フリチラリア のバックアップ(No.60)

攻撃力バフは基本の25％に加えて、敵数が少ないほど増す変動バフがついており、合計で敵が3体で45％～1体で85％となる。
スキルが単体吸収タイプなことも合わせて、敵が1体の時に本領を発揮する。

また【100％の確率で防御力の4.5倍を攻撃力に変換し反撃】（超反撃もあり）および、
【パーティメンバーの防御力が35％、防御時のダメージ軽減率が6％上昇】という、高い反撃倍率と防御力バフの組み合わせも持っている。
よって、反撃を主眼とするパーティに組み込むのが最も特性を活かせるだろう。
設定上つながりの深い元老院組の中では、同じく反撃型のタラゴンとの相性がよい。
フリチラリアは全く攻撃力バフを持たないタラゴンを高めの上昇値でカバーし、タラゴンは高いクリティカル関連アビでフリチラリアの反撃能力を伸ばす、
とお互いにアビリティを補完し合うことができる。

高いバフ能力・スキル発動率1.2倍・反撃要員としての適性…という特徴としては、ランギク（昇華）の立ち位置が近い。
もっとも、フリチラリアは反撃能力に勝り、敵数が少ないほど高い攻撃力バフを発揮する性能。
ランギクは攻撃力バフの最高値がやや高く（90％）、敵数が多いほど高い攻撃力バフを発揮する性能、と住み分けは出来ている。
フリチラリアは魔属性、ランギクは打属性という属性の違いもあるので、アビリティ構成は似ていてもケンカせずに使い分けられる。

フリチラリア（Fritillaria）は、ユリ科バイモ（貝母）属の学名。
主にユーラシア大陸の温帯、地中海沿岸から中央アジア～インド～中国などに分布する種が多い。
中国原産のバイモ（アミガサユリ、F. verticillata）は観賞用・薬用に用いられる。
日本にも数種が分布するが、富士山周辺の山林に生えるカイコバイモ（甲斐小貝母、F. kaiensis）など、絶滅危惧種指定のレア植物が多い。
日本自生種の中では、高山地帯に群生するクロユリ（F. camschatcensis）が、石川県の郷土の花に指定されるなど知名度が高い。
フリチラリアがクロユリを気にかけている設定は、こうした同属種である関係からだろう。

さて、花騎士フリチラリアのモチーフとなった種は、バイモ属の中でもヨウラクユリ（F. imperialis）である。
種小名 imperialis（インペリアリス）はラテン語で「皇帝の」の意であり（つまり英語のimperialと同じ）、
バイモ属の中でも帝王にふさわしい優れた花、という意味が込められている。「王の威厳」の花言葉は伊達ではない。
分布はトルコ、イラン、パキスタン、アフガニスタン、インドなど中近東地域の涼しい高原。
直立する1mほどの茎の先端に固まって葉をつけ、その葉の根元から、吊るされたベルのような姿の橙・赤・黄などの花が5～6輪、春に咲く。

和名のヨウラクユリ（瓔珞百合）の瓔珞とは、仏像にかける金属製の首飾りや、仏像・仏壇の上や周囲に吊り下げるシャンデリアのような金色の装飾具のこと。
ヨウラクユリの吊り下がった花を見立てたもので、ヨウラクボタンと語源は同じである。
フリチラリアが前合わせの着物に草履ばき、武器は錫杖と、仏僧を思わせる東洋的な服装なのはこの仏教に関連する和名に由来するものであろう。

日本でもヨウラクユリの球根は園芸用に入手可能だが、栽培難度は高め。
元々が、適度な日当たりのある涼しい高原の植物のため、日本の高温多湿・多雨の夏には耐えられないことが多い。
東北地方や中央高地の涼しい地域なら地植えでも花を咲かせられる可能性が高まるが、暖地で育てたい場合には鉢植えにして
夏場は涼しい場所に退避させる必要がある。