オオバコ(大葉子・車前草、Plantago asiatica)は、オオバコ科オオバコ属の多年草。
東アジアに広く分布し、日本全国どこでも野原や荒れ地、道端のアスファルトのすき間まで幅広く見られる。
非常にタフな、いわゆる「雑草」と呼ばれる植物の代表格のひとつ。
真っすぐ立つ茎を持たず、地面際から葉が放射状に出ているロゼット状の形態を一年中取っている。
そして葉は強い繊維を持ち、人間や動物、車両などに多少踏みつけられても枯れることはない。
このような「打たれ強い」性質によって、他の植物が踏みつけられて排除されてしまうような環境に進出し、
背が低くても日照を得られるように進化してきた植物である。
中国語では、車の轍にすら生える草ということで「車前草」と呼ばれており、
日本語でもこれを取り入れて車前草と書いてオオバコと読ませる場合もある。
花は、春から秋にかけて10~30cmの緑色の花茎を伸ばし、白く小さな花を無数に咲かせる。
風の力に頼って花粉を飛ばし受粉を行う風媒花である。
また種子が実った後は、雨に濡れるとゼリー状の粘液を出し、踏みつけた人間や動物の足裏に種子をくっつけ
遠くへ運ばせることで分布を拡大する。
子どもの遊びとして、長く伸びた花茎を2本摘み、二つ折りにして組み合わせ
引っ張り合ってどちらが切れずに残るかを競う「オオバコ相撲」というのがある。
このため「スモトリグサ(相撲取り草)」の別名もある。踏みつけに強いタフな性質とあわせて、
努力家で打たれ強く、そして何でもパワーで解決の花騎士になるのは必然ともいえよう。
ちなみにあちこちにあしらわれたカエルのモチーフだが、
これは弱った(もしくは死んだ)カエルをオオバコの葉に触れさせると蘇るという民間伝承によるもので、
カエルッパ、ゲーロッパなどの地方名もある。
どこでもよく見られる小さなニホンアマガエルによく似た葉の色や形をしているし、その辺りからの発想かもしれない。
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