知床の岬に はまなすの咲くころ
学名:Rosa rugosa
英名:beach rose, Japanese rose
浜茄子、あるいは浜梨とも。
バラ科バラ属の落葉低木。
東アジア北部の温帯から冷帯の地域、特に海岸の砂浜によく自生する。
地下茎で広がり、立てば1m~1.5mほどになるが、軟弱な砂地では地面を這う。
初夏から夏にかけて5cmほどの赤紫の五弁花を咲かせる。
耐暑性が低く、国内では本州が概ね南限。
特に太平洋岸は自生に適する砂地がすくなく、関東北部程度が南限とされる。
夏の終わりごろ、小さな赤い実をつける。
名の由来については、この赤く艶と張りのある実が早生の茄子っぽいからとも、酸味と甘みが梨のようだからとも。
食用に適しジャム等に使用するが、茎が藪状に密生し、また剛毛と細かい棘にびっしり覆われているため、うかつに手を出すのは危険。
つぼみや花を乾燥させたものを玫瑰(マイカイ・メイグイ)とよび、白酒に漬けた玫瑰酒など、香りつけやハーブに利用する。また、花を油で抽出したものを玫瑰油・ハマナス油などと呼び、香水の原料となる。
これらの用法の場合「バラのような」と称されることが多いが、実際のハマナスは葉や茎にも芳香成分を含み、それらが合わさって独特の香りをもたらす。
また、玫瑰のみならず実・葉・茎・根と草本全体に薬効ありとして、和漢の薬方にて重宝される。
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