スズシロ のバックアップ(No.13)

庭園A

庭園B

スズシロ（蘿蔔）はアブラナ科ダイコン属の一年草。
お供を見れば分かるだろうが、要するに大根である。

学名：Raphanus sativus
原産地：中央アジア、地中海地方、中国、コーカサス地方（などといわれているがぶっちゃけ原種ははっきりとわかっていない）

春の七草のひとつ。
俳句においては新年の季語。

学名のRaphanusは「ダイコン属」、ギリシャ語の「raphanos（早く割れる）」が語源。
sativusは「栽培された」という意味。
お供の名前である「ムーリー」はインド・パキスタンの諸言語で「mooli」、これも大根の意味である
（英国にはインド・パキスタン系住民も多いため、「radish」ではなくこの名前で売っていることも多いとか）。

継苗生や　山代女の　木鍬持ち　打ちし大根　根白の　白腕　枕かずけばこそ　知らずとも云はめ　仁徳天皇

「スズシロ（蘿蔔）」は大根の古い呼び方。「清白」「須須之呂」「鈴代」「酒々代」と表記することもある。
スズは「青」、シロはそのまま「白」を意味する古語。
元々は紀元前2200年の古代エジプトで今のハツカダイコンに近いものがピラミッド建設労働者の食料とされており、
それが後にユーラシアの各地へ伝わったらしい（現状の最古の栽培記録では）。
日本には弥生時代には伝わっており、『古事記』の仁徳天皇の歌や平安時代中期の『和名類聚抄』にも登場する
（古事記では「大根（おおね）」、和名類聚抄では「於保禰（おほね）」と表記される）。
古くから栽培されて品種改良も盛んに行われているため、
長いもので180cmに達する守口大根や、大きいもので重さ30kg直径約40-50cmになる桜島大根など、多種多様な品種が存在する。

大根はビタミンA、ビタミンCや消化を助けるジアスターゼなどの栄養素を多く含み、食材以外にも血栓防止作用や解毒作用をもつ薬草としても利用されてきた。
最近では低カロリーなダイエット食品としても注目されている。
下手な役者をバカにする「大根役者」という言葉があるが、これは「整腸作用があるため食中毒を起こさない（＝当たらない）」に由来する。

種子は「羅葡子（ライフクシ）」と呼ばれ、健胃、去痰作用を持つとされる。
中国医学では、肥満の薬として有名。