スノーフレーク

"Well done, Little Snowflake. Come home to me now."

ヒガンバナ科スノーフレーク属の球根植物。スズランとよく似ているが、花弁の先のワンポイントがチャーミングで、彼女のスカートのデザインにもなっている。
フランスはピレネー山脈からコーカサスにかけての中南部ヨーロッパの原産だが、結構丈夫なためかあっちこっちで野生化している。
耐寒性が高くて強健な植物なので、アウェーの日本でも露地に植えっぱなしで逞しく育ってくれる。
一般にスノーフレークと呼ばれている"Leucojum aestivum"は、英名では"summer snowflake"と呼び、原産地では夏に咲くが、日本では春の花である。
スノーフレーク属には他にも"spring snowflake"と呼ばれる"L. vernum"や、"autumn snowflake"と呼ばれる"L. autumnale"などがある。

スノーフレークとは「雪のひとひら」の意だが、他にも"snowbell", "dewdrop", "St. Agnes' flower"など、名前に関してはかなり恵まれている。
聖アグネスの花というのは、聖アグネスにこの花が捧げられたとか、聖アグネスの祝日が1月21日だからとか何とか、よく分からん、詳細求む。
和名ではオオマツユキソウと呼ばれるが、マツユキソウことスノードロップとは名前がやたら似ているが別の植物である。
その他には、スズランスイセンとかいう悪魔合体したような和名も与えられている。
投げやりにも思えるネーミングだが、花はスズランそっくり、葉はスイセンそっくりで、誰がどう見てもスズランスイセンと呼ぶほかないので、なんか悔しい。
ちなみにスイセンの花言葉は「自己愛」。Narcissusという学名はナルシシズムやナルシストの由来でもある、ギリシャ神話のナルキッソスからとられている。
スズランさんは見てのとおりアレだし、どちらも猛毒持ちなので、何とも愉快そうな取り合わせになりそうではある。

ちなみに、スノーフレークもヒガンバナ科なのでたぶん有毒だが、日本には自生せず、花壇などにしか植わっていないはずなので、
スイセンやスズランのように、ニラか何かと間違えて誤食するという事態は少ないだろう。
と思いきや、思いっきり中毒事故が報告されている。幸いにも死者はなく、いずれも軽症で済んだという。
恐らく他のヒガンバナ科植物と同様、スノーフレークもリコリン等のアルカロイドを主成分とすると思われるが、
リコリンには催吐作用があるため、接食してもすぐに吐き出されることが多く、毒性のわりには大事に至りにくい。
報告されている症例でも、軽い嘔吐などの食中毒症状とあるので、そのために軽症で済んだのかもしれない。
スノーフレークに限った話ではないが、野菜類などを育てている場合は、その近くに食用でない植物を植えないほうが良いだろう。

ちなみにスノーフレークって隠語でコカ…ゲフンゲフン。

本稿武器解説に関しては検証不十分です

解説１「苦無、および苦無の亜種」
　苦無（クナイ）といえば、投げナイフのような投擲武器を連想される「飛び苦無」が有名だが、用途としては“暗器”で刺突である。
同じクナイを兵装にしている花騎士としては、突エキナセアが該当するが、属性にブレがある。
　なお、クナイの基本利用は、現代におけるナイフであり、非常時に投擲に用いるに過ぎず、投擲そのものは難度が高い。
夢のない話だが、苦無も投げナイフも、刃の部分を先端にして直線的な投擲は困難で（重心バランスの悪さから）クルクルと回転しながら突き刺さる。
突き刺さるタイミングが悪く柄の部分が壁に当たると、そのまま地面に落ちるだけのシュールな様態になる。
　投げナイフは見世物として現存しているが、食事で用いるナイフを投げても刺さらない。（経験者談）

解説２「ニンジャと観光客」
　なお近年、手裏剣をはじめ、忍者道場が外国人向けに繁盛しているようだが、史実上の忍者はスパイであって戦闘を目的としないので、
逃走目的の兵装は充実させても、飛苦無などを大量所持することはない。潜入・潜伏目的であれば、１～２個あれば十分である
　情報を持ち帰ることを主眼にしている忍者が、“相手との間合いを測って戦う”などという非現実性を日本人まで信じているのだから、
外国人が信じても仕方ないかもしれないが、先日、都内の忍者道場を自称する施設に仕事で立ち寄ったところ、
あまりにいい加減で、逆にマニアな外国人（タイ人）に突っ込まれる始末。そりゃ、返事は「押忍」はないですよね。
　伝統的に忍術に近い技術を継承している研修所で教えてもらえる（接地面の材質を理解して無音で歩く方法・潜入しやすい邸宅の見極め・
動物の鳴き真似など見つからない）技術はかなり地味で、観光客受けしないから仕方ないが…。