夾竹桃(キョウチクトウ)はキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木。
学名: Nerium oleander
原産地:インド
本作サービス開始の年のナズナの日に初の同科の花騎士が実装されてから9年、ついに実装されたキョウチクトウ科の総本山。
初登場イベントのテーマからお察しの通り猛毒である。
全草にオレアンドリンが含まれており、少量でも下痢や心臓麻痺などの症状を引き起こし、最悪死ぬ。
その致死量は0.30mg/kg、成人で葉5枚~15枚も摂取すれば死に至るのだとか。
万一摂取してしまった場合の有効な治療薬は無いため、栄養剤・強肝剤を投与して回復を祈るより他ない。
ジギタリス同様、乾燥させた葉を強心剤として用いることがあるようだが絶対に素人が気軽にやってはいけない。
幸いギネスが危険と認定した殺意の権化と違って口に入れなければ触っても問題無いが、
枝を箸や串に使ったり燃やした際の煙を吸い込むなどして中毒や死亡に至るというケースが多い。
子供やペットの誤食にも気を付けよう。
地域によってはゴミとして引き取ってもらえないこともあるようだ。
原産地のインドでは「馬殺し」と呼ばれる。
6月~9月に枝の先に直径4~5㎝の白色や赤色の花が咲く。
竹のような両端が尖った長楕円形の葉と桃に似た花から、中国名「夾竹桃」と呼ばれる。
インド原産で、江戸時代中期(享保年間あるいは寛政年間)頃に中国を経由して日本に伝わった。
俳句では仲夏の季語。
古くから親しまれてきた代表的な夏の花。
前述の通りの毒を持つが、北海道と東北以外の日本全国に分布しており、公園や街路樹でもよく見る。
「何故そんな所にキンポウゲやスズラン級の毒物を植えるのか?」と思うだろうが、
そもそも街路樹なんてそうそう食べる奴はいないし、何より暑さにも乾燥にも大気汚染にも強く、病虫害が殆どない。頑丈で育てやすいのだ。
広島市では昭和48年に市の花にも指定されており、広島市のHP曰く
「原爆により75年間草木も生えないといわれた焦土にいち早く咲いた花で、当時復興に懸命の努力をしていた市民に希望と力を与えてくれました。」とのこと。
死に至る毒でありながら生命力に溢れた花でもあるのだ。
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