カンナ のバックアップ(No.40)

ロケーション　カンナ蹴散らし　女優死す
カンナは材木の表面加工に用いる工具カンナ科カンナ属の多年生植物である。害虫の皮膚を削ぐ斬属性じゃなくて本当によかった
カンナ科はカンナ属のみから構成される単系科であり、熱帯アメリカを中心に50種ほどの野生種が自生するが、
観賞用には赤い花のダンドクという野生種を中心に交配した品種がよく育てられており、これらを特にハナカンナと呼んでいる。
コロンブスのアメリカ大陸発見以降ヨーロッパに渡り、日本にも江戸時代に観賞用として輸入された。
寒さには弱いが性質の強い植物で、温暖な地域であれば野生化していることも多い。
原産地では年間を通して花が咲いているが、日本のような温帯では夏を彩る花として定番である。
花は大きく、赤や黄など明るい色が多いためよく目立つ。大きく幅広の葉を持ち、草丈も人の背丈ほどまで成長するため、
群生していると中々の迫力だが、最近では鉢植えでも育てやすい、草丈4～50cm程度の矮性種も人気がある。
花弁のように見えるのは雄しべが変化したものであり、本来の花弁は小さく、花の基部に垂れ下がるようにしてついている。
雄しべが花弁に変化するというのはかなり奇妙な現象にも思えるが、これはホメオティック変異と呼ばれる典型的な突然変異のひとつである。
いわゆる奇形なのだが、カンナのように変異により独特の形態を得るものもあれば、八重咲きの品種を作るなどの目的で人為的に利用されることも多い。

冬季は地下で球根をつくって越冬する。熱帯の植物なので寒さには弱いが、５℃ぐらいまでなら耐える。
一般的にカンナは結実しにくく、球根による栄養生殖が主な繁殖方法である。稀に作られる種子は、非常に硬い黒い殻に覆われている。
ネイティヴ・アメリカンが用いた散弾銃の弾に似ているため、原産地のカリブ地域ではカンナの種子を"Indian Shot"と呼ぶことがあり、
ビーズのようにしてアクセサリに用いたり、伝統楽器であるマラカスの中身に使ったという。数珠玉や小豆のような感覚だろうか。
重装甲をまとった種子は多少の衝撃では割れることはなく、長期保存も可能だが、硬すぎるせいか肝心の発芽率が高くない。
ヤスリやカッターで小さな傷をつけたり、ぬるま湯につけたりするという裏ワザがあるが、中身に影響が無いとも言い切れず痛し痒し。
大手業者のタキイ種苗は、種から育てる矮小性のカンナを販売しているが、種子の発芽率を高めるために特別な処理を施している。
それはレーザーで種子に微小な穴を開けるというもので、従来5～60%だった発芽率を90%にまで向上させた。ハイテクやな。

日本人女性の名前としても違和感の無い名前だが、前述のように熱帯アメリカの原産で、日本に自生する花ではない。
と言っても、カンナという名前が日本で付けられたというわけでもなく、学名がそのまま"Canna"。
元々はギリシャ語で「アシ（葦）」を指すのだそうな。何故アシじゃない植物にアシって名前をつけたのか
ところでグンマー共和国群馬県ではコマツナのことをカンナと呼ぶらしい。冬が旬だから「寒菜」なんだってさ。