ザクロ科ザクロ属またはミソハギ科の落葉性小高木。
リビアの国花。
学名:Punica granatum
英名:pomegranate
原産地:小アジア-アフガニスタン~ヒマラヤ
ザクロは漢字で「石榴」と書く。
「石」の字は安石(アルサケス朝。現在のイラン辺り)、「榴」は「こぶ」を表す。
学名のPunicaはラテン語で「カルタゴの」を意味するpunicus、granatumは「粒上の、たくさんの種を持つ」の意味。
ザクロは、古くから果樹や庭木として栽培されており、日本には平安時代に伝わり、鎌倉時代に栽培が始まった。
4月頃の葉緑素を十分に持っていない若葉は、紫外線から身を守るアントシアニンという赤い色素を持つため赤い。
※モミジとかポインセチアが赤くなるのもアントシアニンによるもの。
開花時期は6~7月。春に延ばした枝の先に鮮やかな赤い花をつける。
果実は9月下旬~10月頃になると熟して実が不規則に裂け、学名の通りたくさんの種が詰まった果実が収穫できる。
種の周りには半透明の赤い外皮があり、汁気が多く酸味と甘みがある。
種が多いことから、アジアでは子孫繁栄・豊穣の象徴とされていた。
石榴皮(陰干ししたザクロの花や果実)は下血や下痢の時の内服薬、口内炎や扁桃腺の炎症の煎じてうがい薬に用いられた。
その他にも動脈硬化、骨粗鬆症、生活習慣病などの予防の効果があるとされる。
また、ザクロの実は、女性ホルモンのバランスを整えるエストロンを多く含み、更年期障害による症状の緩和や美肌作用を持つことから、「女性の果実」ともいわれる。
クレオパトラや楊貴妃などの世紀の美女たちが美を保つために食べていたとか。
万緑叢中紅一点
多数の男性の中にいる唯一の女性を「紅一点」と言うが、これは中国の王安石が林の中に咲くザクロの花を詠んだ詩に由来する。
ザクロは、神話や伝承にも多く登場する。
気になった団長は「鬼子母神」とか「ペルセポネ」とか「デメテル賛歌」とかで検索してみるといいだろう。
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