さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。漢字で書くと「山茶花」。
どう見ても「サンサカ」じゃねぇかいい加減にしろと言いたいところだが、実際そのように呼ばれていたのが訛って「サザンカ」になった。
「山茶」とは本来中国語でツバキのことなのだが、日本に輸入されるにあたって混乱が生じ、誤ったまま定着したらしい。
ちなみにサザンカの中国語名は「茶梅」。いずれも「茶」という字が入るのは、我々が日頃お茶として飲んでいるチャノキと近縁なため。
学名は"Camellia sasanqua"であり、お察しの通り、種小名はそのまま日本語のサザンカから命名されている。手抜きである
童謡にも歌われているように、周囲の木々が葉を落とす晩秋から冬にかけて花を咲かせ、民家の生垣などに彩りを加える。
原種のサザンカはほとんどが白い花を咲かせるが、栽培品種は赤やピンクなど様々な花色に富んでいる。
ツバキと非常によく似たものも多く、ひと目で見分けるのは難しいが、主に以下の点で区別できることが多い。
- ツバキは冬から春先、サザンカは晩秋から冬にかけて咲く。
- ツバキは花弁や雄しべが根本でくっついているが、サザンカは離れている。
- ツバキは花弁が筒状に開き、花姿はお椀のように丸みを帯びるが、サザンカは花弁がほとんど完全に平開する。
- 樹の下に散った花に注目。ツバキは花弁と雄しべがくっついたまま花ごと落ちるが、サザンカは花弁が1枚ずつ散る。
- ツバキの葉は大きく光沢がある。サザンカの葉は小さくて艶がなく、縁の鋸歯が大きく目立つ。
とは言え、両者ともに変種や栽培品種が多く多様性に富むので、これらの点で確実に区別できるとは限らずかなりややこしい。
また、ツバキとサザンカの交配種(意味深)も多数存在し、カンツバキ(寒椿)やハルサザンカと呼ばれる。
これらは分類上はサザンカとして扱われるが、外見上はほぼツバキとの区別がつかないものも多い。
それぞれの原種は区別が容易なのだが、美しい花を求めて改良を繰り返す内、その姿が似通ってきてしまったと言うべきかもしれない。
ツバキやサザンカは欧米でも人気が高いが、あちらではツバキとサザンカを特に区別せず、どちらもCamelliaの一種といった認識であるらしい。
交配品種まで無理にツバキとサザンカに分けようとしているから面倒なことになるんじゃないかなぁ・・・
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