シソ科アキギリ属の宿根草で、ゲーム内での自己紹介でも本人が言う通り、サルビアの近縁種。
「チェリーセージ」というのは流通名(俗称)で、日本では
- サルビア・ミクロフィラ
(1885年にアメリカのナチュラリスト、プリングルが発見)
- サルビア・グレッギー
(1848年にアメリカの冒険家、グレッグが発見)
- サルビア・ヤメンシス
(ジェームス・コンプトン、マーティン・リック、ジョン・ダルシーらが1900年に発見。上述のミクロフィラとグレッギーが自然交雑したもの)
の総称として扱われているが、英名で Cherry sage と言った場合は Salvia microphylla のことを指すのが一般的。
ちなみに、Salvia greggii は英名では Autumn sage と呼ばれる。
また Salvia microphylla には、Baby salvia や Graham's sage, Blackcurrant sage といった別名もある。(Blackcurrantはカシスのこと)
これらはアメリカ南部・メキシコ原産で、園芸品種としては丈夫で非常に育てやすいため、初心者向けとして人気である。
葉や花には果物のような芳香があり、これがチェリーセージと呼ばれる所以。
これらは名前が示す通りサルビアの仲間であるが、そもそも「サルビア」と「セージ」の違いは何かというと、実は厳密な区別は特になく、かなりあいまいである。
日本では何となく観賞用の花を「サルビア」、ハーブとして薬用・食用に使われるものを「セージ」と呼んで使い分けられているが、
ではどれが食用にできるのか、と言っても厳密に区別するのは難しく、逆にセージと呼ばれているものにも毒成分を含んでいるものもある。
ちなみに、一般的に「サルビア」と呼ばれているサルビア・スプレンデンスは花から甘い蜜が取れるので、学校帰りに花を摘んで蜜を吸ったという団長も多いと思われるが
このサルビアの蜜にもわずかながら毒成分が含まれており、あまり多量に取ると気分が悪くなることもあるので、注意が必要。
また salvia という言葉は元々、ラテン語の salvare (治療) から来たもので、サルビア属の植物が薬用になるものが多いことが名前の由来なので、
実は「薬用かどうか」でセージとサルビアを区別するのはあまり意味がなかったりする。
またサルビア/セージは人間との関わりの歴史も非常に古く、古代ギリシア時代には既に薬草として栽培されている。
ギリシア神話には美しいニンフのセージと人間の王との燃えるような恋のエピソードなどもあるが、こちらは将来セージ(コモン・セージ)が実装された時のために、詳しくはそちらに譲りたい。
チェリーセージの花色には、交配されて出来た園芸品種には白やピンクなど色々なものがあるが、原種は鮮やかな緋色の花を付ける。花言葉の「燃ゆる想い」もここから連想されたもの。
放っておいても育つなどと言われている丈夫な花だが、日当たりを非常に好む性質で、あまり日が当たらないと枯れてしまうこともあるので、育てる時は日当たりには気をつけたい。
ちなみにセージの名前は冠してはいても、チェリーセージは通常は食用にはしないので、ハーブティーなどにするのは(毒ではないが)あまりオススメではない。
※ハーブティーを試した人のブログによると「あまり美味しくなかった」とのこと。
そもそも、前述のように英語圏では sage = 食用・薬用、salvia = 観賞用 などという分類をしているわけではないので、食用にしないセージ類があっても当然ではあるが。
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