小豆の種が入ったサヤを表している。 #endregion #region(''アズキ、脚気と戦う''COLOR(white){_}) 脚気(かっけ)とは、ビタミンB1の欠乏によって引き起こされる欠乏症の一つである。最悪の場合、死に至るというケースもあった。 恐ろしい事に脚気が流行し始めた明治時代初期では原因不明とされ、臣民は成す術なく脚気に殺されていったのである。 脚気の流行は、食生活が麦飯から白米に変わって行った事、欧米化によって小豆を食べなくなっていった事に起因する。 白米は主に将軍家や富裕層が食べたので、高貴な身分の患者が続出した。 脚気の歴史は古く、日本書紀には既にその存在が記載されていた。江戸時代(元禄)にも流行し、主に江戸で罹患者が大量発生した事から「江戸患い」という名前で呼ばれた。 そして1870年。明治3年、欧州からの支配から逃れるために軍国化を突き進んでいた時代にも脚気が猛威を振るった。 毎年6500名以上の死者が発生し、それでいて原因不明とされたため国体そのものを揺るがす大問題に発展した。 この問題には陸軍と海軍の軍医が対応。イギリスやドイツの医学を参考にし、決死の覚悟で解決策を模索した。 様々な仮説が打ち立てられたが、新説を受け入れられない医学会の頑迷さによって被害は拡大。結核と並んで二大国民病と恐れられた。 戦わずして兵士がバタバタと倒れている光景は、新生陸海軍にとって滅亡を彷彿させる緊急事態だった。 海軍の軍医こと高木兼寛はビタミンの欠乏が原因ではないかと勘付く。西洋式の食事を摂る士官には脚気の患者が少なく、 逆に日本式で白米と副食に乏しい食事を摂る水兵に患者が多かった事から、栄養に何か問題があると睨んだのである。 1884年(明治17年)、軍艦筑波を舞台に食生活を西洋式に統一したところ、脚気患者が一人も出なくなった。 これで栄養障害説を確信した高木軍医は、下士官の食事を麦飯に変えて脚気から守った。 一方、陸軍の軍医長こと森鴎外は科学的根拠が無いとして麦飯を否定。海軍の医学はイギリスを、陸軍の医学はドイツを参考にしていたのと、 陸海軍の仲の悪さから認められなかったものと思われる。おかげで対策が見つかったにも関わらず脚気の被害は収まらなかった。 その間に日露戦争が行われ、戦死者は約4万7000人に上った。この中には脚気による死者も相当入っていた。 1908年、脚気の原因究明を目的とした臨時脚気病調査会が創設。国費と一流の研究者を投じ、1924年にビタミン欠乏説が確定。 ようやく脚気の原因を突き止めた事で、1932年にビタミン剤が開発される。こうして死者数は次第に押さえられていった。 しかし依然として脚気は臣民を脅かす病気として認知され続けた。原因は、ビタミン剤が高価なのと 発症後ではビタミンの吸収が難しく、治療が困難だった事が挙げられる。 開国して間もない日本を襲った病魔。国も軍も後手に回る中、一つの光が差し込んだ。それが小豆だった。 ビタミンの存在が確立されていなかった頃から、臣民や医者たちは経験則で小豆を投与していたのである。 脚気が猛威を振るっていた中でも、小豆を食べていた囚人たちは環境面・栄養面ともに劣悪ながら脚気患者は極めて少なかった。 これに着目した大阪陸軍病院長の堀内利国一等軍医正は、実験の末に脚気の発症率を大幅に下げる事に成功。 頑迷な中央部とは対照的に次々と結果を上げて、ついに陸軍もビタミン欠乏説を採った。 小豆の供給が安定し始める1952年頃には脚気はほぼ駆逐された。アズキくん強い。 #endregion #region(''アズキに関連するキャラクター達''COLOR(white){_}) 余談だが、かの有名なアンパンマンの中身はつぶあんだという。作者のやなせたかし氏曰く、非常に栄養価が高い餡子のようだが製法は謎との事。 偶然出来た物らしく、その製法はジャムおじさんですら分からないという。何だこれは。 アンパンマンは餡子がエネルギー源のため、食事の必要も無いとか。 蛇足だが、アンパンマンワールドには「あずきういろう」というキャラがいる。何故、男なんだ。 餡子に使われる小豆は、まめおじさんという豆農家が栽培しているという。 あずきバーで有名な井村屋製菓株式会社は、毎月1日を小豆の日に制定している。 古来から1日と15日には小豆ご飯を食べていた事と、小豆の健康効果を広めたいという考えから制定に至ったとか。 同時に「あずきキングダム」なるキャラクターたちを考案している。コラボ不可避。 アズキと言えば、女性の名前に使われる事が多い。他作品やゲームでも、女性キャラクターの名前として使われている。 シナモロールのキャラクターでも、あずさの読み間違いでもなく、アズキはアズキである。 2009年、兵庫県姫路市に「あずきミュージアム」という博物館がオープンした。アズキをテーマにした世界初の施設である。 マスコットキャラクターは、あずきさんと豆太郎と豆次郎の三姉弟。あずきさんだけ雌個体のようだ。 時間のある方は、足を運んでみてはいかがだろうか。 #endregion //region内表整形用 |BGCOLOR(white):2048|c | | #endregion #region(''ボイス''COLOR(white){_}) |>|~図鑑収録ボイス| |~シーン|~セリフ| |初登場|これからよろしく、団長。&br;わたしは和菓子店の看板娘兼、花騎士のアズキです♪&br;お近づきの記念に、うちの餡子を食べてみて!&br;何にでも合って美味しいから……。えへへ、気に入ったら宣伝もよろしくね♪| |戦闘開始①|餡子みたく練り上げちゃうよー!| |汎用(喜)|まいどありー♪| |戦闘開始②|わたしなりに頑張る!| |攻撃①|やぁっ!| |攻撃②|それっ!| |汎用(哀)|うちの餡子…気に入らなかった?| |戦闘スキル①|本気出すえー!| |戦闘スキル②|通してもらうよ!| //|戦闘スキル③(開花)|| //|戦闘スキル④(開花)|| |汎用(怒)|そういうのは、嫌いかな| |被ダメージ|ちょっと!?| |被ダメージ(致命傷)|傷はNGで…| |戦闘不能|ごめん、少し休むね…| |汎用(楽)|特製餡子はいかがかな?| |戦闘勝利①通常|帰ったらお店手伝わないと| |戦闘勝利②辛勝|疲れたときは、うちの餡子に限るな~| |ログイン時①|今日も花騎士の任務とお店の呼び込み、張り切ってやるよー!&br;えへっ、どっちも全力でちゃんと両立させるから。頑張る看板娘を応援しててね、団長| |戦闘勝利③快勝|強さの秘訣、特製の餡子はいかがかな?| |敵を倒せなかった時①|あー、ははは、失敗しちゃったか| |敵を倒せなかった時②|おおっと、まだ元気みたい| |ログイン時②|これから、実家の方を見に行こうって思うんだ。団長も一緒に来ない?&br;それでついでに何個かお土産に買ってってよ。日頃お世話になってる分、お代は安くするからさ♪| |敵を倒した時①|おしまいっと!| |敵を倒した時②|大した敵じゃなかったね| |ログイン時③|あっ、おかえりなさーい。頑張りすぎて疲れたら、わたしに声かけて。&br;看板娘の接待付きでうちの商品食べさせてあげるよ。| |ステージ発見|連戦になりそう?それなら甘い物でも食べて、疲れをとらないと。&br;ここに看板娘おすすめの餡子があります、御一つどうぞ♪| |宝箱|餡子食べる?| |会話①&br;(好感度0~29%)|看板娘として働いてたんだけど、お店を継ぐのに何か特別なことをしたいって思ったの。&br;私にできる宣伝はないかなーって考えて、目をつけたのが花騎士だったんだ。| |パーティメンバーに選出①|声かけてもらって嬉しいなー、感謝の証に餡子をあげるね♪| |パーティメンバーに選出②|看板娘がお供しましょー!ふふっー、良い宣伝ができそうな予感♪| |装備変更|えへへっ、わたしに、似合ってるかな?| |会話②&br;(好感度30~74%)|花騎士として戦うお店の看板娘!絶対注目を引くって思ったんだ~。&br;ネームバリューの他に、お友達になった花騎士さんにも宣伝できる。&br;ふふふっ、我ながらスキのない売り込み術だよねー。| |レベルアップ|わたし、パワーアーップ!そして、餡子の宣伝力もアーップ!| |進化|看板娘と花騎士の両立、ちゃんとできてるのは団長がいるからだよ。&br;どんどん成長する私の姿、これからも見守っててほしいな。| //|開花|| |1日1回無料ガチャがプレイ可能|これは、新しい顧客を得るチャンス!宣伝って凄く重要だからね~&br;団長、花騎士さんをすぐに呼んでほしいな。| |マイページ汎用①|わたしってたまに相手を傷つけることを言っちゃうみたい。&br;悪気なんてないから自分では気付かないんだけど… そういうところ、直した方がいいよね。| |会話③&br;(好感度75~100%)|看板娘としてあまり贔屓は良くないんだけど…。団長にはたくさん宣伝しちゃう。&br;もしかしたら、うちのお店の味を覚えさせたいのかも。そうしたら将来、わたしと一緒にお店を継げるかな。| |マイページ汎用②|お店の看板娘として営業戦略には手を抜けないかな。&br;普段餡子を持ち歩いているのだって、たくさんの人にうちの味を知ってもらうためだから。| |スタミナが全回復している状態|おやおや団長、元気いっぱいになったみたいだね。きっと看板娘自慢の餡子が体調回復につながったんだ。&br;気に入ったら実家に買いに来てね、サービスしちゃうからさ♪えへへっ| |マイページ汎用③|[[ハギ]]ちゃんとは知り合いだよ。あの子、うちのお店の常連さんだから。&br;たまに悩みとかも聞いてあげたりして、なんだか放っておけないんだよね。| |マイページ放置|団長が忙しいなら花騎士のお友達にお店の宣伝してくるね。&br;そういう地道な活動が商売繁盛に繋がるからさ♪| |贈り物プレゼント時①|看板娘にプレゼント?こういうのは、普段受け取らないようにしてるんだけど……&br;団長からのは欲しいかも……。うん!ありがたく頂戴します♪| |贈り物プレゼント時②|すごい……贈り物って、こんなに嬉しく感じるものなんだ。団長に会うまで、知らなかったな。&br;これはとっておきのお礼、考えておかないと。| |移動開始時①|お店の宣伝しながら進もっと♪| |移動開始時②|餡子を食べながら、しゅっぱーつ!| |タイトルコール&br;(オプションのVOICEをON時)|フラワーナイトガール| |ログインボーナス|皆のためにたくさん頑張る団長。&br;そういう努力してる人って、わたし好きだから……はい、これ!&br;団長の役に立つかなって用意してきた。&br;ついでに試食品の餡子も付けといたよ♪| //|マイページ汎用④(開花)|| //|マイページ汎用⑤(開花)|| //|マイページ汎用⑥(開花)|| //|会話④|| //|会話⑤|| //|会話⑥|| |>|~図鑑未収録ボイス| |害虫の巣パネル通過時|餡子が駄目になるよー!| |>|~期間限定(季節)ボイス| |【期間限定】お正月①|お雑煮にうちの餡子を入れるとすっごく美味しいから食べてみて。自慢の一品だから気に入ってくれると思うな。| |【期間限定】お正月②|新年、あけましておめでとうー!今年もたくさん実家の宣伝頑張るぞー!団長も応援しててね。| //|【期間限定】お正月③|| |【期間限定】バレンタイン①|チョコレートは作り慣れてないけど、ちゃんと用意してきたよ。もっと美味しくなるように餡子を付けてっと…&br;はいっ、これでバッチリ!遠慮しないで、どうぞ召し上がれ。| |【期間限定】バレンタイン②|バレンタインは餡子の売上が伸び辛いんだよねー。チョコレートだけじゃなくて、たまには最中でもいいと思わない?&br;花騎士のお友達に話したら、うちの商品買ってくれるかなぁ…| //|【期間限定】バレンタイン③|| |【期間限定】ホワイトデー①|えへへっ、ちゃんとお返し用意してくれたんだ。こんなにドキドキして嬉しくなるなんて…&br;予想以上だよ!おかげで花騎士のお仕事も実家の手伝いも、いつもより元気に頑張れそう!| |【期間限定】ホワイトデー②|はいこれ、特製餡子の試食品だよ。花騎士さんにお返しに行くとき一緒に渡してほしいんだ。&br;実家の味を広められるチャンスは見逃さないよ~!これも立派な営業戦略!| //|【期間限定】ホワイトデー③|| |【期間限定】春①|春一番の中だって看板娘は頑張らないと!&br;わたしが元気に宣伝してるとお客さんにも応援してもらえるし、商品もたくさん売れちゃうんだよね~| |【期間限定】春②|眠いなら看板娘の膝を貸してあげようか?うふふっ、お礼なんか別にいいって。その代わり…今後とも私とうちのお店をご贔屓に♪| |【期間限定】春③|みんなでピクニックとか行きたいね~ 外も暖かくなったし楽しく過ごせそうだもん。&br;もちろんおやつタイムにはご提供!しかも、無料で!すっごく行きたくなったでしょ?ね!ね!| |【期間限定】七夕①|七夕でも実家の手伝いだけど、それが終わったら街まで短冊を見に行こうよ!&br;団長とデートすれば、仕事の疲れなんてどっかいっちゃうからさ。| |【期間限定】七夕②|「実家がいつまでも繁盛しますように」って短冊には書いたけどさ、お願いに頼るだけじゃダメだよね。&br;わたし自身の力でも、ちゃーんとお店を盛り上げていかないと、看板娘として恥ずかしいもん。| //|【期間限定】七夕③|| |【期間限定】七夕④|七夕の夜空をイメージした、お茶菓子はいかがかな?&br;見た目もすごくきれいで、星を眺めながら食べるのにぴったり。&br;看板娘のイチオシ商品!お買い得だよ、団長。| |【期間限定】夏①|団長と一緒にお祭り行きたいな~ え?しょ、商品の宣伝が目的じゃないってば!今日は本当に団長と遊び行きたいの~。| |【期間限定】夏②|肝試し?おばけなんて本当にいるわけないからな~楽しさがあまりわからないかも。納涼っぽいことなら別の方法を考えてみよう?| //|【期間限定】夏③|| |【期間限定】夏④|夏祭りで花火やるんだって。一緒に見に行こうよ。私、団長と出掛ける用の浴衣、ちゃんと買ってあるんだよね。&br;良い機会だし、似合うかどうか感想とか聞いておきたいなって。| |【期間限定】お月見①|月見団子には餡子が必須だと思うな。包んでよし、付けて食べるのもよし。&br;お月見に外せない一品にするなら、餡子なしなんてありえないよ。| |【期間限定】お月見②|お月見するならハギちゃんも誘おう?団長とハギちゃんは二人とも常連さんだし。&br;うちのお店から出る秋の新作、一足先に試食させてあげるよ。| //|【期間限定】お月見③|| //|【期間限定】お月見④|| |【期間限定】秋①|おすすめの本あれば教えてほしいな。お得意様の趣向を知っておくのはとっても大切。&br;どんなことでも把握しておかないと。| |【期間限定】秋②|お腹空いてそうな団長に、美味しい餡子をおすそ分け。あ、でもこれじゃ足りない?食欲の秋だし、もっと欲しいかな~?&br;だったら!うちのお店にご招待~!そこでならお腹い~っぱい食べさせてあげられるよ。| //|【期間限定】秋③|| //|【期間限定】秋④|| |【期間限定】ハロウィン①|今日はハロウィン!さっそくトリックオアトリートだー!わたしはお菓子じゃなくて餡子を配っていこう~っと。&br;うふふ~実家の味を知ってもらえるせっかくの機会、張り切っちゃうぞ―!| |【期間限定】ハロウィン②|今日は街の方まで遊び行こうか。みんなにお菓子を配りながら、いろんな仮装見て回っちゃおうよ。| //|【期間限定】ハロウィン③|| //|【期間限定】ハロウィン④|| |【期間限定】冬①|ちょっと、くっついてもいい?冬は肌寒くってさ~。寒いときは人肌がいいってよく言うから。&br;よいしょっと。えへへ、やっぱりギュッとすると暖かいなあ…| |【期間限定】冬②|外から帰ったら部屋で温かいお茶でも飲もう。たしかお茶菓子の詰め合わせもあったような…&br;わたしが用意しておくから、団長はくつろいでていいよ。| //|【期間限定】冬③|| //|【期間限定】冬④|| |【期間限定】クリスマス①|クリスマスだけ看板娘の役割もお休みかな。今夜は団長の花騎士として二人でゆっくり過ごしたいしね。&br;朝になって看板娘に戻るまで…たっぷり独り占めしていいよ、団長♪| |【期間限定】クリスマス②|もうすぐ今年も終わっちゃうんだね。実家の宣伝をしながらのあっという間の一年だった。&br;それに何より、団長と一緒にいた時間が楽しくってさ。余計に一年が早く感じちゃったよ。| //|【期間限定】クリスマス③|| //|【期間限定】クリスマス④|| //|【期間限定】③|| //|【期間限定】④|| 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