スイセン のバックアップ(No.95)

• 迎撃に関与するアビリティは「[討伐終了まで]自身がスキルを2回発動するたび、『100％の確率で迎撃3倍』を付与」と「回避率上昇」、「弱点属性ダメージ上昇」の3つだが、高難易度ステージは1,2戦のみのことが多いうえ、敵が先制攻撃や命中率上昇を持っていたり、無属性であったり、1戦のみかつターン制限を持つことがあるため、ポテンシャルをフルに発揮できるステージはそれなりに限定される。

• 回避と迎撃の有効な高難易度ステージは、道中戦が多く最終ボスが回避率とガッツ持ちの「VS月輪の来訪者」、「世界花の力のダンジョン(EX級)」、カラクリ無限城の多くの階層等が挙げられる。

• 迎撃は連撃ほどの爆発力を持たないため、迎撃軸のパーティは高難易度ステージにおいて影が薄いが、
  討伐全体を通じて迎撃付与の回数が増加するこのスイセンは、HP約1.5億の「VS王国の騎士」(コルベット戦)の最終戦も
  回避数回分の迎撃だけで倒してしまうことが可能である（#パーティ例を参照）。

• 50%以上の高倍率の命中デバフは「昇華キャラ」(イベ金を含む)と期間限定の「虹メダル交換限定キャラ」にしか実装されていない(2022年11月現在)。

• 現環境で特に有力なバッファーの多くがスイセンの持参バフと同じ「与ダメージ上昇」や*1、連撃に乗らない「スキルダメージ上昇」のバフをかけるのに対し、
  別枠で連撃にかかる「ボスダメージ」、「HP割合ダメージ」、「HPn%以上の敵に与えるダメージ」、「被ダメージ上昇」等を持つ
  バッファーが不足していることは、スイセンの連撃の威力が伸び悩む要因の一つになる(2022年11月現在)。

• これらのバフのあるラベンダー(ジューンブライド)やシロタエギク(パラレル学園)、ヒガンバナ(パラレル学園)等を編成したいところである。

• 「[単体スキル5人]連撃10%」を他のメンバーへの連撃付与として使う場合の汎用性に難がある。
  現環境で有力な支援タイプの多くが［攻撃タイプ1人］を対象指定するため、複数のアタッカーを編成するパーティが環境に合っているとはいいがたい。
  バッファーとしてのスイセンは連撃付与以外のバフを提供しないが、アタッカー複数編成PTで不足しがちなスキル発動率バフや、
  連撃にかかるバフを持つ単体スキルの攻撃タイプは少ない。さらにスイセン自身の攻撃力バフの欠如もボトルネックになりやすいので、
  他のメンバーへの連撃付与は無理に活かそうとせずおまけとして捉えてしまった方がよい。

• 約3ヶ月後に周年記念キャラとして発表されたスイカズラとの互換性が高い：
  「攻撃力上昇0％＋再行動率100％＋迎撃＋連撃＋迎撃発動アビリティ（回避率、特殊回避等）＋迎撃ダメージ上昇（弱点属性、クリティカル）＋連撃ダメージ上昇（弱点属性、与ダメージ、ボスダメージ等）」
  と、この二人のアビリティの基本構成は一致している。

• アビリティが類似しているため、スイセン用に組んだパーティーはそのまま彼女をスイカズラに交換しても基本的に問題なく機能する。その逆は持参バフの汎用性や環境適性の関係でうまくいかないことも多い。

• スイカズラの迎撃は主に回数制限のある特殊回避に依存しており、命中率上昇を持つ敵には決められた回数しか発動できないのに対して、
  スイセンは「[自身]回避率上昇:50%」を持つため、命中デバフと合わせることで命中率上昇バフを持つ敵にも対応できることが差別化の焦点となる。

• 迎撃自体の倍率ではスイカズラが上回るものの、スイセンには迎撃にかかる「弱点属性ダメージ上昇」があるため、
  弱点属性のある敵に対するスイカズラの実際の迎撃ダメージは、同じパーティならばクリティカルの発生した
  スイセンの迎撃回数2～3.5回分程度になることが多い*2。
  毎ターンスキルが発動して討伐全体で4ターン以上かかるときの迎撃の威力は最終的にこちらが上回ることになる。

• 連撃倍率の違いがあるにもかかわらず、バッファーのダメージバフの種類によってはスイセンの方が高いスキル火力を発揮するケースがある。
  現環境の「与ダメージ上昇」バフ偏重体質がスイセンの連撃ダメージを伸び悩ませる主要な要因の一つだが、
  スイカズラに与ダメバフをかけずボスダメバフを集中させた場合にも同じことが起こるのである。

スキルLv5(38%)の場合、合計2.63倍以上でスキル発動率100%になる。
実装から時が経つにつれて、挑発と被攻撃を必要としない高倍率のスキル発動率アビリティを持つキャラクターが増えつつある。

ハナモモ(ハロウィン)

• 同時期の緊急任務で登場した、パーティメンバーのタイプに応じて異なるバフをかける高機能な支援タイプ。
  支援タイプの人数に応じてスキル発動率を上昇させるアビリティや、打属性付与、
  ［攻撃タイプ1人］に対する与ダメバフなど相性のいいアビリティが揃う。
  彼女の発動率上昇アビリティは、戦闘開始時点で参戦している支援タイプの人数のみを参照し、
  他のメンバーが脱落すると次回以降の戦闘で発動率が低下する欠点がある*3。
  参戦条件付きのアビリティが多い点に注意。

リンゴ(ジューンブライド)

• 好感度・誓100%以上時の発動率上昇1.6倍を持つ。
  参戦アビのハナモモとは異なり本人や他のパーティメンバーが脱落してもステータスが低下しない長所がある。
  他にも攻撃力上昇最大100%、クリティカル率／クリダメ30%、確定ガッツ付与など有用なアビが揃う。
  初期タイプが攻撃タイプになっているのはおそらく設定ミスだろう。

ピンクッション昇華

• スキル発動率上昇3倍。

「[5人]自身が被攻撃次ターン中、スキル発動率:2倍」を持つキャラクター(の一部)

• スイセンPTではあまり編成枠の余裕がないため、回復タイプの介助を必要とせず、脱落後も火力支援を行うものが望ましい。
  特に吸収付与と高いダメージバフを持つコットンやイフェイオン(パラレル学園)はおすすめ。
  吸収付与は吸収スキルの最大回復量に最大HPの半分の上限を設定してしまう欠点もあるが、スイセン自身は常時再行動率100%のため問題になりにくい。
  攻撃の激しい高難易度ステージでは先に脱落してしまいやすいため、スイセンの迎撃付与回数を稼ぐためのブースターだと割り切って運用するとよい。
  この2人は「挑発(小)」を持参しないのも特徴。最近の高難易度ステージのような攻撃の激しい敵相手であれば挑発させない方がかえって安定することが多い。
  他には高い耐久力を誇るアザミ(水着)も候補になる。
  また、発動率が不足しがちな回避統一PTにおいてはメコノプシスやストレプトカーパス(水着)がほぼ必須になる。

ストレプトカーパス(水着)

• 「[5人]自身が回避時次ターン中、スキル発動率:2倍」を持つ回避迎撃キャラ。トリガーが被攻撃ではない点に注意。
  迎撃にかかる第三の乗算となる「迎撃ダメージ上昇」を持ち、編成すると迎撃の威力が跳ね上がる。

• スイセンを守護タイプに変更すると「[斬属性かつ守護タイプ1人]自身が回避した次のターン、与ダメージ上昇:65%」の条件を満たすことができる。
  この与ダメージはスイセン自身のバフと同じ素の与ダメ枠であるうえに、
  2021年後半以降に実装された［攻撃タイプ1人］対象のアビを持つ有力な支援タイプの大半もまた、同じ与ダメバフをかけるので、
  必要に応じて無視してしまってよい。
  守護タイプに火力支援を行う回避PT要員は他にヒガンバナ(パラレル学園)とブラックベリー(イースター)がいる。

• 余談であるが、［斬属性かつ守護タイプ1人］の条件を満たすことができ、かつ与ダメを活かすことのできる回避迎撃持ちのアタッカーは
  このスイセンや同時実装のワルナスビ(水着)を含めてほとんど実装されていない。

キンレンカ(イースター)

• パーティメンバーの合計防御発動回数をトリガーとするアビリティはキンレンカ自身が脱落していても発動する特徴がある。
  命中デバフやダメージ無効化等と競合する点に注意。

攻撃力、クリティカル率、ボスダメージ、HP割合ダメージ、HPn%の敵へのダメージ、(敵の)被ダメージのうちいずれか2種類以上を上昇させるバッファー

• 中でも貴重なボスダメージ上昇を持つシロタエギク(パラレル学園)、ラベンダー(ジューンブライド)、オンシジューム(クリスマス)、ブルーベリー(イースター)は優秀なので積極的に採用したい。

［攻撃タイプ1人］や「守護タイプ1人」対象のアビリティを持つ支援タイプ

命中率低下を持つキャラクター

• 命中デバフは敵の命中率上昇バフを打ち消すため、高難易度で回避率を活かすときは不可欠な存在である。
  ただし入手性に難があり、50%以上の倍率の命中デバフは「昇華キャラ」(イベ金を含む)、期間限定の「虹メダル交換限定キャラ」、「特別ガチャ限定キャラ」のみに実装されている(2023年4月現在)。

• 「[自身]回避率上昇:50%」と「[敵全体]命中率低下:60%」を併用したときの迎撃発動率は、
  敵が命中率上昇バフを持たない場合で80%、命中率+50%の場合55%、命中率+100%の場合10%になる

• 攻撃力上昇120%を持つハートツリーやクリティカルを持つユキモチソウ昇華などはスキル発動率上昇バフがあり相性が良い。
  回避で統一したパーティにおいては自身も回避率を持つオミナエシやバンダ昇華なども候補になる。
  バンダ昇華は迎撃にかかる第三の乗算となる「迎撃ダメージ上昇」を持つため編成すると迎撃の威力が跳ね上がるが、
  ターン経過と共に味方の被ダメージが増えるデバフを持つ点に注意。

ヒガンバナ(パラレル学園)

• 回避率バフを持つ中では特に相性のいい支援タイプの一人。
  回避盾を務められるアタッカーがパーティにいることを前提とする構成になっている。

• 回避に関係するバフとしては回避率上昇15%、特殊回避付与1回、攻撃力バフ、防御力バフのほか、
  パーティメンバーの誰かが回避するたび5人全員のHP保護とボスダメが増えるアビリティがある。
  スイセンは回避率50%と被弾しやすく、これらのバフも持ち合わせていないため重宝する。
  「[守護タイプ1人]攻撃力上昇:80%」
  「[守護タイプ1人]自身が被攻撃次ターン中、迎撃ダメージ上昇:120%」はヒガンバナ自身の被攻撃をトリガーとするが、
  本人の回避率が15%しかないため挑発を持たせると早々に落ちてしまいやすい。
  しかしながら、これは各ターン中1回でも敵の攻撃対象になれば発動するものなので、
  （再行動付きの複数体スキルの敵が複数体同時に出現するなど）最近の高難易度ステージのような攻撃の激しい敵相手であれば
  挑発させない方がかえって安定し、実用上は大した問題にならないことが少なくない。

• 現環境では［攻撃タイプ1人］を対象に強力な火力支援を行う支援タイプが多いため、
  一見すると［守護タイプ1人］が対象のこのキャラとは二者択一になるようだが、
  攻撃タイプと守護タイプのアタッカーをそれぞれ1人ずつ編成する場合は別である。もう編成枠が一杯だって？　細かいことは気にするな
  スイセンを守護タイプに変更してもう1人別に単体攻撃スキルの攻撃タイプのアタッカーを編成することで
  2体のアタッカーに十分な量のバフがかかる連撃付与PTをつくることができる。

• 守護タイプを対象に火力支援を行う回避PT要員は他にストレプトカーパス(水着)とブラックベリー(イースター)がいる。

ブルーベリー(イースター)

• アビリティの構成は上述のヒガンバナに類似するが、すべてのアビリティにタイプ制限がないという違いがある。
  注目すべきは「[5人]回避率上昇:30%」という破格のバフであり、彼女一人でスイセンの回避率は80%に達する。
  ボスダメも最大+150%まで上昇し、迎撃と連撃双方を重視するアタッカーの火力支援に向いている。

• 一方でHP保護付与のトリガーは、ヒガンバナ(パラレル学園)ではパーティメンバーであれば誰が回避してもよかったのだが、
  こちらは「ブルーベリー自身が回避するたび」となり条件が厳しくなっている。
  本人の回避率が30%しかないことから発動自体が期待できるものではないため、特殊回避のおまけとして割り切ってしまったほうがよい。
  また、スイセンPTに編成する限り問題にならないが、迎撃付与を持っていない。

• 余談であるが、大規模調整後に登場したほとんど全ての回避キャラが回避率70%であるため
  「[5人]回避率上昇:30%」は無駄になりやすく、ボスダメも迎撃PTでは本来不要なものである。
  彼女の実装時点でこの2つを最大限に活かせる連撃と回避率を両方備える花騎士は、
  スイセンの他には同期のチェッカーベリー(イースター)しか存在していなかったが、
  翌週のイベントにて双連撃・迎撃持ちかつ回避率0%で連撃にかかるボスダメ等を一切持参しないスイカズラ(イースター)が実装されている。
  もちろん同期のチェッカーベリー(イースター)とも相性は良いのだが、
  このイベントではこのブルーベリーを含めて彼女に迎撃を付与することのできるキャラが追加されておらず、
  迎撃ダメを活かすためには別途ジューンベリーなどの迎撃付与持ちを1人以上編成する必要があるのがネックとなっている。

ブラックベリー(イースター)

• 「[守護タイプ1人]攻撃力上昇:120%」や「[5人]回避率上昇:10%」を備える支援タイプ。
  守護タイプを対象に火力支援を行う回避PT要員は他にヒガンバナ(パラレル学園)とストレプトカーパス(水着)がいる。

• チェッカーベリー(イースター)とブルーベリー(イースター)の同期である。
  バンダ昇華等と同様に、迎撃軸なら不要なはずの「与ダメージ上昇」があるのは——
  もちろんチェッカーベリー(イースター)とも相性が良いのだが——
  やはり直後のイベントにて実装されたスイカズラ(イースター)とのシナジーを考慮してのことだろうか。

ネムノキ(七華の花騎士)

• 有力な守護タイプの筆頭。
  パーティメンバー5人に無尽蔵のHP保護と無効化を提供し、防御バフと防壁も備える。
  守りは彼女一人だけでどうにかなることも少なくない。
  ただし、命中率デバフと回避が継戦の要になる半迎撃軸のパーティでは、彼女のような守護タイプに割くための編成枠の余裕がないこともある。

コットン、イフェイオン(パラレル学園)

• 自身被弾時次ターン中スキル発動率上昇2倍。
  火力支援や吸収付与のほか、無効化や確定ガッツの付与、防御力バフなど。

アザミ(水着)

• 自身被弾時次ターン中スキル発動率上昇2倍。
  本人が単体吸収スキルなうえ、高倍率の防御力バフを持ち耐久性能が高い。
  ただし、他の被攻撃後発動率2倍アビ持ちとは異なり火力支援バフを一切持たないため戦闘が長引きやすく、
  敵を倒しきる前にやられてしまう事故が起こりやすくなる点に注意。

ブルーベル

• 好感度に応じて発動率上昇1.2倍、スイセンやコットン等の単体スキルにはさらに.25倍上昇させる。
  打属性パーティメンバーの防御力を上げるので上述のコットンやネムノキとの相性がよい。

連撃付与の対象となる単体スキルの攻撃タイプ。
スイセンは他のメンバーに対して連撃10%以外のバフを付与しないため、スキル発動率や耐久力の穴を埋められるものが望ましい。

リーガルリリー

• [5人]スキル発動率上昇1.28-1.36倍のほかに、
  HP参照ダメージと「ターン中のパーティメンバーのスキル発動回数に応じて与ダメージ上昇（＆HP回復）」という
  連撃にかかる2種類のダメージを持つ単体アタッカーであるため、常時再行動率100%のスイセンとの相性が良い。

アネモネ(パラレル学園)

• 連撃にかかる種類の高倍率のダメージバフとスキル発動率上昇1.2倍を持つ。

ミズタマソウ昇華

• ［攻撃タイプ2人］対象の火力支援バフを持つ単体スキルのアタッカー。
  なお、一緒に編成すると、ミズタマソウよりもスイセンの方のスキルと連撃のダメージが高くなる。

ライムギ

• ここに本文

サクラ

• 特別に相性がいいというわけではないが、バフの数値が大きいため連撃ダメージが大きくなる。
  現在は初期配布キャラの一人であり入手性が高いのもポイント。

ジュズダマ
ヒャクニチソウ

• 環境破壊級の性能を持つ。
  最近の高難易度ステージはこの二人を編成する前提で調整されている場所が少なくない。

これは余談である。
スイセンはインフレが進んだ昨今の高難易度ステージに登場する高HPの敵（VS王国の騎士等）を
迎撃のみで倒し切ってしまうことを可能とする稀有なアタッカーだが、回避や連撃を持つキャラとして見た場合の欠点も多い。
同じニッチを占めるライバルは主に迎撃持ちのアタッカーや高い継戦能力を持つアタッカーである。

ヒガンバナ(輝く情熱のドレス)

• 約1ヶ月後に実装された「迎撃ダメージ上昇」を持つ初のキャラクター。

• 高倍率のクリダメを持つため、弱点属性のない敵を相手にする場合ではこちらの方が高い迎撃ダメージを出すことが多い。
  スイセンの迎撃回数に上限がなく、ターン経過とともに迎撃の威力が際限なく上がっていくことを考慮してもである。
  回避率70%と自前の攻撃力バフがあり、迎撃編成のために特定のキャラクターが必須ということもないため
  パーティを組むのは容易。そのため一般に高く評価される。
  この違いが特に顕著になるのは無限城で、ターン制限があるほか、回避迎撃PTで攻略することが念頭に置かれているだろう階層の多くが無属性ボスとなっている。
  アビリティの関係でスイセンは回避統一PTへの適性が高い方とはいえず、
  スイセン用に最適化された半迎撃軸のパーティは、生存数と残りHPによって採点されるルールとの相性がよろしくない。

• 一方でバフの数値自体は大きいものの、クリダメ偏重の体質のため迎撃・スキルともに威力が頭打ちになりやすく、
  連戦や長期戦で弱点属性のある敵を相手にする場合の火力はスイセンに軍配が上がる。
  このヒガンバナの実装から月日が流れた2023年4月現在の環境において、迎撃ダメージを構成する3種類のバフのうち
  「迎撃ダメージ上昇」は迎撃支援キャラに一般的なバフの一つとなっており、クリダメもクリ率と一緒にバフがかかるため自己バフは過剰になることが多い。
  このため、迎撃PTでは、バッファーがほとんど実装されていない「弱点属性ダメージ上昇」の欠如がボトルネックとなる。

チェッカーベリー昇華、チェッカーベリー(イースター)

• 高倍率の攻撃力バフ、弱点属性ダメ、クリダメを持つ回避迎撃アタッカー。
  通常版は2021年の大規模調整以前に実装された金（昇華虹）であるため見落とされがちだが、
  迎撃にかかるバフの総量がトップクラスであり、先述のヒガンバナ(輝く情熱のドレス)とも遜色がない。
  これらは通常攻撃にもかかる種類のバフだが、連撃を持たない中では通常攻撃やスキルの火力も高い方になる。
  回避率80～40%でありイースターverと同じ理由でブルーベリー(イースター)との相性がいいが、
  こちらは連撃がない代わりに迎撃を持ち、別途迎撃付与を持つバッファーを編成する必要がないのが特徴。

• イースターver.は2023年のイースターイベントにてブルーベリー(イースター)とともに実装されたアタッカー。
  連撃を持つ回避アタッカーはスイセンに続いて2人目である。連撃20%や低い回避率（40%）を持つことから、
  回避率+30%と高倍率のボスダメをかけられるブルーベリー(イースター)との相性のよいアタッカーの一人である。
  通常ver.の昇華のアビリティの構成が踏襲されており、迎撃にかかる種類の高倍率のバフがあるのが特徴的だが、
  迎撃そのものは引き継がれておらず、ブルーベリー(イースター)も迎撃付与を持っていない。

ヒマ

• 一つ前の期間限定ガチャにて実装された特別キャラにして高い耐久性能を持つ連撃20%のアタッカー。突・打属性。
  「[自身][戦闘中1回まで]ターン開始時、自身のHPが50%以下なら防御力上昇:250%」や
  「[自身]通常攻撃による被ダメージ低下:50%」を持ち、HPを半分以下の状態に固定するクコ(七華の花騎士)や
  セダム(イースター)とセットのスキルデバフPTでの運用が基本になる。

スイカズラ

• 約3ヶ月後に実装された2022年の周年記念キャラ。連撃と迎撃を両方持つアタッカーはスイセンに続いて2人目である。

• 実花の形状を基にした白と金の衣装デザイン、ピンク色の目、ウィンターローズ所属など類似点が多い。
  アビリティの基本構成は一致している：

• 攻撃力上昇0％＋再行動率100％＋迎撃＋連撃＋迎撃発動アビリティ（回避率、特殊回避等）＋迎撃ダメージ上昇（弱点属性、クリティカル）＋連撃ダメージ上昇（弱点属性、与ダメージ、ボスダメージ等）

• 回避率0%である代わりに特殊回避2回を持つ。連撃20%と迎撃20倍、クリティカル率変更100%を備えるが、
  攻撃力バフやクリダメバフを持たず、ダメージバフはボスダメージのみを持参する。
  もっとも、2021年後半以降に実装された120%以上の高倍率の攻撃力バフを持つ支援タイプや、
  その他の有力なバッファーの大半が倍率50%以上の「与ダメージ上昇」バフをかけるため、欠点として意識されることはそうないだろう*4。

• 2022年は彼女を中心とする環境調整が行われている。これは他の連撃持ちを含むすべてのアタッカーを取り巻く
  環境に影響を及ぼしており、この時期に実装されたバッファーの持つアビリティの種類に偏りがあることが否めない。
  純虹においてクリ率+20%以上を持つバッファーは同じ古代花騎士のヒャクニチソウを除けばたったの3人のみ*5。
  40%以上のボスダメ上昇を持つバッファーは実質的に、年末に実装されたシロタエギク(パラレル学園)とオンシジューム(クリスマス)の2人だけにとどめられている*6。
  高難易度ステージにおいて「クリティカル以外被ダメージ低下」が敵の標準装備になる、「世界花の力のダンジョン」の中級からEX級までに出現する敵の過半数が打属性になる（全15体のうち12体が打属性）、クワイと同系統のアビリティを持つ中で最も火力の高いタッカ・シャントリエリが打属性で実装される等々、
  運営による環境の変化の恩恵を最も大きく受けているキャラクターであることに異論の余地はないだろう。

• 迎撃20倍はスイセンの迎撃3倍付与1回分の約6.7倍の倍率だが、迎撃倍率の差がそのまま迎撃の威力の違いにならないため、
  弱点属性のある敵に対する迎撃の威力はスイセンが上回ることが多い（#性能のあれこれ参照）。

ミヤコグサ昇華

• 2023年の周年記念イベントで実装された配布金。迎撃7.5倍と特殊回避1回。
  迎撃発動アビリティとして回避率の代わりに特殊回避を持つのはスイカズラに続いて2人目である。
  連撃を持たないが、単体スキルなのでスイセンの連撃付与の対象になる。

スイカズラ(イースター)

• 2023年のイースターイベントにて実装された期間限定の特別ガチャ限定キャラ。
  連撃と迎撃を両方持つアタッカーはスイセンと通常版のスイカズラに続いて3人目である。

• 先述したスイセンとスイカズラのアビリティの基本構成が踏襲されている。
  迎撃12倍、「迎撃ダメージ上昇:100%」、被攻撃をトリガーとするクリティカル率変更100%、
  回避率の代わりとしてガチャ虹では初となる60%の高倍率の命中デバフや
  「[自身]自身がクリティカルを2回発生させた次のターン開始時、特殊回避:1回」などを持ち、通常版よりも迎撃が優先された性能だといえる。
  敵が1体のみで登場し、再行動せず、3回攻撃スキルではない場合には延々とハメ殺すことが可能。

• ホルムショルディアと同じ双連撃を持つキャラクターだが、やはり連撃の追加攻撃にかかるバフを一切持参しない。
  ミスデバフもできれば回避率と組み合わせたいところだが、本人が回避率を所持していないため、
  近年の高難易度ステージに多い、命中率上昇バフ持ちで再行動付きかつ複数体同時に出現する敵を相手にする場合に迎撃をメインにするのは難しい。
  ただし、この直前のイベントにてボスダメ上昇150%と、初の「[5人]回避率上昇:30%」のあるブルーベリー(イースター)が実装されている。
  この年はすでに、50%以上の高倍率のボスダメバフを持つ支援タイプがブルーベリーを含めて2人実装されているが、
  スイカズラを中心とするこのような環境の変化はスイセンの編成の組みやすさにも影響を及ぼすことだろう。

• 攻撃力バフの欠如や回避率0%などの欠点を通常版から引き継いでいるため、
  双連撃と両立させず迎撃のみに特化させた回避パーティでは攻撃力バフやクリダメバフのある
  先述のヒガンバナ(輝く情熱のドレス)やチェッカーベリー昇華に軍配が上がるだろう
  （迎撃の倍率の差がそのまま迎撃の威力の差にならないのは#性能のあれこれでも述べた通り。
  この二人は迎撃倍率ではなく迎撃にかかるバフの総量が大きいため迎撃付与も有効である）。
  このような編成事情はやはりスイセンのそれによく似ている。

• 彼女に対するスイセンの差別化のポイントは敵の命中率上昇バフや弱点属性の有無と討伐全体にかかる総ターン数である（通常版と同様）。

朱雀院紅葉

• 連撃と迎撃を両方持つアタッカーの4人目。
  回避率を所持しないが、条件付きの連撃20%と「毎ターン25%の確率で戦闘終了まで、特殊回避:1回」を持つ。
  攻撃属性はスイセンと同じ「斬属性」＋「[自身]攻撃属性追加:突」である。
  コラボキャラのため説明は割愛。

①スイセン＋(メコノプシス or ストレプトカーパス(水着))＋(バンダ昇華 or オミナエシ)＋α

• 古典的な回避・迎撃パーティの一例。
  回避キャラのみで固めると攻撃力やスキル発動率が不足してしまいやすく、
  戦闘が長引くことによって被弾率が上がるため推奨されない。
  また、回避をトリガーとするアビリティのあるキャラクターが多いため、挑発させるメンバーを慎重に選ぶ必要がある。

②リンゴ(ジューンブライド)＋ユキモチソウ昇華＋ブルーベリー(イースター)＋ヒノキ(パラレル学園)＋スイセン
（フラワーメモリー:「誰かが好きだったパンの味」＋「晴れの装い」＋「貴方だけのパティシエール」＋「一緒に帰ろう」＋「看板娘、誕生？」）

• スイセンの性能が念頭に置かれた、連撃と迎撃を両立する“半”迎撃軸のパーティ。
  連撃やスキルデバフが主軸のPTとは異なり、回避と迎撃の性質上必ず運ゲーになってしまうが、
  命中デバフ60%と合計回避率+80%により、高難易度ステージでも通用する継戦能力がある。

• 特殊回避+3回、確定ガッツ付与+1回、確率ガッツ付与+0～3回
  ヒノキの攻撃力バフはターン経過に伴い低下するが、リンゴとFM「一緒に帰ろう」の経過バフが補完するためほぼ一定の倍率になる。

• 「VS月輪の来訪者」の上下両ルートを最終戦も含めてクリアすることができる。
  スイセンの連撃とブルーベリー(イースター)のボスダメバフの組み合わせが、
  回避迎撃では分の悪い命中率+100%の敵のいる下ルート初戦の突破を可能にしている。
  最終戦のタケ本体や、回避率と命中率+100%を持つ挑発持ちのその取り巻きにはスイセンの通常攻撃が当たりにくいが、
  高倍率の命中デバフと合計回避率80%により比較的安定して迎撃だけで倒してしまうことができる。

• 「VS王国の騎士」はこのパーティを除いて、迎撃PT単独でのクリア報告がおそらく上がっていないステージだが、
  討伐全体を通じて迎撃付与の回数が増加するこのスイセンならば、HP約1.5憶のコルベット最終戦も迎撃だけで倒してしまうことができる。
  道中のコルベット戦はボスフラグがないため、ボスダメやボス攻撃力が意味を成さず戦闘が長引いてしまうが、
  このことを利用して迎撃付与の回数を増やすことができる。
  最終戦は無効化+10回のため、1対1では6ターン目までスキルや通常攻撃でダメージを与えることができないが、
  スイセンが一撃当たり約100万ダメージの迎撃を25回ほど付与された状態で戦闘開始し、
  特殊回避3回を含めて回避を計6回発動することで、6ターン目を待たずに倒してしまうことができる。
  命中率+100%の敵に対するこのPTのスイセンの回避・迎撃発動率は40%である。
  （簡略化のために）攻撃をHPで受けきれる場合を考慮せず
  特殊回避3回＋確定ガッツ1回＋5分の3の確率でスイセンに付与される確率ガッツ最大3回＋ガッツなしで受ける攻撃1回を合わせた
  敵の攻撃5～8回の間に通常回避が3回発動する確率は31.74%～68.46%になり、迎撃軸であることを考慮しても中々安定した勝率といえるのではないだろうか
  （もっとも、道中の戦いで事故が起きてしまうこともあるため討伐全体での勝率はこれより下がる）。
  迎撃軸の限界に迫るパーティといっても差し支えないだろう。

③スイセン＋ストレプトカーパス(水着)＋（ヒガンバナ(パラレル学園) or ブルーベリー(イースター)]）＋（ジューンベリー or ブラックベリー(イースター)）＋(ハートツリー or ユキモチソウ昇華)
（フラワーメモリー:「ディーラーズレッスン」＋「歌声は風に乗って」＋α）

• 迎撃を重視しつつスキルと連撃の威力に配慮した回避迎撃パーティ。
  「[自身]回避率上昇」を持たないPTメンバーの生存率にはあまり期待しないこと。
  ［(斬属性かつ)守護タイプ1人］対象のバフを持つストレプトカーパス、ヒガンバナ、ブラックベリーに合わせて
  スイセンを守護タイプに変更すること。
  なお、攻撃力を経過バフ頼みにすると初動が遅くなる欠点がある。

• フラワーメモリーは攻撃力バフの大きい「ディーラーズレッスン」をスイセンに、挑発をストレプトカーパスに、
  残りのメンバーに5人全員の攻撃力やクリティカル率を上げるものをセットする。
  「一緒に帰ろう」(解放Lv5：2ターン経過×攻撃力+20%)、「晴れの装い」(解放Lv5：クリ率+15%)、「誰かが好きだったパンの味」(解放Lv5：クリ率+10% クリダメ+10%)等がよい。
  なお、ヒガンバナは被攻撃トリガーのアビリティを持っているものの、本人の回避率が低いため挑発をさせないほうがよい。

• 「VS月輪の来訪者」の上下両ルートをタケ最終戦までクリアすることができる。

④ユキモチソウ昇華＋ネムノキ(七華の花騎士)＋ハナモモ(ハロウィン)＋スイセン＋（ドラセナ or ヒノキ(パラレル学園) or カルダミネ・リラタ(ハロウィン)等）
（フラワーメモリー:「看板娘、誕生？」＋「晴れの装い」等）

• オードソックスな攻撃タイプ1人のパーティに命中率デバフのユキモチソウを加える素朴なPT。
  スイセンの回避率が50%のままなので、「命中率+100%」を持つ敵への迎撃発動率は10%止まりになる。

• ハナモモの発動率上昇アビリティのためにネムノキを支援タイプに変更すること。

• フラワーメモリーは主にクリティカル率を上げるものをセットする。
  ユキモチソウが敵にミス誘発（または敵の命中率上昇バフの緩和）とメンバーにクリバフを、ネムノキが一通りの守護バフを、
  ハナモモがスキル発動率バフと打属性付与を、カルダミネ・リラタが攻撃力をはじめとする火力関連バフをかける。
  参戦条件付きのバッファーが多い点に注意。継戦能力は命中率デバフ60%とネムノキの無効化・HP保護・確定ガッツ追加に依存している。
  メンバーへの回復・吸収付与や追加の回避率バフなどがないため長期戦への適性に多少の難もあるが、
  高難易度ステージの「VS月輪の来訪者」程度ならクリアすることができる。

連戦時に真価を発揮し、純粋な1ターンPTでは敵を倒しきれない場合でも、スイセンの回避率と迎撃付与によってある程度敵の攻撃を凌ぐことができる。
アタッカーの役割としては同じく連撃を持つタツタソウや、連撃と迎撃を持つスイカズラ等と被るものの、
自己バフの関係からあちらが主に与ダメバフを伸ばすことになるのに対して、こちらはボスダメージとクリティカル率が中心になるなどパーティメンバーの構成が異なってくる。

①ヒノキ(パラレル学園)＋シロタエギク(パラレル学園)＋イフェイオン(パラレル学園)＋オンシジューム(クリスマス)＋スイセン

• 高倍率の攻撃力バフと打属性付与をかけられるバッファーとしてヒノキ、
  ボスダメやクリ率などを持つバッファーとしてシロタエギクとオンシジューム、スキル発動率のためにイフェイオンを編成したパーティ。
  フラワーメモリーはスイセンに「看板娘、誕生？」を持たせよう。
  なお、1ターンPT向きの命中デバフ持ちとしてオモイグサ昇華も適性がある。

• 特殊回避・無効化・確定ガッツ・確率ガッツ・吸収付与等の継戦支援アビとスイセンの回避迎撃で多少の攻撃に耐えることができ、
  高難易度ステージの「世界花の力のダンジョン(EX級)」程度なら問題なくクリアすることができる。
  最終戦は無属性相手の持久戦になるため安定しないが、道中戦では億のダメージを叩き出すことがある。

アタッカーを2人以上編成するパーティ。

①スイセン＋ヒガンバナ(パラレル学園)＋リンゴ(ジューンブライド)＋ネムノキ(七華の花騎士)＋リーガルリリー

• ヒガンバナのバフの対象にするため、スイセンのタイプを守護タイプに変更すること。

• リーガルリリーに突属性付与FMを持たせると高難易度ステージの「月輪の来訪者」や「世界花の力のダンジョン(EX級)」などのステージをクリアすることができる。

• 2022/01/17 復刻ガチャ開催(～2022/01/24)
• 2022/04/11 「復刻 特別キャラ出現率アップガチャ」が開催(～2022/04/25)
• 2023/05/25 「復刻 特別キャラ出現率アップガチャ」が開催(～2023/06/07)

心臓に咲く 水仙 燃ゆる夜に

スイセン(和名:水仙 英名:Narcissus 学名:Narcissus tazetta)とは、キジカクシ目ヒガンバナ科の多年草。
上述のNarcissus tazetta以外に、ニホンズイセン(学名:Narcissus tazetta var. chinensis)と呼ばれる変種もまとめて「スイセン」と呼ばれる事が多い。

原産地はスペイン、そこから世界中に広がっているポピュラーな観葉植物の1つ。
丸い球根(鱗茎)からヒガンバナ科お馴染みの長い線形の葉を伸ばし、冬から春にかけて白や黄色の目立つ花を咲かせる。
その花からは甘い香りが漂い、見た目だけではなく嗅覚でも楽しませてくれる。

一方で、ヒガンバナ科の例に漏れず毒草。リコリンやガランタミンという様々な毒を含み、口にしようものなら容赦なく命を奪いに来る。
加えてスイセンは非常に誤食・誤飲が多い事で有名。葉だけ見ればギョウジャニンニクやニラ、ネギ類に近い。
畑でニラやネギと間違えて採ってしまい誤食、山で山菜集めしてたらギョウジャニンニクやノビルと間違えて採ってしまい誤食と、とにかくスイセンの誤食による死亡事故が年々報告されている。

日本では、中国で名付けられた漢名の「水仙」を音読みしたスイセンという呼び名で知られる。「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来する。水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかなという意味から名付けられたという。
別名に雪中花、雅客。方言ではチチロ、キンデバナ、キンデ、シイセン、ハルダマなどの呼び名がある。

英名及び学名のNarcissus(ナルキッソス)の由来は例によって神話から。
ギリシャ神話ではもはやお馴染みの「何かかわいそうだし転生させてやるわ」フォーマットの話の1つにこんなものがある。
ある所にナルキッソスという美男子がいた。その美貌は男も女も神も人間も関係なく虜にしていた。
しかし、彼はとある理由から愛の神アフロディーテを怒らせてしまい、「彼を愛した者は彼を手に入れることが出来ない」という呪いをかけられていた。
神に呪われた運命故に誰も彼と結ばれる事は無く、不幸の連続や彼自身に愛想をつかされるという形で皆その恋を砕けさせていった。彼も叶わない恋が続いた結果、無感動で非情な人間へと変わっていった。
特に、エーコーという精霊は彼に捨てられた悲しみから彼を呼ぶ声がいつまでも反響しつづけ文字通りの木霊(こだま)と化してしまう程。
そしてエーコーの件に怒った復讐と天罰の神ネメシスは、ただでさえ呪われた彼に新たな呪いをかけた。「誰も愛せないナルキッソスは、もはや自分しか愛せない」と。
ネメシスはナルキッソスを裁く為に鏡面の様に澄んだ泉へと彼を呼び寄せた。

「う～～水分補給水分補給」

今、きれいな水を求めて全力疾走している僕は顔立ちが整いまくったごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、自分自身が大好きって事かナ……。
そんなわけで山にあるきれいな泉にやって来たのだ。
ふと水面を見ると、水面に一人の若い男が映っていた。

「――ウホッ！いい男…」

こうして、水鏡に映る自分自身に夢中になってしまったナルキッソスは、飢えて死ぬまで己の姿に陶酔し、愛情を抱き、その場に居続けていたという。
或いは自分自身と口づけしようと水に近づき、そのまま泉に落ちて溺死したとも。
彼が死ぬまで、もしくは死ぬ直前までいた丘には一輪の花が咲いていた。
それはなんとも美しい、文字通りナルキッソスの生まれ変わり様なスイセンの花だったという。

こういった話から、自己愛の高い人物の事を「ナルシスト」と呼び、心理学における自己愛の傾向を「ナルシズム」と呼ぶ様になったとか。