葡萄(ブドウ)はブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木。
英名: grape
学名: Vitis spp
ブドウの花は雌雄異株または両性株で5~6月に開花する。
ブドウの果実は8~10月に収穫される秋の味覚の代表格。
具体的な絵面は、彼女の図鑑背景がわかりやすいだろう。
成長が早く、アレが棚や支柱に絡まる形でわさわさ伸びて垂れ下がる。
日当たりと風通しと水はけのよい土地なら、頑張れば庭で栽培・収穫もできなくはないそうな。味は保証しないが
たまに皮に付着している白い粉は「果粉(ブルーム)」と呼ばれている。
農薬と勘違いされることもあるが、ブドウ自身の脂肪酸が果皮に浮き出てきたもので、無理に洗い流す必要はない。
むしろ、病気や水分蒸発を防いでブドウの鮮度を保ってくれる粋な奴。
生産者も収穫になるべく残すように努力しているくらいなので、安心して食べてほしい。
ブドウはその栄養価の高さ故に、古くから薬としても利用されてきた。
甘い果肉はブドウ糖や果糖を多く含み、疲労回復に効果的。
果皮や種にもポリフェノール、プロアントシアニジン等の多様な栄養素を含んでおり、
筋肉痛やむくみの予防、動脈硬化の予防――他にも様々な効果が確認されている。
そんな美味しくて栄養満点の素敵食品だが、残念ながら世の中キレイ事だけで出来てはいない。
というのも、ブドウは犬には猛毒なのだ。
具体的な原因は解明されていないが、体重1kgあたり20~30gで中毒になる(巨峰1粒の重さが20g程度)。
食べて数時間で腹痛や下痢等を引き起こし、急性腎不全を発症させることがある。
最悪死ぬ。死ななくても後遺症が残ることもある。
万一愛犬が口にしてしまった場合は、直ちに動物病院に相談すること。
大変危険なので、愛犬家の団長諸君は注意してほしい。
学名の「vitis」はギリシャ語で「絡む」が由来。見た目どおりの分かりやすい名前である。
「葡萄」という名は、ギリシャ語でブドウを意味する「Botrus」への中国語の当て字。
中国を経由して日本に伝わったとされる根拠のひとつでもある。
温帯域を中心に世界各地で栽培され、世界で最も多くの生産量がある果樹であり、今日にまでに多種多様な品種が生み出されてきた。
マイナーなものまで含めると、世界に1万種類以上あるともいわれる。
ブドウは、リンゴやイチジクらと共に最古といわれる果物でもある。
シリアでは、紀元前8000年頃の遺跡で西アジア最初期の農耕文化の痕跡として確認されている。
紀元前3500年前にメソポタミア文明を生きたシュメール人が楔文字で残したものが、文字媒体としての最古の記述。
古代エジプトの壁画にも栽培の様子が描かれているのだとか。
日本においてもその歴史は古い。というか古すぎて、ぶっちゃけ栽培までの経緯は定かではない。
弥生時代の遺跡から発見されていることから、当時既に野生の山葡萄が自生していたようだが、
一説には奈良時代に中国から伝わり、山梨県勝沼で栽培されたのが始まりだとか。
本当のところはもはや確認しようがないので、ここはひとつ歴史のロマンということで…。
本来ブドウは乾燥した土地で育つ植物のため、日本のような湿度の高い気候は栽培に向いていない。
明治時代にはフランスやアメリカから多くの品種が輸入されて本格的な栽培が始まったが、
技術的に未発達だったこともあり、日本での栽培はあまり上手くいかなかった。
結局、日本の気候にも馴染んだアメリカ系の一部品種だけが残り、それが各地で栽培されるようになった。
技術的に成長した現在では山梨、長野、山形、岡山等の名産地を中心に、年間17万tものブドウが生産されている。
その辺は流石、食文化のド変態日本人である。
石川県で栽培されているルビーロマンが最高価格の品種として有名。
最近の初競りでは連続で最高価格を更新しており、2023年は1房160万円を叩き出した。
ロマンだけでなく本当にルビーが買えそうな価格である
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