でいごが咲き乱れ 風を呼び嵐が来た
デイゴ(梯梧、Erythrina variegata)は、マメ科デイゴ属の落葉高木。
沖縄県を代表する花のひとつで、1967年に県花を制定する際は県民投票の85%超がデイゴという圧倒的支持を得た。
サンダンカ・オオゴチョウと並ぶ沖縄三大名花に数えられる。
インド原産。世界の熱帯・亜熱帯にて広く街路樹や防風林・防潮林などとして植栽されており、
日本では沖縄・奄美群島・小笠原諸島に分布。
鹿児島県の県木であるカイコウズ(アメリカデイゴ、E. crista-galli)は同じデイゴ属の近縁種。
成長すれば高さ10m以上の立派な樹に育つが、盛んに枝分かれして広い樹形となり、縦よりも横に広がる傾向がある。
広い木陰を得るための街路樹・公園樹として好適だが、その分根も強く横に広がるため、
「ヤシキコーサー(屋敷壊し)」とも呼ばれて民家の庭には向かないともいわれている。
花季は4~5月頃で、紅色~オレンジ色の南国らしい鮮やかな花を咲かせる。
俗に「デイゴのよく咲いた年は、台風の当たり年である」と言われており、
冒頭の有名なTHE BOOM『島唄』の歌詞もそれを詠み込んだものである。
ちなみに2000年代半ば以降、デイゴヒメコバチという、幹や葉に寄生し樹を弱らせるハチの被害が深刻化している。
被害樹への薬液注入のほか、天敵昆虫であるデイゴカタビロコバチの導入がテストされるなど対策が進められている。
デイゴは現在進行形で害虫と戦闘中なのである。
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