シナモン(cinnamon)はサンリオの白い子犬クスノキ科ニッケイ属の常緑樹。
あるいはその樹皮から得られる香辛料である。
学名:Cinnamomum
原産地:中国、スリランカ、インド等の熱帯地域
俳句では「肉桂」自体は季語ではないが、「肉桂水」は夏の季語。
「肉桂」は中国語(ròuguìと発音する)、ただし「ニッケイ」は日本語の音読み。
「桂」は中国語でニッケイ属のシナモンに近いものを指す。
観葉植物としてはお手軽なサイズの幼木が出回っているが、成木は樹高は10mを越える。デカい。
葉は光沢のある卵形で、3本の葉脈が特徴。ほんのり香辛料の香り。
図鑑背景に描かれる小さな白い花が咲く。
明るい場所であれば室内でも育てられる。
熱帯地域原産で耐寒性があまり無いため、なるべく暖かい場所が望ましい。
シナモンはその歴史を遡ると紀元前4000年近くまで辿り着く人類史でも最古参の香辛料である。
……ふふ、私もそれなりの歳なのにね。
古代エジプトでは防腐作用があると考えられていたため、ミイラ作りにも使われていた。
旧約聖書にも記述がある。
日本では飛鳥時代に遣唐使が中国からを持ち帰って入ってきた。当時のものが正倉院に保存されている。
生きたシナモンが入ってくるのは1716~1735年頃。この時入ってきたものが現在「日本肉桂」と呼ばれている品種。
ざっくり「シナモン」で括られがちだが、香辛料として細かく分類すると以下のように分類できる。
- 「シナモン」
- 「シナモン」といえば狭義的にはこれを指す。
- 味と香り:上品な香りと甘味があり、辛味が少ない。洋菓子や飲み物、料理によく使われる。
- 原料:スリランカ原産のセイロンシナモン(Cinnamomum verum)の外樹皮を使用する。
種小名の「verum」はラテン語で「真実の」の意。
- 「桂皮」
- 中国で「桂皮」といえばこれ。「カシア」「シナニッケイ」とも呼ばれる。
- 味と香り:香りが強く、濃厚な甘さと辛さが特徴。
- 原料:中国やベトナム産のカシア(Cinnamomum cassia)の樹皮を使用する。
- セイロンシナモンより安い。
- 漢方薬としても使われる。日本で医薬品として使えるのはカシアだけ。
- 「ニッキ」
- 日本で「桂皮」といえばこれ。同じ「桂皮」でもカシアとは別物。
- 味と香り:甘い香りと爽やかな辛味が特徴。ニッキ飴や八つ橋等の和菓子に使われている。
- 原料:日本肉桂(Cinnamomum sieboldii)の根皮を使う。
日本肉桂の種小名はミセバヤやサクラソウ等と同じ「sieboldii」。例によってSiebold氏が由来である。
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