タケはイネ科タケ亜科の多年生植物。
学名:Bambusoideae
英名:Bamboo
原産地:世界各地の熱帯地方
パンダの主食としてもお馴染みの植物である。サンデリアーナ「バンブー!」
イネ科なのでコメやムギ、ネコじゃらしと同じく茎に節があるが、
広義的にはこの枝が木質化するものを「竹(タケ)」と呼んでいる。
通常の樹木は根や茎の先端が細胞分裂して成長するが、タケは節ごとに成長点があるため成長が早い。
タケは「120年に一度しか花が咲かない」というのを聞いたことがあるだろうか。
あまりイメージが湧かないかもしれないが、タケにも60~120年くらいに一度花は咲く。
花といってもイネ科なので稲穂のような見た目である。
赤や黄色の「花」という言葉から想像されるような鮮やかなものではない。
開花した後は地下茎まで枯れる品種もあれば、地上部分は枯れるが地下茎は枯れずに残る品種があったり、
開花しても種が出来ず、タケノコが伸びることで増えたり…
人間の寿命より長い周期でしか咲かないため、開花のメカニズムは未だ謎が多いのだとか。
タケの実が野鼠の大量発生を促すため、不吉の前ぶれなどと言われることも…
タケノコは漢字で「筍」と書く。
これは地上に芽が出てから「一旬(約10日)程で竹に成長する」ことが由来とされている。
この成長の早さと真っ直ぐに伸びる様が縁起が良いとされ、
毎年5月5日(端午の節句)は男子の健やかな成長を願って
この時期に旬を迎えるタケノコを食べる習慣がある。
7月7日(七夕の節句)は別名「笹の節句」という。
由来はご想像の通り、ササに紙や布で作った飾りや短冊を吊るすことから。
…ところでタケとササの違いって何?とか疑問に思ったことはあるだろうか。
一応は以下のようにザックリ分類されてされてはいるが、その境界は曖昧である。
- タケ…タケノコの皮が成長と共に剥がれ落ち、節目から2本くらい枝が伸びる
- ササ…成長してもタケノコの皮が残り、節目から3本以上の枝が伸びる
まぁ多種多様だっていいじゃない。
タケ亜科は日本だけでもタケ類ササ類合わせて約130種もあるんだもの。
俳句では春は「竹の秋」、秋は「竹の春」などと区別する。
「え?逆じゃねえの?」と思うだろう。
しかし、タケは地下茎に栄養を奪われて衰える春頃に葉が落ち、秋頃に青さを取り戻す。
その様を例えて秋だ春だと呼んでいるので、これで正しいのだ。
あふんを混乱させるんじゃない!
1879年、米国の発明家トーマス・アルヴァ・エジソンが実用に耐えうる寿命の電球を発明した
(白熱電球自体はその時点で既に発明されていたが寿命が短かった)。
その電球のフィラメントの素材が何だったかご存知だろうか。
様々な素材で何百、何千と試行錯誤した結果、選ばれたのはなんと京都のタケである。
これにより、それまで1分程度だった発光時間が1200時間まで伸びたとか。
タケは我々日本人との付き合いも長く、縄文時代の遺跡からもタケの加工品が出土している。
身近にあって丈夫で加工しやすいタケは籠その他の細工品や建材、武具、楽器等の素材などとして好まれ、
今日まで日本人の生活に深く根付いている。
タケは全国で一斉に花を咲かせた後、一斉に枯れる性質があるため、
数十年に一度、全国的に深刻な竹の素材不足が発生する歴史が繰り返されている。
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