ユズ のバックアップ(No.8)

学名：Citrus junos

ミカン科ミカン属の常緑小高木。
英名はそのまま Yuzu。
飛鳥時代には栽培が記録されており、日本固有種みたいな扱いだが中国揚子江上流域原産とされる。
果皮を香りづけに使うほか、果汁を酢代わりに利用するが、実は国内で後者の用途が一般的になるのは割合近年のことである。
というのも一時期村興しのための商材として日本各地に栽培が広められたから。
「柚子の酢」みたいなのを地元ブランドで売ってるところはだいたいこの流れ。

柑橘類の中では比較的耐寒性に秀で、病虫害にも強いことから栽培に手がかからない。
特に果皮を直接食用に供する都合上、低農薬・無農薬での栽培が容易であるのは大変なメリット。
一方で生育自体は大変遅く、実生では実ができるまでに十数年かかる。
このため、商用目的では接ぎ木等によって増やすことが多い。
また、柑橘類には付き物の棘が大変鋭く太く長い。
ともすれば自分の実を傷つけてしまうほどで、うかつに触れると大けがをする。
革の手袋などの完全防備が必須。ここまでくると完全にただの凶器である。

実のなりにくさや棘の鋭さ・多さは野生の原種に近いままのためでもあり、近年の作付け面積の広がりの中で棘の少ない種や生育の早い種などの品種改良も行われている。

国内では割と混同されるハナユ(花柚子 C.hanayu)は別種とされる。